何故、マカオなのか。その3 | マカオの日本人経営カフェ。

マカオの日本人経営カフェ。

2012年、マカオ店「Cafe Little Tokyo」
を出店。
2015年にマカオ2号店「Tokyo Kitchen」を出店
2017年、マカオ2号店「Tokyo Kitchen」を売却。
現在のマカオ情報を配信。

今でもそうだが、マカオに辿り着いたと感じる瞬間がある。
初めての時はなお強く感じた。
フェリーを降り、ぐらりと揺れる小さな桟橋を二歩歩き、マカオの陸地に足を付ける瞬間。
明らかに別世界に来てしまったと思わせる何かがある。

油の混じった海の匂い、湿気の強い重たい空気、微妙な照明の暗さ。
一度入ったら出れなさそうな不思議な緊張感を与えるマカオのフェリーターミナル。

M先輩は着くや否や
「カジノ行こう!」
「あ、はい」

タクシーに乗って10分。
降りたホテルのロビーは、日本のホテルにはない豪華というかキンキラ感。
目の前の巨大噴水が噴水ショーを始める。先に見える別の巨大カジノもネオンと照明が
ギラギラして、日本のパチンコ屋が子供騙しのように思える。
僕はラスベガスも行ったことがなく、これがカジノ街なのかと圧倒された。
どの施設も無駄にというか本当に金のかかった建物ばかりだ。
この瞬間、
こんなとこで本当にカフェなど出来るのだろうか??
いや、無理だろう。
僕は間違いなく、初めてのマカオの印象で白旗を揚げていた。

その後、M先輩に教わりながら初めてのバカラを経験した。
今までオーストラリアやオランダのカジノで、ブラックジャックは経験があったが
バカラは初めてだった。
マカオにあるカジノの多分8割以上はバカラ台だろう。
なぜそんなにバカラばかりなのか。
始めはその疑問がずっと頭から離れなかったが、
M先輩に付き合い3時間ほどバカラを打つとその理由が分かった気がした。

ゲーム的にはバンカーかプレイヤーの二分の一を選択するだけのことで
たとえルールが分かっていなくても、賭けることは出来るくらいのものだ。
しかし、バンカーかプレイヤーのカードの合計の一桁が9に近いほうが勝ちという
ことだけなのに、やり始めるとあれこれと考え始めてしまい、
仕舞いには、勝手に自分でありもしない法則まで考え始めてしまう。
二分の一のゲームなのに、考えなくてはならないことが多すぎるのだ。
この掴めそうで掴めない感覚にハマっていくのだろう。

その後出会うマカオに20年暮らしているN氏は
「バカラは賭博の総合芸術だからな」と言っていた一言が今ではよく分かる。

しかし、これから始めようとしているマカオでのカフェ開業は
それを遥かに超える博打であり、運の総合芸術であることに
僕はこのとき全く気がついていなかった。

つづく。