前回の続き。
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さて、アニメ版における愛称付のソロリティー・メンバーについては、以上で全て述べた積りである。
ここで改めて原作を繙いてみると、これだけ詳しく書き綴っても尚、取り上げていないメンバーがいるのだ。中公文庫版でいうなら第1巻のP.94。
鳳乱(おおとりらん)さまに、大原まるみさま。
それにお笑い担当3人衆の残りの1人・さかさ食パンの君。
最初の2人は往年のタカラジェンヌをもじったものであることはいうまでもない。
往年の宝塚女優の代名詞的存在としてあまりに有名な鳳蘭、それに彼女の同期生で娘役スターだった大原ますみというモデルがちゃんといるのだ。
鳳乱さま&大原まるみさまの2名については、後で述べることにして、先にお笑い担当・さかさ食パンの君を取り上げる。
「どうしてソロリティにはいれたのかはいまだにナゾ」といわれ、むっと不機嫌なお顔をしていらっしゃるが、これも少女漫画特に24年組に少しでも心得のある方なら、大島弓子氏の自画像をもじったものであることは明らかであろう。
アニメ版ではほぼ全員の女性キャラが、痩身、美形である本作において、流石にビジュアル的にさかさ食パンの君を登場させることが躊躇われたのか、それらしい人物は遂に登場しなかった。
例えば、本作の数年後、同じ出崎統&杉野昭夫コンビの手により生み出されたOVA版『ブラック・ジャック』では、お笑い要素はほぼゼロであるにも拘らず、原作の手塚治虫作品がスターシステムをとっているためか、丸首ブーンや、アセチレンランプといったキャラクターが実に渋い姿で登場している。
中でも高杉警部として描かれるアセチレンランプの渋さは極めて印象深い。特徴的な丸い黒縁眼鏡はそのままに、への字の大きな口とそれを彩る口髭、額の皺が強調された写実キャラは、少々嫌味で無神経なアクの強い、仕事だけに情熱を傾ける中年男の渋さに満ちている。
かつてバブル期の真っ只中、今のように旧作漫画が軒並み文庫化される前、ハードカバーの豪華愛蔵版が続々と出版されたことがあった。
私はそのきっかけとなったのは、これも手塚作品の『火の鳥』だったと思っている。
その後、秋田書店から『ブラック・ジャック』や水島新司の『ドカベン』も豪華版が出た。
それらの表紙は、オリジナルのイラストではなく、エアブラシで描かれた妙に生々しい写実的なイラストで、ブラックジャックの頬の傷跡はプツプツとした手術痕までが生々しい、作り物めいた肌の質感が、例えば『犬神家の一族』の佐清のゴムマスクの如き不気味さを醸し出していたし、『ドカベン』の山田太郎のエアブラシのイラストは、やけに写実的なイガグリ頭の健康優良児が、今にも「しまっていこう~」と叫び出していそうな雰囲気があった。
確か喜国雅彦氏の『傷だらけの天使たち』という漫画だったと思うが、これらの写実イラストの表紙絵が流行るなら、是非山上たつひこ氏の『ガキデカ』も同じようなテイストの表紙にしてほしいという話があって、そこにはやけにリアルでシリアスな表情をしたこまわり君のイラストが描かれていたのである。
結局『ガキデカ』は例のエアブラシの表紙絵は採用されず、当時がっかりしたものだ。もしスーパーリアルなこまわり君が描かれていたならば、豪華版を買っていたかもしれない。
その随分後、味の素の「ごはんがススムくん」のCMで、かわいらしい男の子が突然リアルな不気味な表情に化ける姿を見た時、遂に実現しなかったスーパーリアルこまわり君への果たせぬ夢が叶えられたかのような爽快感(?)を不思議と覚えたのを昨日のことのように覚えている。
…以上、延々と脇道に逸れる話を続けてきた理由は他でもない。
さかさ食パンの君だって、杉野昭夫氏の画力をもってすれば、スーパーリアルな描写によるシリアスキャラとしてアニメ版『おにいさまへ…』の世界の住人たることも十分可能だったのではないか。そう思うのである。
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ここで今一度アニメ版の#02を見返してみることにした。
奈々子たちの教室に、午後、ソロリティーの幹部たちがぞろぞろと訪ねてきて、メンバー候補生を発表する場面がある。
その前の#01、入学式の壇上よりも、こちらのほうが主要メンバー勢揃いの感がある。
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よく見ると、ショートカットの髪型をした、よく似た女子が2人居る。
(#03ソロリティー選考の場にて。カトレアの君こと山本さんもいいお顔!)
