長らく放置していた昨夏旅記事の続き。

細かな記憶が薄れてきつつあるので、以後はやや駆け足になるのはご容赦を。

 

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7月30日(月)

 

名鉄名古屋―(大江)―東名古屋港―(大江)―(名鉄一宮)

―(津島)―(須ヶ口)―金山―上前津

上前津―(赤池)―(豊田市)―(知立)―(上小田井)―江南

江南―(岩倉)―(金山)―道徳/道徳―名鉄名古屋

名古屋―吹上/吹上―丸の内

 

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名古屋3日目にして遂に平日。

土日はどうせ混むと思い、これまで控えめにしてきたが、氷屋巡りをバシバシ入れよう。

 

前日、台風一過のせいで行けなかった名鉄築港線に今日こそ行こうと、予定外の早起きをし、常滑線の大江まで行く。

下りホームはガラ空きだが、上り名古屋方面はまさにラッシュアワー。

人で溢れかえるほどではないが、やはり結構人はいる。

上りホームを更に越え、築港線ホームへ。

ここはホームへ行く前に改札を通る。

さながら東武西新井の大師線の如し。

僅か1駅だが、これから向かう東名古屋港駅は、工場への通勤ルートなので、先ほどまでとは一転、ホームは結構な人だ。

ほどなくやってきたのは(新)5000系4連。

こんな“チョン行”に何故4連?とも思うが、2連じゃとても無理だろう。

席に座れたが、到底車内を写せる混み具合ではない。

先頭車かぶりつきなどとても果たせぬ。

電車はあっという間に終点・東名古屋港駅へ着いた。

改札は先ほど大江駅で済ませているから、ここは出入り自由のフリーパス。

路面電車の駅のようだ。

すぐに折り返す電車でとんぼ返りしたので、辺りの探索など碌にしなかったが、ホームの先は高速道路が覆い被さる広い道で、線路はその先、海のそばまで伸びている。

かつては貨物線だったようだが、今は貨物輸送には使われておらず、車両の輸出や、甲種輸送という大雑把に言えば新造車の搬入時くらいしか使われることはないようだ。

御覧の通り、見事に朝夕しか列車はなく、日中は全く列車が走らない。

恥ずかしながら、まだJR鶴見線に乗りに行っていないが、きっと似た雰囲気なのだろう。

この時、朝8時過ぎ。

まだ朝の“終電”まで数本あるが、乗ってきた電車でそのまま折り返すことにした。

逆方向はガラ空きなので、今度こそかぶり付きをする。

一部愛好家の間では有名な十字交差。

のどかなローカル線の風景がしばらく続く。

その昔、日本航空が元気だった頃、独自開発を進めたHSSTというリニアモーターカーの実験線がこの沿線にあったという。

その頃、ここに来たかった。

線路がカーブすると、終点・大江。

工場の始業時刻が早いのか、まだ8時過ぎだが、再び東名古屋港行となった電車は、今度はガラ空きであった。

向う側の車庫に、「ミュースカイ」の隣に憩うEL-120型電気機関車を発見。

私鉄電機が軒並み数を減らす中、本機は2015年と、随分近年に造られた珍しい機関車である。

下り空港方面行の急行だろうか。

鋼製車とステンレス車。見た目が全く異なる車両同士の混結も、他社では殆ど見なくなってきてしまったが、名鉄ではまだまだ健在。

氷屋が開くまで、まだ時間があり余っているので、名鉄電車の「乗り鉄」に少しでも勤しむことにする。

大江で岐阜行の急行に乗れたので、そのまま名古屋、須ケ口も通り越し、一宮で降りる。

尾西線に乗り換える。2面4線の何の変哲もない追い越し駅に見えるが、岐阜方面はこの駅では緩急接続はしないようで、対面の1番線は尾西線用の発着ホームとなっている。

尾西線は津島方面から一宮を経て、玉ノ井という駅まで通じている。

ほどなくしてやってきた電車は、ここで編成を分割し、玉ノ井行と津島行に分かれた。

玉ノ井というと永井荷風の小説に出てくる遊郭を真っ先に連想するが、あちらは“玉の井”だったか…。

名古屋の玉ノ井には、玉乃井湯という渋い銭湯があるようで、いつか行ってみたいと思うが、残念。今回は寄る暇がなかった。

銭湯、喫茶店、古本屋…私が好んで訪れる店屋はどれも皆、「いつまでもあると思うな」状態になってしまっているので、全くもって油断できない。

 

