まさかの全話収録DVD-BOXが突然出て、しばらくになるが、先日漸く観終えることができた。

本来なら、東映が出すべき作品なのだが、大元の『プレイガール』からして、大分前に実写映画版としてのリメイクついでに16話を抜粋したBOXが出たに過ぎない。

どうも東映はこの手の長い連続TVドラマのコンプリートBOXを出す気はないようで、他の作品群も皆、“ベスト版”という名の体のいい抜粋版でお茶を濁している。

そんな抜粋版でも、当時『プレイガール』にはまったお蔭で、沢たまき、緑魔子、應蘭芳らの歌や、「魅惑のムード秘宝館」、果ては「歌謡曲番外地」、「幻の名盤解放同盟」といったディープ歌謡シリーズへと足を踏み入れるきっかけとなったのだから、大いに感謝すべきであろう。

ならばスカパー!と期待を寄せても、やる番組は結構偏っていて、同じものばかりしつこくしつこく繰り返す一方、過去に放映されたものでも10年以上一向に再放送されないなんてものもザラにある。

『プレイガール』もご多聞に漏れず。大分前にファミリー劇場というチャンネルで毎週放映していたが、いつの間にやらフェードアウト。熱心なファンの方には申し訳ないが、AKB推しを始めてからこのチャンネルはおかしくなってしまった。『プレイガール』の放映再開など、絶対に期待できない。

ところが今年から遂に東映チャンネルで放映が始まった。どこまで続くか知れないが、こうなりゃとことん付き合うぜ!力を入れて毎週見るも、やれエンディングが別の回と差し替わっていただの、物語の筋とは関係ない、オネエが煙草吹かしているカットが2秒だけ入ってしまった事故だの、自力で「完全版」ライブラリーを作ろうと躍起になる向きには、なかなか受難続きである。

 

さて本作。

長らく月曜夜の働くオトコどもの清涼剤の役目を果たした『プレイガール』とその続編『プレイガールQ』から3年のブランクを経て、1979年4月~1980年3月の1年間放映された。

当時の私は小学校高学年で、この年俄かに湧き起ったNゲージ&ブルトレブームに完全に乗っかり、“鉄道模型命”という状態だったので、全くリアルタイムで本作を観たことはない。その存在すら長いこと知らずにいた。

 

『プレイガール』の正当な流れを受け継ぐ、女優メインの集団アクションものだが、『プレイガール』が国際秘密保険調査員で、次から次へと新メンバーが増え、旧メンバーがいつの間にやらいなくなるなど、メンバーが固定されない。(~最初期の固定メンバーは5人だけで、そこに作家の戸川昌子が加わる陣営だったが、緑魔子は最初の数回出たら、お見合いだといってすぐ姿を消し、一度復活したと思ったら、またそのままフェードアウトしちゃうし、戸川昌子など、今のところ2回しか出てこないし、早くからメインキャストになった八代万智子、ハン・ザ・摩耶(後の范文雀)、高毬子、浜かおるらは、26話まではゲスト扱いされていた~)とはいえそれが却って物語の幅を広げる結果となったのかもしれないが、『ザ・スーパーガール』ではメンバーは7人で固定され、主役たちは安定している。大半が元婦人警官からなる女探偵たちの物語である。

 

本作の前に『コードナンバー108 7人のリブ』(1975)という、これまたレアな作品がDVD-BOX化&スカパー!放映により陽の目を見た。国際秘密捜査機関に所属する7人の女性たちが活躍するスパイ&アクションものである。

個人的には、前田美波里が強烈な印象に残っている。

第1話からメンバーの1人が殉職。最終話もサブリーダー格のジュディ・オングにパリ栄転が決まり、皆に祝福される中、任務への責任を全うした結果、凶弾に倒れ命を落とすというハードな展開、ほろ苦い結末であった。

リーダー役が野際陽子、牧れいが出ている、メンバーが7人という点で、本作と近しいイメージにも感じるが、こちらは視聴率が振るわず全13話という短い展開。そんな中、海外ロケが多用され、話が結構大掛かり。『プレイガール』、『キイハンター』、『Gメン'75』をごった煮にした感じの、国際色豊かな作品であった。制作会社は宣弘社で、『プレイガール』とは直接の関係はない。

