前回の続き。


きつねのへそくり (京都駅)(1,280円)

D-1」輸送コーナーで買い逃した近江のとり天重弁当の代役として購入したもの。

銀杏形の蒲鉾、紅葉形の人参煮、銀杏が散らされた彩りが美しい。さながら紅葉舞い散る秋の寺院の境内のよう。

細かく刻まれたゴボウ、人参は、地面の枯れ枝に見立てたものか。素揚げの下にはお稲荷さん(油揚げ)の甘辛煮が石畳よろしく敷き詰められている。

更に油揚げをめくると、中から鶏肉かと思いきや合鴨の炭火焼、南瓜素揚げ、クルミ甘煮、味付きのこ(シメジか?)などが姿を現す。

表面に敷き詰められた具材をめくると、中からおかずがひょっこり…という構図は、新潟駅弁の「えび千両ちらし」を彷彿とさせる。

京都らしく、色とりどりの野菜を中心に、優しい味わいのあっさり上品な中に遊び心を加えた一品。

これも実は神戸の調整元の手によるものだが、京料理を思わせるに十分で、かつ独創的な駅弁。


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きつねの鶏めし 冬 (京都駅)(980円)

これも"代役"で購入。

竹皮を模した紙容器に包まれた素朴な作りで、小ぶりに見えるが、なかなか充実した内容。

炊き込みご飯の上に、鶏照焼、鶏つくね、結び蒟蒻煮、ネギ煮、エリンギ煮、人参煮、蓮根煮…と、鶏肉以外はほんのり甘辛の煮物で固めた弁当。

京都の漬物では定番の、すぐきを醤油漬けにしたものが脇を締め、端に置かれた三角形の大ぶりなお稲荷さん(油揚げの甘辛煮)が、"きつね"の名を物語るようだ。

ほの甘い優しい味付けの"味変"要員として、黒胡椒が添えられる。

七味唐辛子でピリ辛に味付けされた、エリンギがいい仕事をしている。


"代役"として予定外に購入した2つの"きつねシリーズ"、何度食べても素晴らしい‼︎


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鮎屋三代塩焼き弁当 (新八代駅)(1,550円)

甘露煮版が定番だが、あっさりした塩焼きの方が気に入っていて、大抵塩焼きのほうを買う。

昨年は、甘露煮、塩焼き、2種類の小ぶりの鮎が乗った"ハイブリット版"があったが、今回は無かった。

元々、"ハイブリット版"以外は、これよりは大ぶりの鮎が1匹デーンと乗った作りだった筈だが、小ぶりの鮎2匹に変わった模様。

掛け紙に記された"発売以来初のモデルチェンジ"とは、このことを指すのだろうか。

鮎は頭も含めて骨ごと食べられる。

塩焼きならではの苦味も、今となっては美味しく感じる。

椎茸煮、蓮根煮、桜漬け、それに芥子菜なのか辛めの菜葉が良い味のアクセントとなっている。


鮎を用いた唯一無二の個性溢るる駅弁だが、同封チラシを見て驚いた。鮎は長野の業者の手によるものらしい。モデルチェンジによりそうなったのか、豪雨や台風がそうさせたのかは不明。


店頭には鮎の塩焼きが単品でも売られていたが、特大サイズは何と1匹2,700円!

こうなると鮎も最早高級品ですな…。


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続いて甘いもの。


えがわ水ようかん [福井県] (850円)

ほぼ毎年買っている。

水羊羹といえば、夏の甘味の定番というイメージがあるが、福井県では寧ろ冬に食べる風習があるらしく、幾種類かの水羊羹が存在する。

このイベントの後、開催されるであろう福井物産展では、本品の他にも水羊羹が複数販売され、それらを試してみたこともあるが、個人的にはやはりこれが一番好みである。

個包装ではないが、軟質プラスティックのトレイに入れられ、短いほうの辺に合わせた幅の木ベラで一気にこそげ取るように掬えるのが便利。他の製品ではここまでの気遣いはない。

黒糖が混ざられており、上品さの中に一捻りした複雑な甘みを楽しめるので、飽きない。


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羽二重くるみ [福井県] (840円/6個入)

チラシには"10個入"と記されているが、6個入が正しい。公式サイトには"ごめんなさい"と訂正文が載っている。

昨年買いそびれてしまったので、今回は朝一で入手。

シュー生地〜胡桃甘露煮入羽二重餅〜シュー生地

〜胡桃入羽二重餅〜シュー生地 の5層構造。

洋風のシュー生地に、ただの羽二重餅を挟んだだけなら、シュークリームの方が美味しいと思うところだろうが、胡桃が両者をつなぎ止め、他にない和洋折衷の風味豊かな味わいを実現している。


こうして振り返ってみると、福井県の食べ物をこのイベントでは結構食べていることに気づく。


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"1/11編"はこれにておしまい。

次回へ続く。