以前何かの雑誌で真心ブラザーズの倉持が言っていた、
「漫画はお金を払っただけきっちり楽しませてくれる娯楽である」
と。


僕もこの意見には全面的に同感である。
劇場公開の映画の一般鑑賞料が1800円程度であることを考えると、
#そして間違って女の子なんか誘って見に行って
#いいかっこして二人分払うことまで考えたりすると
さらに、チョイスした映画がはずれである可能性なんかを考えると、
映画と漫画のコストパフォーマンスは一目瞭然なのではないであろうか。



羽海野 チカ
ハチミツとクローバー 10 (10)

おとといから思い立ったように大人買いで集めた
『はちみつとクローバー』全10巻が
税込み4200円程度であることを考えると、
この金額でこんなに楽しませてもらい感動させてもらい
かつ、何度でも読める現物が残ることを考えると
コミック本ってなんてすばらしいのだろうと思う。




この10巻で物語りは完結する。



きっと意識して全編通して具体的な描写をわざとせず、
そして全員の気持ちをすべてわかりやすくは描いていないので、
ラストへ向かってある種のなぞが解けていくような感覚があり、
そこが妙にリアルさを感じさせる助けになっているのではないか。


実生活のとあるコミュニティにおいても、
全員の気持ちを誰かが上から見ているようにすべて知りえることはないのだから。



人生にはいろいろな選択肢があり
選択するときに人は何らかの基準を持つ。
基準は人それぞれ、何が良いとか悪いとかではない。


そんなことをうまく描ききっているのは作者が女性だからだろうか。




ところで普通、漫画家はいったい連載開始時に
どこまでストーリーを考えていたのだろう。
この漫画は6年間という長い連載期間を考えると
当初からオチまで考えていたとは思いづらい。
ということはオチはうまくまとめたということか。
にしては、神がかり的にうまいなと思えるのだが。