この前のとある平日のこと、2年ぶりにこの店を訪ねた。
笹塚駅から甲州街道を渡り、生活感溢れる商店街へと足を踏み入れる。
途中、こんな渋い蕎麦屋があり、思わずフラリと寄り道したくなるのを我慢。
突き当りのどん詰まり一歩手前にお目当ての店はある。
今回で3度目の訪問。
これまでの2回は開店間もない時間に行ったこともあってか、並ぶことなく入れたが、今回はどうか?
案の定、狭い店先には長蛇とはいえないまでも、そこそこ列が出来ていた。
かき氷の美味しい店として、時折紹介されるだけに、2年のブランクの内にますます人気店になったのだろう。
店名が示すように、この店は神戸出身の店主が、たこ焼きと明石焼を提供してくれる店。だがたこ焼きとは別に、通年で提供されるかき氷の名店として、かき氷好きの間では有名になっている。
かくいう私も、同じ神戸の出身のくせに、未だこの店で明石焼もたこ焼きも頂いたことがない。「また今度」心の中ではいつもそう思うのだが、来る度にバラエティに富むかき氷メニューに目移りし、ついつい氷2杯欲張って頼んでしまう。
30~40分は待っただろうか。壁に面したカウンター席に案内される。
着座する前にお手洗いを借りて、戻ってきたらすかさずご主人が「何にしましょ?」と注文をきいてきた。
バリバリの神戸弁…これや、これや!
ふるさとのなまり懐かしみなと屋の…
リリーフランキー氏にちょっと似た、面長の店主の顔付きも2年前と変わらない。
紙で覆われた「品切れ」が気になるが、まずは注文。
季節ものの氷といえば、桃とメロンに滅法弱い。
ストレートにその組み合わせにしようかと思ったが、確か「クィンシーメロン」って赤肉メロンのことだよね…?! 前に一度食べたことあるはず。
桃は単なる「白桃」ではなく「清水白桃」 。敢えてそう言うところにこだわりを感じる。それで1杯目は「清水白桃」に決まり。
それと真夏には珍しい「かぼちゃ」を2杯目に選択。
「生・いちじくミルク」にも随分心惹かれたが、またの機会に。
この日は満席続き。更に20分ほどは待ったであろうか。
店奥の暖簾の向こうで、冷蔵庫からシロップのもとを取り出し、ミキサーをかける音が聞こえてくる。
前に来た時は、カウンター席の隅に置かれたかき氷マシーンに、ひざまずくように氷を器に盛るご主人の姿が印象的で、 「わー、膝痛ならへんのかいな?」と心配しながら見ていたが、マシーンは横の棚の上に移り、大量生産準備万端といった感じ。
漸く1杯目の氷が運ばれてきた。
真っ白なとろとろの白桃シロップがふわふわの氷にねっとりとかかっている。
崩さないようてっぺんからそーっと匙を入れ、後は掬っては食べ、掬っては食べの繰り返し。氷は素早く掻き込むに限る。
ちゃんと中にまでシロップが練り込まれ、ミルフィーユ状になって、下まで飽きずに食べられるのが嬉しい。
隣の刺青兄ちゃんと茶髪姉ちゃんのカップルは、ビール、たこ焼き10個と続き、締めにピスタチオの氷をシェアしていたが、彼らがひと足先に食べ終わり、満席続きでてんてこ舞いだった店も徐々に落ち着きを見せ始める。
カウンターの壁際に所狭しと並んだ「ワンピース」のフィギュア群。
男子ゆえどうしてもハンコック様のメリハリ悩殺ボディーに目がいっちゃうよ。
そうこうする内、2杯目「かぼちゃ」が到着。
クリーミィーな黄色いかぼちゃシロップと、ぐるりを取り囲むカラメルソースの妙がたまりません。
てっぺんに乗っかったかぼちゃの種も、心憎いアクセント。
確か谷中の「ひみつ堂」で似た氷を一度食べた憶えがある。
氷が溶けてミルク氷汁になると、こちらはシロップがもったりしているだけに、黄色いところと白いところが分離してしまいがちになるので、やっぱり氷は手早くかっ喰らうに限る。
ごちそうさまでした。
おまけで過去画。
順に「アーモンドミルク」、「アンデスメロン」、「白桃」(…“清水”か忘れた…)、「クィンシーメロン」。
前に6月に訪ねた時、お店が空いていたこともあって、神戸弁のご主人と暫く氷談義に花が咲いた。
関西方面の氷屋さんにも時々研究に行く。
夜遅くまでやっているので、寧ろ夕方以降のほうが混む。
そんな話を聞き、「かきごおりすと」の最新版をこの店で衝動買いした。
前に阿佐ヶ谷のたい焼き屋だがかき氷も出す「ともえ庵」という店を、当blogでもとりあげたが、ここのご主人か教えてもらった店だ。
いつも初夏や真夏に来るので、秋~冬の濃厚フレーバーを一度食べに訪れたい。そしてもう一つの名物・明石焼きも一度は頂かねば。
…でもやっぱりその前に、「いちじく」、「ブルーベリー」、メロン2種かな…。
メニュー板の紙覆いをこっそりめくってみたら、「ココア」、「もも山梨」、「アンデスメロン」の文字が隠れていた。
いや~ん♡
年甲斐もなく、イケナイことしちゃった気分…。