 

*****

婦人警官として優秀な働きをしてきた広瀬悠子(演:野際陽子)は、現在の法律では裁ききれない悪に挑むため、警察を辞め、女だけの探偵社、スーパーガール・セブンを設立。

集まったのは、多くが元婦人警官たち。次の面々であった。

・江本律子(演:ジャネット八田) :サブリーダー。射撃の名手。

・藤村マリ(演:山本リンダ) :プロカメラマン。

・長谷リエ(演:牧れい) :元交通課婦警。空手有段者でアクション担当。

・榊かおる(演:樹れい子) :元少年課婦警の現代っ娘。

・白石美香(演:泉じゅん) :元警視庁経理課。極度の近眼。

・並木悦子(演;田中なおみ) :元女子大生。探偵事務所に憧れ、居つく。

彼女たちに加え、唯一の黒一点レギュラーが駒田警部(演:谷幹一)。悠子が婦警時代、一緒に組むことが多かった。一番優秀だった悠子と、一番出世が遅い駒田警部。“こまった警部”とネタにされ、女探偵たちに頭が上がらないチョットドジなところのある警部だが、決めるところはビシッと決める骨太な男である。

 

『プレイガール』の舞台であった1970年代前半という時代は、大阪万博が大成功を収め、まだまだ日本の高度成長が続き、輝かしい未来絵図を誰もが思い描き、国際社会に打って出るぞ!という気概というか勢いが、まだまだ日本全土を覆っていた時代である。

その後、オイルショックを契機に高度成長が止まり、長引いたベトナム戦争、公害問題など、経済成長一辺倒に翳りが見え始めたせいなのか、1970年代も後半になると、どことなく閉塞した時代の感覚というものを、当時子供だった私は何となく感じていた。

それでも、スーパーカーブームや、ピンクレディーの大人気など、今振り返ってみればまだまだ時代に勢いがあったんだなぁと思う。

新宿西口に超高層ビルが次々に建ち、更には池袋のサンシャイン60が完成前夜。インベーダーゲームやルービックキューブ、LSIゲーム、ゲーム&ウォッチが大流行りし、デジタル礼讃の嵐が吹き荒れ、それまでの漠然たる宇宙志向とは違った、科学技術先導の未来志向が世を席巻していた。

キャンディーズ、ピンクレディー、山口百恵と、それまで中心をなしていた大物芸能人が相次いで去って行き、彼らと入れ替わるように松田聖子、河合奈保子、たのきんトリオといった新興勢力が台頭し始めた。

時代が変わろうとしている。何か途轍もなく大きな動きがやってきている。

それは我々の生活をより豊かなものにしてくれる筈なのに、当時の刑事ドラマのエンディングなどで何かと目にする機会が増えた、強風が吹き抜ける摩天楼の風景が象徴するかの如く、最早ヒト一人では如何ともしがたい巨大な人工物にともすると押し流されてしまいそうな殺伐感を感じたものだ。

丁度、その頃流行った森村誠一の推理小説を読むと、一層その感覚が増す。

今にして思えば、1978~1980年頃が、自分にとってはそんな印象である。

すぐ後の1981年にもなると、また時代の雰囲気がガラッと変わり、いつしか殺伐感は押しやられ、更に後のバブル期へつながってゆくイケイケの萌芽を感じずにはいられない。

 

1979~80年という『ザ・スーパーガール』の“時代”は、まさしくそうした、「時代」と「時代」の狭間の、閉塞感、殺伐感を感じさせた頃だったと思っている。

そんな殺伐感が、今となってはどうしようもなく懐かしい。そのちょっと前でも後でも決して感じ得ない、この時代だけにしかない空気というものがある。

 

