こんにちは。 「スウェデッシュマッサージiki」秋山妙子です。

スウェディッシュマッサージikiは、東京は青山一丁目
①筋肉をしっかりほぐす 

「スウェデッシュマッサージ」


②深い悲しみに特化した

「グリーフマッサージ(光の雨)」


③かたく、重くなったお腹をふっくらと明るく導く 

「腸もみ」
 
の施術をメインにしている小さなサロンです。

 

 

先月に父の家に行ったとき、父の竹細工部屋の掃除を頼まれたのです。小雨の日。

 

足の踏み場も無い部屋だったので

「これはやりがいがある任務が来たわ!」と張り切って引き受けた。

 

 

すると父が

「もう竹細工は出来なくなったから、全部捨てるんだ」

と言う。父は開封した後の役所の封筒まで全部とっておく人なので、驚いて

「捨てちゃうの??」

「全部、燃すんだ」

 

袋を突き破ってしまう竹ひごは、大きくて丈夫な、使用済みの米袋に入れていくことになった。

作りかけの作品は潰して、米袋に入れる。

あっさり父が決めたこととは言え、作りかけの作品を潰すのは心が痛んだ。

 

作りかけの作品でも竹はしなやかで弾力があり、米袋のなかでまた元の形に戻ろうと膨らんだ。

米袋を3つ、火の傍と作業部屋と、父が何度も往復して袋を使いまわしながら、片っ端から捨てた。

 

「また作ればいいのに」

「もうできないんだ、どうしても形にならない」

「何が原因だろう?目?指先の感覚?」

と聞いたら

「神経だろう」

と父が言った。

 

同じ大きさでたくさんの六角形を作るように固定しながら、ある地点ですべてのひごを同じ角度で立ち上げて、方向を変えて編んでいく。常にまっすぐにあろうとする竹ひごを思いのままにするのはなかなか大変で、確かに、編み物よりずっと細部の集中力が必要そうだ。

 

 

 

 

 

軍手にゴム手袋を重ねて、黙々と捨てた。

箒をかけて、雑巾をかけて、机を壁に寄せ、そこに作品を並べてとても綺麗になった。

 

火を燃すところにいくと、父が竹に火をつけようとしていたが、湿気の高い納屋に大量に保管したままの古すぎるマッチはそもそも着火しにくいし、小雨がやんだばかりで全体的になにもかもがしっとりしていて、全然火がつかない。

「ライターはないの?つかないじゃない」

「マッチがたくさんあるんだから、マッチを使う。いつもはつくんだ」

 

マッチを擦るたび、先端の薬品が崩れるだけで、火がつく気配が無かった。

父のおぼつかない手元と、しけてふくらんだ薬品がぼろぼろしていくのを見ていた。

 

家族チャットに「お父さんが竹細工の材料を全部捨てました」と書いたら、

通常かなり押しの強い「捨てる派」の母と妹が

「捨てることないのにね」

と言った。

 

竹細工部屋はこの上なくすっきりしたけど、とても変な気持ちで帰ってきて、どうしても気持ちが定まらなかった。

 

1か月くらいかけて、その原因は何かを隠しているからで、隠しているのは悲しさだということがわかった。

私は、ショックなことがあると瞬時に感情を封印できる特技があるのだ。

 

父が弱ってきているのを「悲しい」と言ってしまったら、今後がずっと悲しくなってしまう。悲しいと感じたくなかった。

 

でもあれだけ努力をしている父が努力を放棄したのは、そして着火ひとつスマートにできない様子は、言葉にしたらこうだった

「みすぼらしくならないで」

 

父は目の老化でとんでもなく汚れた服を着るようになり、何を探すにも手でその場所をまさぐるようになり、歩き方が冗談のように遅くなって、今手にしていたものを一瞬に見失ってしまう。

 

もっとしっかりしていて、ちゃんとしていて

このメッセージこそ、だらしない私に両親が常に伝えてきたことだ。そのご本尊である父がぐずぐずと崩れていくのを見るのは、頭が痛くなるくらい混乱することで、なんとか見て見ぬふりをしていたけど、感情はそうはいかなかった。

 

で、一か月くらい、外は通常で私は笑っているのに、足元はいつもぬかるんでいる、そんな状態を「普通でーす」というような顔で過ごしていたが、限界がきて、人に助けてもらいながら感情を掘り、かなり泣いたのだった。

 

それが終わってまた今月父の家に行き、いろいろと手伝ってきました。

父がゆっくりゆっくり、取れたボタンを一つつけた。面白い仕上がりになっていた。

「あとは頼んでいい?」と言われ、残りのボタンを全部補強した。10倍くらいの速さで。

 

やっと書けて、良かった。

 

そんな訳でまた父通信は続く。母は元気で、先日、一人でツアーに飛び込んだ海外旅行から帰ってきた。彼女は父より丈夫な気がします。わからないけど。

 

親が老いるなんて初めてのことなので(当たり前か)、これからも混乱することが多いのだろうな。

人の力の及ばなさよ。

 

できることをやっていきましょう。

 

親が弱っていったり、魂が抜けていったりことが、もう珍しくもなんともない、そんなお年頃になりました。

 

お話したい方はサロンにいらしてね!

 

「できていたとき」の作品

 

これがたぶん最後の作品。

 

綺麗になりました!

 

燃やそうとする父

 

父のつけたボタンです

 

今週末から関西に行きます!

14(金)15(土)大阪四ツ橋でヘッドスパ

16(日)17(月)芦屋でボディ。16(日)11時、17時が空いてますー!

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ではでは、サロンでお会いしましょうー!

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