1人はオレンジ色の髪をした、胸元のスカーフが印象的なボーイッシュな女子。#02では最初、候補生をこれから呼ぶよという緊張の一瞬の横並びからは外れているが、その直後、マリ子が呼ばれ、喜んで前へ出てくる時には一番奥に控えている。アイボリー色のブラウスに、ベージュ色のスラックス姿が爽やか。
(この場面、転換の度にお姉さま方の立ち位置がコロコロ変わっており、1年B組生徒たちの注目を一身に集める中、どうやって移動したのか、まるで謎。
『ドカベン』で、犬飼小次郎率いる土佐丸高校が、一瞬の内に全守備陣が隣のポジションに移動し、3番山岡の三遊間の当たりをアウトにした、驚異の“犬シフト”を髣髴させる。
…って、例えがマニアックすぎて、「知らんわっ」って言われそうだし、単なる作画ミスにそこまでツッコまんでも…と天の声が聞こえそう…)
後の登場シーンでは更にモスグリーン色の襟付きベストを羽織っているのが確認できる。(#32)
もう1人は、もう少し髪が長く、ショートボブといってもよい位。髪は黄土色で、モスグリーン色の長袖ブラウス、辛子色のパンツルックという出で立ちの女子。やはり#32でもその姿を認めることができるが、こちらは#02と全く格好は変わっていない。
この“美女選手権”を製作するにあたって、アニメ版を細かく見直してみて初めてソロリティー幹部に、ショートカットの女子が2名いることに気がついた。
最初はずっとオレンジ色の髪、いわゆる赤毛の胸元スカーフ女子にしか気付かなかった。
ボーイッシュ、赤毛とくりゃ、ペーターでしょ。
そう思い、「(仮称)ペーターの君」とでも名付けようと思ったら、案外ペーターは赤毛じゃないし、短髪女子は2人いた。そうなると「ペーターの君」などと名付けては却ってわかり辛くなってしまう。
もっと直接的なほうがよい。
そこで、前者を「(仮称)赤毛スカーフの君」、後者を「(仮称)黄土色ショートボブの君」と命名しておくとしよう。
#29「生徒総会」で、薫が突然ソロリティー廃止動議をブチ上げる。
動揺し、激しく取り乱す宮さま。
そこへ追い打ちをかけるように途中参加のサンジュストさまが、蕗子に議長交代を要求する。ソロリティー廃止動議を、蕗子は冷静に扱うことができないというのだ。自分の忠実な僕であるとれいをすっかり見くびっていた蕗子は、額に玉の汗を浮かべ、一層激しく取り乱す。チェックメイト寸前といった感じだ。
サンジュストさまの追い打ち発言を聞いて、一般生徒(これも多分に差別的表現ではあるが…要するに非ソロリティー生徒ということ)の不満が一気に噴出する。
「そうよ、ソロリティーの会長が生徒会長を兼任すること自体おかしいわ」
こう発言したのは、モスグリーン色した長袖ブラウスに、辛子色のパンツルック、髪は黄土色のショートといった出で立ちの女子。
…あらら、先ほどソロリティー幹部として取り上げた「(仮称)黄土色ショートボブの君」とそっくりの特徴ではないか。まさか同一人物ではあるまいね。実は双子というオチでもあるまいね?
ところがよく見ると、何だか間違い探しみたいだが、ソロリティー幹部のほうは髪が耳をすっぽり覆っており(だからショートボブと書いたのだ)、一般生徒のほうは耳が完全に出ている。
この一点を以て、2人は他人のそら似ということにしておこう。
でもわかりませんよ。案外姉妹だったりして…。
そうなると姉妹で、ソロリティー民か、非ソロリティー民かで真っ向対立することになり、それだけで十分サイドストーリーができそうだ。
続いてクリーム色のワンピース姿の女子も立ち上がり、すかさず発言。思わずこぶしを振り上げる。
「まず生徒会長を辞めて下さい」
こちらもどこかで見たような格好だぞ。そう思ったら、後に可哀相なひっぱたかれ役に堕すカトレアの君と実によく似ているではないか。尤もこちらの女生徒は、髪は黒髪、顔立ちもカトレアの君よりは随分地味で、胸元を飾る青いリボンもない。
カトレアの君のことを地味だと上で書いたが、こうして一般生徒と比べてみると、やはりカトレアの君でも派手に見える。
そこでこれは私の勝手な推測なのだが、この2名はそれぞれ「(仮称)黄土色ショートボブの君」とカトレアの君の劣化コピーではないだろうか。
これだけ大勢の女子高生ばかり出てくる話だと、いちいち全てを描き分けるのは至難の業だ。それで一部をアレンジした上で、大半の設定を流用したという説はどうだろう。
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先によりマイナーなお方から行こう。
#02でソロリティー候補生として先ず名前を呼ばれ、小躍りして教室の前へ馳せ参じるマリ子。その時、画面の一番右端、バンパネラの君の右隣に立っている薄紫づくしの女子がソロリティー幹部の中では最も謎に満ちた存在である。
何せメズーサの君を思わせるセミロングのウエーブがかった髪は薄紫色、身に纏うワンピースも薄紫色。さながら幼い頃に母の鏡台で見つけた化粧水のような人だ。もうこれは「(仮称)薄紫の君」或いはいっそのこと「(仮称)紫の上」とでも命名すべきであろう。 (本当は全身薄紫色で透明感はありそうなので、「(仮称)ミクロマンの君」とでも命名したいところ)
ところで、#01の入学式の壇上では、宮さまの背後に立ち並ぶソロリティー幹部の一人として、(仮称)黄土色ショートボブの君とボルジアの君の間に、後の回では見掛けないやはり紫づくしの女子の姿が認められる。
こちらの彼女はもう少し健康的な紫レディーだ。
濃い茶色のウエーブがかったセミロングヘア、こめかみのあたりには髪留め、薄紫色のブラウス、紫色のタイトスカートといった出で立ち。乙に澄ました表情をしているが、なかなかの美形である。一体どこに行ってしまったのだろう?