そんな時代を反映させるかのように、女探偵たちの関わる事件は、社長親子を亡き者にして会社を乗っ取ろうと企む男の陰謀だったり、銀行強盗かと思いきや訓練なんだ…と思ったら、その隙を巧みに衝く現金強奪事件、ファッションモデル界の闇、女子プロレスを巡る陰謀、女子刑務所脱走もの、マイホームを巡る主婦誘拐&レイプ事件、女子高生買春、婦人警官誘拐監禁、囮捜査を買って出た婦人警官が実は重度の麻薬中毒に冒されていたり…と、主役が女探偵たちだけに、女性が主に絡む話が大半。国際色こそ薄いものの、暴力団やヤクザが絡むハードな話オンパレードである。

 

『プレイガール』では、メンバーたちがミニスカートを翻し、ハイキックを惜しげもなく繰り出すことから生まれるパン○ラシーンが一つの売り物になっていた。

本作では、そうした場面は殆どなくなっているが、メンバーたちがロングのフレアースカートを捌きながら、悪者たちと戦うシーンは、クライマックスで毎度見られ、今とは違った女性の服装に対する考えが垣間見える。

今ならパンツスタイル、キュロット、ショートパンツ、或いはコスチュームとして下穿きも含めたミニスカートなどになるだろう。

 

その代りと言ってはなんだが、本作は、暴力団やヤクザが頻繁に登場する一方、濡れ場が至る所に挿入され、それ担当のポルノ女優が結構多く登場しては、その肢体を惜しげもなく披露している。

同時代のTVドラマは、似たようなことが多く、2時間サスペンスものでは必ずそうした濡れ場シーンが1度は挿入されたもので、私がよく知るところでは、かの天知茂が明智探偵役を務めた有名作・土曜ワイド劇場の『江戸川乱歩・美女シリーズ』では、片桐夕子、野平ゆき、三崎奈美、田中真理らを度々見たが、当時、家族で一緒に見ていた少年時代の私は、とても気まずい思いがしたものだ。

ゲストとして何度か風祭ゆきが出ていたり、引退間際の渡辺やよいが過去の暴行未遂事件をネタにヤクザ者に脅され、悪の片棒を担がされる小料理屋の女将役で出ていたりする。

名も知らぬポルノ女優が、マイホームを夢見て格安物件の下見に不動産屋に連れられ、そのまま廃屋へ拉致され、酷い暴行を受け、その様子を撮られて脅され、おまけに家の手付金まで奪われる…そんな主婦の役を演じている。

そして、メンバーの1人・樹れい子の先輩の主婦役として出てくるのが市毛良枝。当時の市毛良枝は、『釣りバカ日誌』のスーさんの老妻役とは決して違う、目尻の下ったよく笑う、可愛らしく初々しい若妻役が似合う女優だった。2時間サスペンスや、昼ドラマの常連だった。

勿論、市毛良枝自身の激しいシーンなど存在しない。それでもその前に散々見せられる、別の主婦のシーンと、引き裂かれたブラウス姿で放心した市毛良枝の様子から、どんな目に遭ったかは一目瞭然。見る側が想像力で補うことになる。

 

そうした濡れ場もといサービスカットを本作で担った最大の功労者は、泉じゅんであろう。彼女は本作放映当時~1980年代前半、日活ロマンポルノで一大人気を博した。

本作でも初回・第1話から、シャワーシーンを演じている。そしてそれが前半オープニングの紹介場面とリンクしていることを我々は知ることとなる。

ネタばらしになってしまうが、シャワーを終えてバスタオルを巻いて浴室から出ようとしたところで、進入してきた悪い奴に襲われる。エロ時代劇によくある帯をクルクル「あ~れ~」よろしく悪漢はバスタオルを剥ぎ取り、一糸まとわぬ裸となった美香(泉じゅん)を追い詰め、首を絞められ絶体絶命。間一髪のところで他メンバーに救われる。 (~その悪い奴を演じるのが待田京介というところがまた何とも。私にとっては待田京介といえば、『魅せられた美女』の伊勢だ。冷静沈着な理論家で論客。明智探偵をボロカスにけなす裏で、妻を惨殺し、岡田奈々に舌なめずりしながら迫る芸能事務所の中年社長役が忘れられない。ここに出てくるのも伊勢そのものだ。)

