やってしまいました。


大学生以来の違反。


しかも原付で。


ショボショボ。


いいや、忘れよ。


それは突然のことでした。


ライター業を生業としている大学時代の友人から電話がありました。


「今度の日曜日、ワインの試飲会が六本木であるんだけど行かねいか?」


私は即座に答えました。


「行けたら行く」


行けました。


そのイベントは六本木ヒルズ内で行われており、薄く闇の気配を感じさせる時間に飛び込んだのです。


会費:無料という凄まじい吸引力を持った会場には血(ポリフェノール)に飢えた獣たちが列をなしていました。


その数、ざっと30は堅い。


ライターの彼は言いました。


「大丈夫。予約してるから」とディズニーのファストパスばりの横入りをかまして席につきました。


こちらはワインの味もロクに分からない素人男性4人組。


対してテーブルについたアドバイザーは社歴2年の男性。


『どんなものがお好みですか?』の問いに「ボデーが強い」「スパイシー」「デイリー」などと訳のの分からないオーダーをして赤白織り交ぜて10本ほど試飲しました。
(試飲ってちっちゃいカップにほんのちょっとなんですね!ケチ!)


身分不相応なイベントに多少の居心地の悪さを感じながらも1時間ほどで終了。


会場を出た僕らはボデーに強いブローを食らいながら自分達の居場所が分からないままフラフラと六本木を彷徨いました。


蛇行しながら歩いていると強い黄色の光が見えました。


それに赤字で書かれた文字と鶏。


「鳥貴族だ!」


じゃんぼ焼鳥にから揚げにチキン南蛮に鶏ラーメンに鶏茶漬け。


ビール!ハイボール!サワー!


自分達の場所を見つけた僕たちは28とりパーティーを開催し次回の約束をするのでした。


おぐ、ありがとう!


そんな感じ。