前回の続き。

この分野の記事としては超スローペースだが、ご容赦を。

 

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1/12(土)のこと。

前半しか来なかった、宮島口駅「あなごめし弁当」の整理券を求め、早くも開店1時間前に並んだ。この先の弁当絡みのいきさつは、今回はすっ飛ばし、再度購入機会を得た「ご当地パン特集」へ話を進める。

 

当初、2度目の購入予定は全くなかった。盛岡・福田パンのコッペパン・シリーズは既に跡形もなく、あちこち歯抜け状態になった売り場に、売れ残りのパンが並んでいる。客足はすでにまばらである。

前回絵札以外跡形のなかったバラパン」を見つけ、誘惑に負けた。

「バラパン」、「コーヒーバラパン」、「ハーフムーン」の3種類を籠に入れ、勘定を済ませる。

その後、場内を回り、再び戻ってきて様子を見ていると、2日前に堪能させてもらった兵庫・加古川のニシカワ食品のパンたちが、追加でどんどん搬入されてくるではないか!

籠だけもらって、目の前で次々に並べられていく菓子パンを眺めながら、じっと待ち構えていると、店のお兄さんに、何を待っているのか尋ねられた。

売り場の前でじっと商品の搬入を待ち構える図は、ずっと以前の「A-0 輸送駅弁」コーナーでは日常風景だったのだが、あのカオスをこの時ちょっとだけ思い出してしまったのであった。

「きなこもっちー」なる札がどうにも気になって仕方がなかったので、そう言うと、残念ながらこの日の入荷はないという。

そこで、すっかり気に入った「くりぃむパン」、「白あん入りメロンパン 」、「アベック」の3つに加え、新たに「クリームブリオッシュ」、「ピーナッツバター」を選ぶ。

こうなるとすっかり“菓子パン禁止令”はどこへやら、“菓子パン解放令”が発令され、チラシに載っていた「はいからケーキ文旦」、更に「ブドーパン」も籠に放り込む。

この時点で既に籠は満杯。

同じくチラシに載っていた長崎の「りんごパン」と、名前は忘れてしまったが、英国風の菓子パン(ブリティッシュ何ちゃらって名だったような気が…)、これらにまで手を出すと、流石に食べ過ぎだろうと思い、今回はパス。

 

この日、朝から会場入りしているので、10時半頃には、買った弁当を3個ばかり胃袋に放り込んでいたが、数時間経って小腹も空いてきたので、思わず屋上へ駆け上がり、買ったばかりの菓子パンをバーベキューテーブルで食べ始めた。

駅弁大会への参戦歴はいつしか随分長くなったが、菓子パンを現地で早速頂いたのは初めての経験だ。

 

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ハーフムーン(富山・射水・さわや食品)(220円)

元は平べったい円形のパンだったものを真っ二つに切り分けその名の通り半月に見立てたもの。

柔らかめのパン表面には渦巻き状にカスタードクリームが配され、いやおうなく食欲をそそる。

そしてこのパンを何よりも特徴づけているのが、薄い断面にくっきりと見えるたっぷりの茶色い具材であろう。

チョコレートクリームかと思いきや、何とその正体はこしあん。

パンが薄いため、こしあんの存在感がひと際増す。

ありそうでなかなかない、「シベリヤ」とは一味も二味も異なる和洋折衷の甘いパンと巡り会えた。

 

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兵庫・ニシカワ食品 菓子パン各種

(左)・クリームブリオッシュ(180円)

(右)・ピーナッツバター(180円)

 

並べてみると、姉妹品のように見える。

前回ご紹介した「くりぃむパン」白あん入りメロンパン」がさしづめ“紡錘姉妹”なら、こちらは“満月姉妹”といったところか。

「クリームブリオッシュ」は、ブリオッシュ生地の中にミルク味とカスタード味の2種類のクリームを巻き込み、渦巻き状に円く仕上げ、表面にザラメ糖をまぶしたもの。

グラニュー糖とは違った、この粒の粗い四角いザラメ糖がどこか懐かしさを覚えさせるが、中身はケーキ風で洒落た味わい。

単なるクリームパンではなく、量も多い。このパンも実に満足度の高い一品であった。

「ピーナッツバター」のほうは、ご覧の通りシンプルな構成。

やや固めに焼かれた甘い味付けのパンの中央の窪みにたっぷりとピーナッツバターが入っている。

このピーナッツバターが頗る美味い。

クリーミーで甘みも十分。

大抵、ピーナッツバターというと、小学校の給食でよくお世話になった、味噌を思わせる色、クセのあるピーナッツ味というのが通り相場で、それはそれで美味いが、このパンのピーナッツバターは全く別物である。

恐らくクリームと調合してあるのであろう。

私は銀座木村家木村屋總本店「ピーナッツコロネ」が大の好物で、すぐ裏のシネスイッチ銀座という映画館を訪ねる度に、看板商品のあんぱん達よりも、ピーナッツコロネを探し、2個、3個と買っては、映画の予告の間に平らげてしまうのが常である。

その木村家木村屋の「コロネ」に入っているピーナッツバターに、本品のそれは匹敵すると思う。

又、折角のピーナッツバターも、量が少なければ台無しだが、このパンについてはそんな心配は全くの杞憂であった。ふちを取り囲むようなパンと共に食べるのだが、クリームのほうが多すぎて、パンを口に入れるのを控えねばならぬほどだったのである。

 

