モロッコ旅行記 5 | 池野浩子オフィシャルブログ「わたくし、池野浩子と申します。」by Ameba

モロッコ旅行記 5

アイボリーの迷宮都市

次に訪れたのは、迷路のように複雑な街並みで有名なフェズ。ほとんどの建物が象牙のようなクリーム色のタイルでおおわれているため、アイボリーの迷宮都市とも呼ばれています。

フェズの玄関口、ブー・ジュルード門。
別名フェズブルーとも呼ばれる鮮やかな色のモザイクが施された門をくぐると、そこはもう迷宮都市。戦乱の時代に敵の侵入を防ぐため、あえて迷路のような構造にしたのだそうです。
今はフェズの案内で生計を立てている人が多いため、案内人以外のモロッコ人と歩いているだけで、警察に事情聴取されることもあるとか。
デニーさんのお友達のお友達に、フェズに詳しい案内人の方がいるとのことだったので、紹介していただきました。
シーモさんというその方、何と日本に永住権を持っていて、某旅番組のコーディネーターをした経験もあるというフレコミ。その時は幸運な出会いに感謝しながら、フェズの迷路に足を踏み入れたのでした。
ヒト1人通れるかというくらい細い道を、迷わないよう、シーモさんの後ろを必死でついて行く私。
もし置き去りにされたら、2度と帰ることは出来ないかも知れません。







このフェズは古くから芸術の街としても栄え、今もタイルや染物、金細工などの伝統工芸を生業とする職人が数多く暮らしています。
なかでも繊細な幾何学模様のゼリージュタイルは、世界中に輸出される工芸品。街中のモスクや修道院などの壁面には、このタイルが使われていて、独特なイスラムの雰囲気を醸し出しています。
このタイル、周辺の山から採取する材料の土は、硬くて丈夫で割れにくいのだそうです。
気が遠くなるような繊細な作業に、モロッコの職人気質がうかがえました。

















迷路内に点在するアルガンオイルや刺繍のお店、パン工房などを見学。そして、革製品の染色工程を見学できるタンネリへ。入口でミントのブーケを渡され、上へ上へと登ります。
ブーケを持たされた理由は何と消臭!奥に入るに従って異臭が強くなり、ミントの香りなしではいられなくなるのです。
円い染色桶が並ぶ作業場では、中世の時代から変わらない手作業で皮を染めていました。
手作業の伝統製法で上質な革を染める。だから水に濡れても火に炙っても問題ない、丈夫な革製品に仕上がるのだそうです。
改めて作業場を見下ろすと、染め上がった革が周囲の壁に貼り付けられた様子が一望できます。
アイボリーの壁面と、様々な色に染色された革のコントラストが鮮やか!赤はポピー、青はインディゴ、黄色はサフランなど、現在でも天然の素材で染めているそうです。
シーモさんによると、この作業場はアルマーニやサンローランなど、一流ブランドのデザイナーさんも買い付けに来るほど、質の高い革素材を生産しているとのこと。
その分値段も高いけど、他の店の革は全部偽物だからと、繰り返し強調していました。今にして思えば、ここで気付くべきでしたが…

工場内にある土産物売り場へ。そこで勧められたバブーシュ=革のスリッパが一足2000DH(ディルハム)。
凝った刺繍が施されているので少し高いけど、友達の紹介なので特別に二足で1500DHにまけてあげる!と言われ、喜んで購入しました。
ところが…リアドに帰って冷静に計算してみると、1500DHは約2万円。一足1万円のサンダルを二足買った計算です。
ちなみに地球の歩き方によると、平均的なバブーシュの値段は約80DH。シーモさんの口車に乗せられて、10倍近い値段で買わされたことになります。
別に強要された訳ではないので文句も言えませんが、まあ、迷わず行きたい所に全て行けたから、ガイド料ですね(^^;;
これも旅の醍醐味です。。。とほほ。笑










池野浩子