兄弟ブログ『DESIGN MONSTER』http://ameblo.jp/bashibashibashi/
より
実験は続いている。
試験管ベイビー2号と名づけられたモルモットがいた。
写真はまだない。
彼は上記のブログに登場する1号の改良型として開発された。
1号の実験は失敗であった。
「二度目は許されない」
そう誓った研究員の結束は固かった。
すでに無の状態から生命体を作り出すことには成功した。
あとは意のままに動かすことのできる人造人間をつくるだけであった。
彼らの決め事は試験管ベイビーの発言に一切耳を貸さないことであった。
特殊な電磁波を与えることによって自我の中に服従の精神を植え込むことには成功した研究員達。
命令次第でパイ投げはするし鋭い回し蹴りも繰り出す。
もちろん老若男女すべてにだ。
秩序は存在せず主人の命令のみに従う最高の研究体がそこにはいた。
研究員は手放しで喜んだ。
それまで他者の自我を完全に押さえつけることは不可能というのが定説だったからだ。
16年の労苦をねぎらい皆で宴会を始めたときに悲劇は起こった。
研究員の一人が嬉しさのあまり言ってはいけない一言を言った。
『・・・あなたに会えてよかった・・・』
その一言が彼のどのスイッチに触れたのかは分からない。
突如彼は4リットルの焼酎をほぼ垂直にして飲み始めた。
一分ほどたっただろうか。
彼は飲むことをやめた。
すでに髪の毛は逆立ち目は血走っている。
研究員達は恐怖を抱いた。
過去の惨劇が脳裏をよぎったからだ。
しかし被害は及ばなかった。
アルコールによって視力を失った彼は化粧室を破壊し程なくして倒れた。
人造人間にも限界の摂取量はあったのだろう。
研究員達は煙草をふかしながら夜の闇に佇んでいる。
試験管ベイビーの実験はまた失敗に終わったのであろうか?
否、そうではない。
彼はまだ絶え絶えではあるが息をしている。
肩で。
眠っているのだ。
研究はこれからも続くのだろう。
朝が迫っていた。
のぼり始めた太陽が研究員達を優しく包みこもうとしていた。
それは未来の彼らを照らす確かな光であった。