加古川のお店の菓子パンは、今回5種類紹介したが、そのどれもが外れなしで、そこらの菓子パンよりも作りが凝っていて美味い。

チョコレートでコーティングされた「アベック」以外はどれも180円と、割と控えめな値段である。

「ご当地パン」」というからには、ベーカリーではなく、スーパーなどで袋を被って売られているのだろう。

このような菓子パンが日常生活の中で普通に味わえる加古川の人たちのことを、本当に羨ましいと思う。

一度現地を是非訪ねてみたいものだ。

 

追記:

今、検索してみたら、やはりここでも“駅弁大会価格”だったようで、実際の値段は、くりぃむパン、白あん入りメロンパン、クリームブリオッシュ、ピーナッツバターが各140円、アベックが151円(いずれも税込)の模様。

「にしかわフラワー」という砂糖のまぶった見るからに甘いパンが看板商品のようで、奇しくも次に取り上げる島根の「バラパン」と構成がとてもよく似ている。

何とメーカーサイトから直接通販で買えるようなのだ。

 

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島根・なんぽうパン 菓子パン各種

 

・バラパン(200円)

・コーヒーバラパン(200円)

圧倒的なボリューム感と存在感を兼ね備えた素晴らしいビジュアルのパン。

柔らかな耳を持つ山パンを縦にくるくると巻いてバラの花に見立て、真ん中の花芯にクリームをたっぷり詰め込んだもの。

と思いきや、実際に袋を開け、外側からくるくると皮を剥ぐようにパンを食べ進めてみたら、クリームはもっと手前から惜しみなく入っていた。

クリームはいずれも植物性油脂によるもので、いわゆるバタークリームである。

パンはてっきり食パンなのかと思いきや、耳が上下にあることと、大きさから、通常の食パンとは違ったサイズであると考えられる。

パンは柔らかく、ボリュームの割には食べやすい。

そして懐かしさを感じさせる味。

生地を長く伸ばしたものを幾重にも並べて焼くという独自製法で、そのため両端が山型に焼目が付くようで、更に驚いたのが、クリームは職人さんが手作業で絞って作っているとのこと。

60年の歴史を誇るご当地パンらしいのである。

“コーヒー味”は、パンがコーヒー味となっていること、クリームもコーヒークリームになっていることが違っている。

今、調べてみて知ったが、このバラパンもネット通販で手に入るらしいのである。

それに、この2種類の他に「抹茶バラパン」、「いちごバラパン」、「和風バラパン」というのもあるらしい。「抹茶―」はパンもクリームも抹茶味、「和風―」はクリームにあんこ入り。

又、ネット通販や、駅弁大会では値段が高めに設定されているが、プレーンな「バラパン」は本来1個115円、「コーヒーバラパン」は1個131円の模様。

 

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・はいからケーキ文旦 (高知土佐・すえひろ屋)(330円)

しっかりとしたパッケージに入った随分大きくて立派な蒸しケーキ。

土佐名産の文旦という巨大な柑橘が入っているだけに、この蒸しケーキも、文旦のイメージそのままに、黄色くて大きい。

中は特にクリームやジャムが入っているわけではなく、仄甘い素朴な味わい。

この「はいからケーキ」も実は他に色々な味があり、文旦以外には、はちみつ・よもぎ・黒糖・しょうが・竹炭・柚子がある。

この品も、お取り寄せが効く。

文旦味と柚子味を作り分けるあたり、非常に芸が細かいが、個人的には竹炭味の真っ黒な蒸しケーキが気になる。

 

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ブドーパン (鳥取境港・伯雲軒)(230円)

こんもりとした形の素朴なパッケージのぶどうパンだな…と思いながら、お試しで買ってみたが、中にたっぷりクリームが入っており、ありきたりのぶどうパンではない。

ラム酒が入った本格的なバタークリームにレーズンが散りばめられている。

一昨年前に、ローソン100で「ラムレーズンコッペ」なる菓子パンと巡り会い、一時期そればかり食べていた。私はそれほど気に入っていたが、別の会社のクッキー生地にラムレーズンクリームが挟まれた製品に駆逐されてしまい、結局ワンシーズン限りで消えてしまった。

本品はその「ラムレーズンコッペ」の、もっともっと上等で本格的なパンである。

前に当blogのどこかで記したかもしれないが、私は中学校に上がるまでは干しブドウが大嫌いで、学校給食で時折ぶどうパンが出ると、やはり干しブドウ嫌いの友達と、根気よく一粒一粒全てパンからレーズンをほじくり出して、パンだけを食べていたものだ。

それだけレーズン嫌いだったのが、こうして何十年も経て、自らぶどうパンを好んで食べるようになるとは、我ながら実に感慨深い思いがする。

レーズン嫌いを克服できたのは、レーズンウィッチのお陰だったが、もし小学生時代にこのパンに巡り会っていたら、或いは干しブドウ嫌いにならずに済んでいたであろうか?

このパンだったら、そう思っても不思議はない。

このパンも、メーカーサイトよりFAXで注文することができる。

 

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以上、2回にわたって取り上げた駅弁大会番外編ともいうべき「ご当地パン特集」。

インターネットでお取り寄せが効く店が大半なのが、随分と意外に思えたが、今の時代、こうした対応は不可欠なのかもしれない。

現に私は今、ニシカワ食品から本気でお取り寄せしようかと思っているのだから…。

次回は、再び駅弁を取り上げる予定。