8月1日(土)
東京―京都―四条河原町
四条河原町―京都
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今回は10時の新幹線に乗り、京都入りしてから昼食ということにした。
15時半の祇園花月に間に合えばいいわけだが、折角の京都。京都は良い雰囲気の喫茶店の宝庫である。そちらでランチのほうがよい。
6月に遂に電話をスマートフォンにした。
「カネばかりかかる」、「別に外でインターネットしなくてもいい」、「流行りモノに安易に飛びつくのはイヤ」
ちょっと反発する気持ちもあったが、“2年縛り”解除の時に思い切って乗っかることにしたのだ。
長旅で家を空けると、その間にヤフオク!でほしいものがあった時、困る。
以前は終了時期が旅に被れば入札を差し控え、どうしてもという時はホテル備え付けのPCを使ったりもしたのだが、何とも不便だ。それで数年前、モバイルPCを買い、それを携えることにした。滅多に使わないから、最初の宿で立ち上げると、Windowsの更新がやたらとかかり、メモリーが少ないから下手すると一晩中の作業となる。こっちはそんなことに割り込まれる謂れは全くないと思っている。「このヘボ機械めっ」と人知れず罵倒している。
そういった不便が、スマートフォン携行で解消するのではないかと考えた。それと銭湯巡りの時、GPS機能付のGoogleマップが使えればやはり心強い。荷物も格段に軽くなる。
まだまだ使い慣れぬ中、前夜、漸くiTunesに取り込んだ音楽をi-phoneに同期し、音楽プレーヤー持参ということになった。
「何も出先で音楽聴かなくっても…」とずっと思っており、家にはCDが山ほどあれど、それらライブラリーを聴くのは近頃では専らこのblogを書くときだけである。大分前に、宝塚に一番入れあげていた頃、デカいMDプレーヤーを持ち歩いていた。外へ音楽を持ち出すなどそれ以来のことだ。序に書くと、一度ブランドもののコートの内ポケットが重さに堪えかねて破れ、傷モノにしてしまい大ショックというトラウマもある。
そうはいってもやはりお気に入りの音楽持参というのは、それはそれで心強く、新幹線車内でも耳にイヤホンを入れる。そして同時に本を読む。
やはり景気の良い、聴きなれた宝塚のショーに行く。富士山が見えるかなーと熱海の先まで起きていたが、山の天気は今一つで、絶景というわけにはいかない。ジャカジャカ系の音楽が耳で鳴ってはいても、眠い時は眠い。
気付けば名古屋であった。
親父から珍しくショートメールが来ていることに気がついた。「今、名古屋」と返信しようとしたら、何度やってもエラーになってしまう。移動中だから電波が弱いのかな…と思い、何度も「未送信」の文章をコピー&ペーストしてはリトライするが、ダメで、そんなことをする内に京都に着いた。
いつしか“名古屋なう”が“京都なう”になってしまった。
馴染みの薄い南口に降り立つ。泊まる宿に先にスーツケースだけ預かってもらうため、ひたすら歩く。京都の夏は暑い。
身軽になって市バスに乗る。京都駅を通り抜けて四条河原町へ行く系統があったので、空いている席に腰を下ろした。落ち着くと気になるのはやはり先ほどのメールの返信。線路をくぐり抜け、西側のビジネスホテルが並ぶ街路、やがて中央郵便局が見えてくると、視界がパッと開け、伊勢丹のオブジェっぽい建物が姿を現した。これと京都タワーを見ると、「京都に来た」という実感が湧く。
夏の京都の景色をチラチラ目にしながら、スマートフォンと格闘している。ゲームもそうだが、こういう電子おもちゃってのは、何でヒトをこうも縛り付けるんだろう?