今では“メガネっ娘”という萌えジャンルの1つとして市民権が得られ、それがきっかけかどうかは知らぬが、兎に角街中で随分と増えた眼鏡女子だが、当時はまだまだ近眼、野暮、お洒落じゃないというマイナスイメージのほうが遥かに強かった。

それを敢えて野暮な眼鏡の経理担当女子=実は“脱いだら凄いんです”といった要素に仕立て、これはいわゆる“ギャップ萌え”。

 

その後、メンバーの1人にスポットを当てた回が増えていく。

 

最も印象に残っているのは、前半の最終話・第25話「さらば女豹 女がすべてを賭ける時」である。以下ネタバレ注意。

 

前半のサブリーダー格・律子(演:ジャネット八田)メインの話。

律子は、ジュンという青年から電話を受け、アメリカからミスター・ケンという男が来日し、麻薬取引を行うと知らされる。

ところがジュンは追ってきた男たちに銃殺されてしまう。

ジュンはかつて律子が補導した相手。今は更生施設を経て、商事会社でまじめに働いていたというのだが…。

ケンの正体は、かつての律子の元上司・西城(演:川地民夫)だった。彼は律子の目の前で麻薬組織とつながっていたかどで逮捕され、警察を退職。そのまま行方をくらませてしまっていたのだった。

ケンが来日してくる。西城をマークする麻薬捜査官が銃殺され、ジュンがいた貿易会社・マジソン商事が麻薬を密輸。三上興業というヤクザ組織に売る。シンジケートが絡む取引で、ケンが全てを取り仕切るという。

スーパーガールたちは取引現場に乗り込むが、ニセ警官が現れ、麻薬とカネを奪い逃走。実はニセ警官たちは三上興業のチンピラ共。長谷川という三上興業幹部のさしがねだった。正体がばれかけ、長谷川はチンピラたちを射殺。

ケンは長谷川に、麻薬とカネを見つけたと偽情報を流させ、三上興業の麻薬取引の黒幕・ビッグボスに直接会いたいと持ち掛ける。

麻薬とカネが持ち込まれた船に舞台は移る。

律子はリエ(演:牧れい)を伴い、船に乗り込む。麻薬とカネを発見したところを長谷川に捕まる。待機させていたリエも捕まり、絶体絶命のピンチ…。

そこへ銃弾が火を噴いた。

西城であった。

かつて西城との未来を夢見た楽しい日々が律子の胸に甦った。

形勢逆転し、西城はビッグボスのもとへ。律子もリエにその場を任せ、西城のフォローに後を追う。

ビッグボスと落ちあう倉庫。ところがビッグボスによって西城は正体を暴かれていた。麻薬対策委員特別捜査官として、潜入捜査の専門家として活躍してきたということを。

姿を現したビッグボス。その正体は、亡くなったジュンがいた更生施設を創設し、手広い事業で得た利益を福祉事業につぎこむ篤志家・権藤であった。

激しい銃撃戦。西城を物陰から今まさに狙撃せんとするビッグボスに気づいた律子が、「あぶないっ!」と声を上げ駆け寄る。

ビッグボスの弾は西城を外れるが、2発目の銃弾が律子の胸を貫いた。

西城はビッグボスを仕留め、律子を抱きかかえる。

西城は、任務が片付いたら律子プロポーズするつもりだったと打ち明けた。

薄れゆく意識の中で、律子は西城に誓いの言葉を促した。

漸く現場に駆け付けたスーパーガールの面々たち。

「律子ーっ!」

キャップの悠子(演:野際陽子)は駆け寄り、律子は愛する西城と尊敬するキャップに見守られながら、幸せそうな笑みを浮かべて息を引き取った。

共に過ごした律子との日々が、メンバーの胸に甦る。

花嫁として新たな人生に羽ばたく晴れ姿そのままに白いドレスを翻し、律子は旅立って行った。

 

そこへかぶさるエンディングテーマの「マジカル・ナイト」

かおりくみこに名を改める前の小野木久美子の歌声が、ひときわ胸に沁み渡る。

 

