チタンステム製作にあたって、まず必要なのは材料だと思う。
材料が手に入らなければ、何もできない。

 また、一口にチタンと言っても、いろいろな種類がある。
自転車のフレームによく使われるのは、325チタンと64チタンになるかと思う。
ブロンプトンのフレームやステムに使われている材料は、クロモリだそうだ。
(諸説あるみたいですが。)


 また純チタン材は、比較的手に入りやすく、加工も楽だけれど、
メイン部材に使うには強度的に弱すぎるように思う。
以前、ライトステーを純チタン材で作った時に、短期間で破断した
苦い経験がある。

 

 純正と同等の形状で作るなら、メインパイプ部は同程度の強度を持つ64チタンが
良さそうなのだけれど、64チタンのシームレスパイプは、
一般的には、生産されていないそうだ。
 溶接パイプならあるけれど、できればシームレスパイプを選択したい。
また、フレームの評価では、64チタンは硬すぎるという意見も聞く
今回はステムということでもあり、パイプ部分は325チタンのシームレスパイプ
で十分だろうと思う。

 

 また繰り返しストレスが掛かり耐摩耗性を要求されることが想像される
ヒンジクランプ部や、ハンドルクランプ部は強度的に有利で入手性の良い
(高価ではあるが)64チタンを選択することとする。

 その他、TIG溶接棒もそれなりの強度のある材料でなければ
せっかく材料を吟味して製作しても出来上がった製品が台無しになることが
想像できる。

 

  さて、どこで購入するかだが、64チタンは、まともに買うと非常に高価なので、
ヤフオクで適当な端材を調達することとし、
メインパイプと64チタンのTIG溶接棒の材料は、いろいろ調べたところ、
在庫や種類も豊富で小売りや海外発送にも対応してくれるアメリカの
Titanium JOEという会社でを購入することとした。

 

http://www.titaniumjoe.com/

 

購入するメインパイプの寸法は、外径35mm、肉厚0.9mm
Titanium JOEはインチ表示なので、 1.3750インチ、0.0350インチとなる。 
購入できる長さは、12インチ単位で、
12インチではギリギリすぎるので、余裕を見て24インチとすることにした。

 また、注釈を見ると、conditionにCWSRとある。
何のことかと調べると、パイプの状態が、Annealed と CWSR と2種類あり、
Annealedは文字通り、焼き鈍し処理済で、CWSRはCold Worked and Stress Relieved
焼き鈍し未処理で、冷間加工と歪取り済の意味らしい。

 

以下の材料特性表を見るとCWSRの方は敢えて焼き鈍し未処理にすることで
加工硬化の影響を残し、通常の325チタン材よりも硬度を高く維持しているようだ。

 

http://www.titaniumjoe.com/index.cfm/material-data-sheets/mds-for-grade-9-3al-25v-titanium/

 

数値的には、64チタンに肉薄していると言えるかもしれないデータであり。
どっちにしろ、必要とする寸法のパイプはCWSR材しかないので、
外径1.3750インチ、肉厚0.0350インチ、長さ24インチ CWSRの325チタン
シームレスパイプを注文することにした。

 

4日で、届いた325チタンのパイプですが、見た目はただのパイプですね。