…とこの先、1時間半ほどかけて今回の記事のほぼ全てを作ったところで、普通に平仮名→漢字変換をかけたところ、あの嫌~なグルグルが出て、「ああAmebaが固まったのね」とタカをくくっていたら、タブごと消され、おまけに上書き保存したはずの文章まで消え失せやがった!!

嗚呼、これでまた今夜も夜更かし&寝不足確定か。

…一気に制作意欲が減退するぜ。

全く、Amebaの異常終了、何とか改善してくれんものかね。

こいつのせいで、何度意図せぬ作り直しを強要されたことか。

…制作意欲が失せかけているところ、今夜はまだ日付が変わっていないので、この怒りを制作意欲に変換し、糞コンピューターに一度は消去された文章を何とか再現してみるとしよう。

 

…閑話休題…。

 

今回は玉ノ井行には乗らず、津島行に乗り、揺られること40分ばかり。

途中、早起きと、田圃ばかりの単調な車窓風景と、適度な電車の揺れのせいで、居眠りこけること暫し。

気づけばすっかりローカル線の長閑な情景。

ほどなくこの電車の終点・津島駅に着く。

鉄道ファンの端くれとして、ここ津島といえば、名鉄の西側で支線特急が直通する主要駅で、かつては「パノラマDX」こと8800系電車が全車指定席特急として走っていたくらいの知識はある。