この回は「1番」が本編で流れた後、エンディングクレジットに合わせて「2番」が流れる特別バージョン。

「マジカル・ナイト」は本作全編に亘り使われたが、この回まで、遊園地のメリーゴーランドで次々にメンバー達が思い思いの格好と表情で現れては消える映像だった。

の『美少女仮面ポワトリン』の前半のエンディングはこれに倣ったものであろう。そちらではオリュードによって様々な姿になった主人公が次々に姿を現す趣向であった。

 

小野木久美子は本作後半、一度歌手志望の娘役でゲスト出演しているが、アニメソングを主な活躍の場とした歌手である。情感をこめた、時に哀愁漂う歌声を聞かせてくれるこういう歌手は今やいなくなってしまった。

当時は全く気付かなかったが、『がんばれ!レッドビッキーズ』「青春虹の橋」という主題歌を歌っていたのがこの人だと後で知った。

 

律子役を演じたジャネット八田は、個人的には少し後の『加山雄三のブラック・ジャック』第10話「灰色の館」で、ユトリロを手術代に差し出す令夫人役が印象深い。夫が出張で家を空けてばかりの寂しさから、過ちを犯してしまい、それを夫に見つかると、それまでの仲睦まじかった夫が豹変。暴力を振い、折檻される日々。夢中で夫の頭に壺を投げつけると夫は動かなくなってしまい、朦朧とする中、気がつくと夫を焼却炉で焼いていた。すると夫が息を吹き返し、火だるまになって蘇生した。全身大火傷を負い、廃人となった夫を地下室へ閉じ込め、その形成手術をブラックジャックに依頼するという筋。

終盤、すっかり元の姿と声を取り戻した夫(演:入川保則)は復讐の鬼と化し、妻を自分と同じ目に遭わせてやると、妻を縛って灯油をぶちまけ、そのまま火を放つ。深い自責の念から、泣き叫ぶでもなく、恐怖に慄くでもなく、無気力に観念したかのようになされるがままのジャネット八田の顔が忘れられない。

 

元阪神タイガースの田淵幸一選手との結婚を機に、引退してしまったので、段々その名も忘れ去られていくのだろうが、メンバー中でもひと際落ち着いた表情で、射撃の名手。冷静沈着なクールビューティー。それでいてもろ肌脱ぎの女賭博師姿を披露したり、入浴姿を露わにしたり。

謎めいた微笑みをたたえるミステリアスなお姉さんといった感じの役柄であった。

その律子が殉職してしまったのは、ショックであった。

『プレイガール』でいうと八代万智子が途中で命を落としてしまうようなものである。昔の長い刑事ドラマというものは、主人公こそ変わらないが、得てして好印象を抱く2番手格の脇役が途中で殉職することが多い。

すっかり律子に感情移入していただけに、その退場シーン、涙なしには見られない。

 

この回のゲスト、物語の鍵を握るミスター・ケンが、麻薬取引シンジケートの幹部として出てくるが、川地民夫という有名俳優を、悪役なだけで使うわけがない。そう思って見ていたら、やっぱりそう来たか…と思った。

律子もといジャネット八田退場の花道を飾るには、やはりこれ位の役者を相手役にしないとね。

 

1つ前の第24話でメインキャストを務めた藤村マリ(演:山本リンダ)がバーをやるといってメンバーを脱退してしまった。

若かりし山本リンダは、「狙いうち」の頃は怪しいイケイケ姉ちゃんといった感じだったが、女優として出ていた時は、国籍不明のちょっとコケティッシュなイメージだった。

 

この第25話を以て、第1部が終了する。続く第26話から、新メンバーが加入し、装いも新たに後半が始まる。DVD-BOXでもここから「Part2」となる。

新メンバーとして新たに次の2人が加わった。

 

・早川紀子(演:新藤恵美) :元特命捜査部。変装の名人。結婚していたが夫を亡くし、私立探偵として仕事を再開することに。

・水城真弓(演:日向明子) :元ショーダンサー。元スケバンで、紀子に捕まったことも。

 

ジャネット八田演じた律子のポジションに新藤恵美が入り、回が進むにつれてサブリーダー格に。変装名人ぶりは登場時のみで、後にはそれが活かされなかったのが惜しい。(そういう筋書きが作りにくかったのかも)

