前回の続き。

土曜昼にまたしても4個続けて食べたら、夜になっても腹が減らず、甘いものにしておいたが、構成の都合上甘いものは後に回し、翌日以降食べ進めていった弁当のレビューから始める。

 

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どっさり牡蠣めし (姫路駅) (2,160円)

牡蠣の蒸し焼きがどっさり。これだけ並ぶと壮観である。

ご飯も白飯ではなく、牡蠣のだしで炊き込んだご飯である。

味はシンプルな薄味で、どんどん食べ進められる。

付け合わせは玉子焼、椎茸煮、大根甘酢煮。

姫路といえば関西圏で、かつての新快速の終着駅、山陽電車の終点だが、玉子焼は確か甘かった。

 

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北海道グルメ丼ぶり 豚丼 (南千歳駅) (1,500円)

大会記念特製丼が付いたスペシャルバージョン。

中身は豚丼である。

肉は割と厚めで、結構食べ応えあり。

折込チラシの写真とは随分感じが異なり、たっぷりの豚肉は同じだが、チラシのような焦げ目が殆ど付いていない。

肉厚ゆえ食べ応えは十分あり、丼は小ぶりだが、ご飯が余ることは全くなく、寧ろ豚肉が余るほどであった。

とはいえこれは生姜焼き用の豚肉のよう。

どうせならもう少し香ばしく焼いて、チラシ写真のような焦げ目が欲しいところ。

記念丼は勿論保存版だが、これで3つ目になった。

もうそろそろ記念丼は買わなくてもよいか…というよりも置き場がこれ以上なくなりつつある。

豚丼としては、「豚大学」のほうが…。

 

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阿波尾鶏トロッコ駅弁 (徳島線 藍よしのがわトロッコ) (1,300円)

一度は駅弁そのものが消滅してしまった徳島県に復活した駅弁。

徳島といえば阿波尾鶏というブランド鶏を有する。

その鶏の塩焼きとそぼろが炒り卵を敷いた白飯の上に乗ったのがメイン。

付け合わせはジャガイモ、ひじき、大根の千切煮、きゅうりの漬物等。

付け合わせのスダチ汁を鶏肉にかけていただく。

小さなカップに入っているのはデザートのゼリーかと思いきや、生姜ソース。これも鶏に絡めて食べる。

素朴な味わいだが、鶏肉がちょっと少ないかな…。

ご飯は結構敷き詰められてあるので、食べ応えはある。

 

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湖北のおはなし (米原駅) (1,200円)

幼少期は我が家にもあった唐草模様の通称“どろぼう風呂敷”が懐かしい。

主役は鴨肉のロースト。粒胡椒のピリリとした辛みが美味い。

鶏肉(かしわ)のすき焼き風胡麻まぶし、蒟蒻の甘辛煮、玉子焼はちゃんと関西風で甘くなく、葱とお揚げのぬた、小芋の丸煮、梅干、山牛蒡、赤かぶ、大豆の甘辛煮、ヤングコーンに人参と、具材は実に多彩。小さいが海老まで入っている。

ご飯は黒豆入りのおこわ。

季節により、他に山菜、枝豆、栗バージョンもあるが、駅弁大会に来るのは黒豆バージョン。

ご飯はもちっとしていて量の割には食べ応えあり。

敷かれている桜の葉っぱが良い香りを醸し出し、一緒に食すと旨みが増す。

特別派手な食材が使われているわけではない。

しかし各食材がどれも邪魔しあわず、素朴な美味さを作り上げ、どれ一つ取っても“要らない”と思えるものがない。

おまけのサイコロキャラメルならぬ甘露飴までもお楽しみ。

今どき木で作られた、独特のスダレのような蓋が楽しい。

中身は勿論のこと、容器、そしてお品書きまで付いてくるなど、独自の世界観をもつ傑作駅弁である。

 

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金格ハンバーグと牛あぶり焼き和牛弁当 (一ノ関駅) (1,280円)

「5ちゃんねる」で評判になっているのを読み、当初ノーチェックだったが試してみたくなった駅弁。4階輸送コーナーにて入手。

中央にお月様よろしくデーンと居座る白っぽいハンバーグが一大特徴。

手前は牛肉の炙り焼き。脇を塩昆布、茸の煮つけ、野沢菜炒め、紅生姜が固める。

ご飯が仕切りに合わせて斜めに入っており、三角形に仕切られた中にはパプリカの下に隠れた玉ねぎソテーと牛すじ煮。

ハンバーグは白い見た目に反し、ちゃんと和風味がついており、何もかけずとも美味い。

牛肉炙り焼きが、「5ちゃんねる」では、あの岩手短角牛やわらか煮に匹敵するかそれ以上と書かれていたが、流石にそれは褒めすぎであろう。

量が少ないので堪能したとは言い難い。

 

とはいえ、なかなか手の込んだ上品な味わいの弁当である。

食べてみてよかったと言える。

 

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次回へ続く。