それが嫌さに極力遠ざけてきたのだが、一種の強迫観念なのか。それ優先に否応なくさせられてしまう、ある種の魔力が潜んでいる。
結局、ショートメールの返しは、どうやら字数オーバーが原因だったらしく、この日、後で寄った喫茶店でも、吉本の幕間でも、夜のホテルでも試してはみたが、こんなことに縛り付けられるのが面倒になり、スッパリ諦めてしまった。どうせ身内だし、便りのないのは良い報せと思ってくれ。すまん、親父。そんな心境である。
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人でごった返す河原町に着いた。高瀬川沿いの「ソワレ」に行ってみると、まだ開店していなかった。それで、道を渡り「フランソア喫茶室」へ行く。
店内は意外なほどに空いていた。奥の禁煙ルームの更に奥を目指す。窓際の手前の席に腰を下ろす。
「ケーキセット」がここでの自分の定番である。 「ザッハトルテ」は何度も食べている。何故かホットコーヒーと合わせたくなる。初めて来た時、クリーム入りにしたら、ホイップクリームがついたウィンナーコーヒーみたいなものが出てきて、ザッハトルテに添えられたホイップと被って“俄かホイップ祭り”となった。それ以来、ここでは敢えてブラックコーヒーを頼むことにしている。
外は猛暑。濃厚なチョコレートケーキを食す気分にはなれず、サッパリ系にする。「洋なしのババロア」をチョイス。更に「バニアライスクリーム」を追加。
バニラアイスは、ピオーネの粒が乗っているのが夏らしい。お好みでソースがかけられると聞き、チョコレートをかけてもらった。サッパリ感と濃厚さが入り混じったドロドロ食感。味わい深いものとなった。
背後の席で、さいぜんからおばちゃん2人が話に花を咲かせている。聞くとはなしに聞いていると、オレオレ詐欺…って言い方はもう古いか…が専らの話題であった。
「息子いうてもなー月にいっぺん位しか電話あらへん。地方行ったりしてなー」
「そやなー。声わからへん。だからウチは名前言うてもらうようにしてる」
「こないだ知り合いがなー郵便局から振込しようとして、局員がおかしい思て、止めてくれた言うとったわ。1000万やて」
「わーええなー。わたし、そんな持ってぇへんわ」
「タンス貯金の方が安心なんやて」
(いやいや、タンス預金だって十分危ない思いますけど)
京都のおばちゃんだって、別に「おいでやす」ばかり言うているわけやない。それとも大阪のおばちゃんが京都へ遊びに来て、「ちょっとお茶でもしてこか」ということだったのか?その装いの適度な日常さ加減が、ジモティー感満載に見えたんだが…。
修道女のようなストイックな制服に身を包んだウェイトレスさんに「ごちそうさま」を言って店を出る。
再び道を渡り、「ソワレ」に行ってみると、既に満席であった。
ならば「築地」とすぐ先の脇道を左に折れる。ビヤホールがあったりする裏路地だが、昼間からキャバレーの呼び込みがいたりして、ちょっと鬱陶しい。「フランソア~」の隣にもいたなーと思い出したが、この日はそっちには呼び込みはいなかった。
こちらは春に来たのが最初だが、その時は平日昼間で2階はほぼ貸切状態。今回は1階奥のこじんまりとした席に腰を下ろす。
ここでも「ケーキセット」である。「ムースケーキ」は自分の中で定番と化しつつある。ちゃんと歯は全部生えているが、30を過ぎた辺りからケーキはスポンジ系、タルト系よりもムース系、ババロア系が好みになった。さっきコーヒーを飲んできたばかりなので、飲み物は「バナナジュース」にする。サッパリした味わいが、暑い夏には有難い。
炎天下の外へ出た。四条大橋を渡り、祇園へ向かう。
人だらけでうんざりだ。漸く八坂神社が見えてきた。
祇園の交差点を左に折れ、暫く歩くと祇園会館に着く。
ここもご覧の通りのすごい人出。
ちょっと早めに着きすぎたので、まだ中には入れてくれない。
入口を入ってすぐの売店で、「すち子のねぶり飴」の特別バージョンが売られていた。すっちー座長就任1周年記念のパッケージである。金色ぽくて有難みが増す。
9日も持ち歩いたら、絶対溶けるしなー。
そう思って買うのはやめておいたが、後になんばでも同じことをして、スペシャルパッケージ版を結局買い逃す羽目になってしまった。
中身は同じだしね…。
この日の演芸のトリは大木こだま・ひびき。
さぁこだまさんのダミ声と、すち子の新喜劇、堪能しに行きましょか。
考えてみれば、この日、京都でランチなんて言っておきながら、ダブル・ケーキセットで済ませてしまった。うーん、不健康。
以下、次回へ続く。