婦人警官としての経験も、キャップの悠子に次ぐようだが、ベテランが加入しただけで、何となく地味な印象が拭えず。

 

一方、真弓は、演じたのが泉じゅん同様、当時日活ロマンポルノ女優だった日向明子なだけに、元ショーダンサーという役柄も相俟って、登場回からサービスシーンが頻発。スーパーガールセブンのメンバー2人がセクシー担当となり、この方面で特にパワーアップ。

元スケバンなだけに、ズケズケと開けっぴろげな物言いで、物おじしない勝気な男っぽい性格だが、意外に情に脆く、依頼人に肩入れすることも頻り。不良たちやズベ公たちの溜まり場に入り込んで、共感を示し、話を聞き出す役目が多かった。

悪い奴らに蹴りを入れたり殴ったり、激しいアクションも真弓が担う場面が増えた半面、シリーズ後半、リエ(演:牧れい)の活躍場面が減った気も。

 

シリーズ前半に比べると、「お姉さん」のイメージがあるメンバーがめっきり減ってしまい、かおる(演:樹れい子)と美香(演:泉じゅん)位になってしまった。

ボーイッシュな感じのメンバーに偏ってしまった気がしないでもない。

OP、ED映像も新たなものに変わった。

サービスショットの泉じゅんのシャワーシーンは姿を消し、着衣映像に代わってしまったが、水中から凛々しい顔で上がってくる泉じゅんは、文字通り水も滴るいいオンナ。

後半の映像は、OP、ED共に緊張感が増した雰囲気になっている。特にEDの映像は当時の東京の風景が出てきて懐かしいが、「マジカル・ナイト」の叙情的な小野木久美子の歌唱には前期のメリーゴーランドのほうが合っていたと思う。

 

ゲスト俳優は相変わらず多彩で、加山麗子、野平ゆき、風祭ゆき、飛鳥裕子といった日活ロマンポルノの女優陣、他には根岸とし江(季衣)、赤座美代子など。男優では、蟹江敬三、斉藤晴彦など。

個人的には、大昔にNHKが手掛けたつげ義春原作ドラマ『紅い花』で、キクチサヨコを演じた沢井桃子が、万引きをでっちあげられ、嫌々ながらデートクラブに出される社長秘書のOL役を演じた姿(第48話)が、とりわけ印象深い。

 

最終回は連続爆破事件を巡る話。外れ者の高校生たちが興味本位で作り出した爆弾が、テロに利用されるというもの。

この回も、男子高校生たちに接触する役目を、日向明子演ずる真弓が担っている。

陰謀の鍵を握ると思われた総会屋の男に色仕掛けで迫るセクシー担当に、樹れい子が当たっているが、総会屋はコミカルシーン担当で、全く爆弾魔とは関係がないというオチ。かおるさん、ボディースーツ姿にまでなったのにねェ…。

最後は駒田警部の車に爆弾が仕掛けられていることが判明。

警部たちがうろたえる中、キャップの悠子が冷静に、ハンドバッグから取り出した爪切りでリード線を切断。間一髪で危機を逃れた。…そこまでは冷静沈着。気丈な悠子姐さん。重大ミッションをクリアするや、コマツタ警部にへなへなと崩折れた。

最終回らしく、事件の規模はそれまでの回よりも大きなものとなっているが、メンバーの誰かが殉職するとか、栄転が決まったとか、離れ離れになるエピソードはなく、平穏裡にその幕を下ろした。

 

本作の音楽を担当したのは、今も第一線で活躍中の馬飼野康二。優れたフュージョン音楽の聴きごたえあるアルバムになっている。

ダイジェスト版の動画があったので、ご紹介しておこう。

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後半よく目立った日向明子は、残念ながら56歳の若さで亡くなってしまったが、本作のずっと後、『有言実行三姉妹シュシュトリアン』のお母さん役の印象が強い。

これまで挙げてきたように、東映制作なだけに、特撮作品を彷彿とされる要素が随分散りばめられている。

特撮ファンも楽しめる、古き良き時代のセクシーアクション娯楽作品である。

 

以上、敬称略。


追記:

本作の主役を演じられた野際陽子さんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈り致します。