前回の続き。

 

いわてあぶり焼き和牛弁当(一ノ関駅)(1,200円)

昨年、同じ一ノ関駅の「金格ハンバーグと牛あぶり焼き和牛弁当」という駅弁が「5ちゃんねる」で話題となり、ノーチェックだったが食べた。

 

(参考画像)

その時の付け合わせだった牛肉炙り焼きが絶賛されていたが、今回それに特化した駅弁を発見したので購入。

香ばしい甘辛牛焼肉が白飯に乗ったものがメイン。

トッピングのししとうが個性的。

付け合わせは甘酢生姜、玉蒟蒻、椎茸、人参。

牛焼肉は非常に食が進む味だが、やはり昨年感じた通り、肉のふがねの弁当を凌駕するほどとまでは思えず。

 

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松阪名物黒毛和牛牛めし(松阪駅)(1,500円)

昨年に続きリピート。このご時世、価格据え置きというのが何はさておき素晴らしい。

全面に白飯を敷き詰め、その上にドーンと松阪牛赤ワイン煮を載せた気前のいい弁当。

粗挽き黒胡椒をかけて食べる。

弁当の名前からして、かの「モー太郎弁当」と同類の甘辛牛めし弁当かと思いきや、似て非なる味わい。

僅かに1本トッピングされた菜花と脇に追いやられた梅干しが唯一の味変アイテム。

やはり旨味は脂味なのだ。そう実感させてくれる弁当。

 

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鶏めし (大舘駅)(920円)

昔から食べつけている、私にとって大定番の一品。

記録を辿ってみると、9回目となる。

毎度感心するのは、まずこの包装の美しさである。

ゆえに開封前の写真を特別に掲載した。

全体的にほの甘い味付けの鶏弁。

鶏肉はお世辞にも決して量が多いとは言えないが、玉子そぼろと、煮汁を含んだご飯が、それを補完する。

個性的な付け合わせが名脇役を演じる。

彩りだけでなく、味に変化をつけるのに大きな役割を果たしている。

とりわけ椎茸下のがんもどきが絶品。

三角形に区切られた仕切り、紙紐でかがられた外装、お手ふきまで付いている心遣い。

昨年と比べ、僅かに値上がりしているが、それでも今どき1,000円を切るのは良心価格。

今年はご飯がべちゃっとしているとの評判だが、幸か不幸か食べるまで日が空いたので、そんな印象はなかった。

 

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ながさき鯨カツ弁当(長崎駅)(1,296円)

こちらも素晴らしい外装の駅弁。

歌川国芳の巨鯨絵図をあしらった掛け紙が素晴らしい。

ミンク鯨の漬けをカツにしたものがメイン。脇には同じく鯨肉100%のそぼろ。脇にはこれも鯨肉の竜田揚げが配されるという、鯨尽くしの超個性派駅弁。

確か京王「駅弁大会」では一度姿を消した筈だが、近年復活し、以前は後半だけ出店だったりしたものが、近年では通しで出店となっている。

もっと何度もリピートしている積りでいたが、ブランクがあったりして、今回で3度目であった。

カツがペラペラなのは値段を考えれば致し方のないところ。

 

ある世代以上にとっては、鯨の竜田揚げが懐かしい食べ物と言われているが、私自身は寧ろ鯨ステーキの方が懐かしい。

なかなか硬くて噛み切れず、しまいには指を口に突っ込んで、無理矢理引きちぎって食べると、かかっていたソースの味だけが滲み込んで、最後は味の薄いやけに筋張った肉がいつまでも残る。

 

そういう意味では2020年に食べた「ながさき鯨カツとステーキ弁当」のほうが、実体験により近しい。(→当時の記事

 

そんな往年のイメージとは違い、この弁当の鯨肉は、いずれも柔らかく食べやすい。僅かな臭みもまた、私には懐かしく感じる。

 

昨秋には飛び地だが、長崎に新幹線が通った。

大分前に一度だけ長崎を尋ねた時、買い求めたのは「卓袱弁当」という、かの名物料理のエッセンスを1人前の駅弁に盛り込んだ豪華仕様駅弁であった。

現地でこの鯨弁当が、どれほど存在感を有しているのか、興味が湧く。

 

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厚切り黒豚角煮めし(鹿児島中央駅)(1,280円)

今回、牛肉弁当百花繚の様相を呈する中、異色を放つ豚肉弁当。

黒豚角煮メインで、下は白飯ではなくとりめし。

きんぴら牛蒡は豚肉と相性抜群。

付け合わせの山菜も個性的。

おまけにミニ大福までついている。

しかし、付け合わせの綺麗な切り口の玉子は、またしても偽玉子。黄身のトローリとろける味は旨いのだが、白身の不自然な食感がいけない。

肝心の黒豚角煮も、角煮という割には薄切りで、角煮という感じがしない。

角煮と言われて抱くイメージはもっと肉厚でごろんごろんとした塊なのだ。

全面にご飯が敷き詰められ、ボリュームもバランスも良い弁当なのだが、今一つインパクトに欠ける気がした。

 

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Wで旨いカルビ丼(米沢駅)(1,280円)

名前からは想像もできなかったが、加熱式容器の駅弁であった。

塩とタレ両方のカルビ焼肉が白飯に乗った弁当。

トッピングはニンニクの芽。わずかに見える付け合わせは、大根、キュウリの醤油漬。

紐を引っ張り7~8分でアツアツに仕上がるのは確かに有難いが、その分確実に量が犠牲になっている。

今回の記事最初の方で挙げた弁当の上げ底よりは、それでもまだましに思えたが、ボリュームの点でまず満足がいかない。

肉も細切れで、通常容器による牛肉弁当が多数ある中で、敢えてこれを選ぶ意義は著しく少ない。

 

これにて1/7に調達した食べ物のレポートは終了。

 

次回へ続く。