ところが時刻表を見てみると、普通電車ばかり。

特急が走っていたのは過去のことか…?と思ったら、ありました、ありました。

辛うじて平日夕方~夜にかけ、帰宅用に特急が残っていた。

想像していたのとは違い、島式ホーム1面2線のシンプルな高架駅。

路線はこの先、JR関西線と連絡する弥冨まで通じているが、そこまで行くと、後の氷屋巡りに障るので、今回はここから須ヶ口方面を目指す。

駅前にどデカい高層アパートが見える。

結構年代物らしい雰囲気だ。

1階がアーケード付きの店舗部分で、そこがウェディングケーキの土台みたいに広く、一回り小さな床面積のアパート部分が、その上に乗っかっている。

1階部分の屋根が折しも塗り直し作業中のようで、電車を待ちながらぼーっとその様子を見ていた。

ほどなくしてやってきたのは、かつての急行用・5700系電車であった。

前日、西枇杷島駅踏切や、河和駅の留置車両を嫌というほど見まくったが、実車に乗るのはこれが初めてである。

2ドアのゆったりとした作りで、扉間には転換クロスシートが広がる。

パノラマカーの流れを組む見晴らしのいい連続窓に横引きカーテン。

照明は勿論カバー付きだ。

普段、東京の実用本位の銀色通勤電車にばかり乗せられているので、こういう余裕のある作りの車両に、追加料金ナシで乗れる環境が羨ましくて仕方がない。

こんな車両がローカル普通として地味に走っているのだ。

つくづく東京は人が多すぎて、余裕がないと思う。

人の心が荒み、気持ちがぎすぎすしてくる。

時間帯ゆえか、中高生や予備校生かと思しき若者たちで席はほぼ埋まる中、優雅な列車旅はあっという間に終了。

須ヶ口で名古屋方面の急行に乗り換える。

こちらはありきたりの3ドアロングシート車だったが、車内は結構混んでいたので、混む電車にはそれ位の作りが適当なのだろう。

名古屋を通り過ぎ、金山で降り、地下鉄に乗り換え、上前津で下車。地上に出ると、繁華街・大須が目の前だ。

さぁ氷屋梯子の始まりだ。

手始めに通り沿いのこの店から。

3年前にも一度来た、今井総本家の氷栗ミルク。栗ソフトをトッピングに加え、占めて800円也。

他に誰も客がいない、平日朝の閑散とした店先の路面席で、氷を喰らう幸せ。

炎天下の強烈日差しゆえ、氷はみるみる溶けていく。

掬っては食べ、掬っては食べ…の繰り返し。

やがて中から栗ソフトが姿を現し、ますます“栗度”が増した。

流石天津甘栗屋だけのことはある。

とりたてて高級感のある作りではないが、シロップ十分、甘み十分。満足のいく一品。

3年前の写真を今、確認してみると、あらまぁ…3年前は栗ソフトが最初から入って、500円だったんですって。

300円もの値上げかよ。

何だか世の中、どんどん世知辛くなっていくな…。

原材料費高騰とか、人件費高騰とか、何やかやで値上げ。

消費税が上がってまた値上げ。

給料だけは上がらない。

好景気が続くとか何とかおめでたい事言ってるが、寧ろ暮らし向きは苦しくなっているという実感しかない。

商店街を奥へ奥へと進む。

アーケードに覆われた大きな商店街のさまは、大阪のあちこちでよく見るし、東京なら浅草の新仲見世通りのようなものか。

大須はこれで2度目でしかないが、何だか著しい既視感を覚える。

途中、この地のランドマーク・大須観音前をやりすごし、さて目指すは「大須マルシェ」なる商業施設。

…あぁ、これか。

何だか妙にシャレオツな佇まいだね。

入り口脇に、目指すお店の看板発見。

「金山とまと」―ここへ行きたい。

中は薄暗く、モノトーンの通路にシャンデリアが煌々と灯る幻想的な雰囲気。

洒落た食べ物屋が並ぶ。

事前の下調べでは、ここ「金山とまと」、11時開店とあったのだが、現地に赴いてみると13時開店だった。

道理で人っ子一人いないわけだ。

さてどうしよう。

早くも大須氷屋巡り計画、変更を余儀なくされた。

仕方ないので、この時間でやっている他の氷屋を求め、先ほどの天津甘栗屋まで延々歩く。更にその先、車通りに沿って歩くこと少々。

次なる目的地が姿を現した。

…っていうか、わかりにくいわ。

雑居ビルの狭苦しい地下への狭い階段の上に、辛うじて店名の看板が氷旗に囲まれているが、この辺、この辺…と当たりをつけて来なけりゃ絶対、見落としちまうよね。

階段を下りてすぐ、何だか仮設模擬店みたいな作りの店だが、通路側壁にはメニュー代わりの氷写真がずらり。

さしずめ原宿の流行りものスィーツ店みたいな雰囲気。

氷目当てのよそ者でなければ普段は絶対来ないような場所だ。

まだ11時過ぎと早いので、客はまばら。

この店は何を頼んでも1品800円均一と明朗会計だが、やはりここはホイップのせから濃厚な味を1品。対極のサッパリ系から1品。

「黄金糖(アレ)」、「キャラ巻」という謎メニューが気になるが、「てぃらみす」と「グァバ」にしておいた。

「マンゴー」は、後で「金山とまと」で食べるから。

ほどなくして2品同時にやって来る。

「峠の釜飯」の使用済容器?と思うほどよく似た陶器の釜に盛られて来るのが、この店の氷の一大特徴。

さほど丁寧な作りではないが、各フレーバーの味がしっかり中まで滲み、表面だけシロップをまぶし、それが尽きたら、釜に盛った雪をひたすら喰らう…なんてことにはならなかったのは、流石人気店。

空いている氷屋を巡ると、随分回転が速い。

すぐ溶けるだけに食べるほうも勢い早食いになる。

13時までにはまだまだ十分時間が余る。

 

さぁ次の氷屋だ。

そう思ってGoogleマップを手に辺りをぐるぐる回ったが、何度探しても「ぼなぺてぃ」という店屋が見つからない。

散々辺りを逡巡した結果、至った結論は一つ。

「ぼなぺてぃ」は既になく、この工事現場が跡地である。

 

…う~ん…。

銭湯なら何度もこういう経験はしているんだが…。

 

そんなわけで上で記した“格言”は一部改め、

「いつまでもあると思うな銭湯、喫茶に古本屋。あと氷屋もね」

 

次回へ続く。