初回ではまだどの幹部が重要な役割を担うかが手探り状態で、とりあえず紫づくしの女子を作っておいたのではないだろうか。ところが早い段階で彼女はその登場機会を失い、#02では影の薄い「(仮称)紫の上」と化し、その後早々と表舞台から姿を消してしまったのであろう。
#01時点での「(仮称)紫の上」が奈々子と絡む姿を見てみたかった気もするが、濃い紫とはいえ、紫色の衣裳はマリ子の専売特許みたいなものだから、紫が被るのは宜しくないと判断されたのであろう。つまりはマリ子に追い落とされたのだ。あわれ「(仮称)紫の上」。
その後、よく調べてみたら、ソロリティー選考会や、入会儀式でも、そのお姿が確認できた。
(#03・ソロリティー選考の場にて。中央の真面目そうなお方が「(仮称)紫の上」)
(#05・“サンジュストさま剣山事件”直後。どうも容姿が安定しません。)
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さて名もなきソロリティー幹部のしんがりを務めるのは、漆黒のストレートヘアが極めて印象的な、白ブラウスに緑色のジャンパースカート姿の彼女。
ソロリティー幹部に限らず、登場人物中でも珍しい和風美人である。
和装がさぞ似合うと思われ、あと5年もすればOVA版『ブラック・ジャック』中の異色回、#06「雪の夜話、恋姫」に出てくる姫そっくりになりそうな美貌を既に備えてはいるが、そこが傍系サブキャラの悲しさで、例によって格好は毎度同じ。
(因みに、『ブラック・ジャック』の姫の声は玉川紗己子さんが演じており、その点では寧ろマリ子の姿が目に浮かぶ)
後の登場シーンの雰囲気から、『源氏物語』に因んで「(仮称)夕顔の君」とでも命名したいほどだが、何の根拠もないので、やはりここは直接的に「(仮称)緑ジャンパースカートの君」とでも名付けておきたい。
#01の壇上シーンでもその姿を認めることができるが、腕組みして立っており、少々威圧的だ。
#02では、マリ子が前へ小走りに出てくるときは、モナリザの君同様、手を伸ばして前に組んで迎えており、お嬢様ぽい雰囲気を醸しているが、その後、自分が選外となったことに怒りを露わに蕗子に詰め寄る三咲綾を斜に構えてじっと見据える時は、#01同様腕組み姿勢になっており、しかもその目線がとても冷たい。というより怖い。 (“何よっこの子、フンッ”って感じ)
その後の登場シーンもソロリティー・メンバーの内の1人という出方しかしないが、他の幹部にはない容姿ゆえか、例えば#05の“サンジュストさま剣山事件”では、ボルジアの君と共に目をひん剥いてショックを受けたり(…結構怖い顔…ここだけ見れば、ホラーだわ)、その後奈々子が率先してれいの手当をするのを見つめたりする大写しのカットがあるのは、役得というべきであろう。
彼女の最大の見せ場は、やはりソロリティー崩壊劇の#32。
カトレア&バンパネラ両君の例の不気味な哄笑の後、結局ボルジア&モナリザ両君もソロリティー廃止賛成の署名をし、それを弾みに今や署名は全校生徒の過半数を超えた。
アールデコ調の洒落た飾り窓に、緑色の背の高い椅子、卓上に静かに燃ゆる蝋燭の灯りが渋い、アダルティーな雰囲気の喫茶店で、メズーサの君、(仮称)緑ジャンパースカートの君、(仮称)赤毛スカーフの君の3人がソロリティーを巡る情勢について真剣に話し合っている。
ソロリティーがこれほどまでに一般生徒たちから反感を持たれていたことに、特にメズーサの君は衝撃を隠せず、頭を抱えてしまう。
(仮称)緑ジャンパースカートの君が続けてこう激白する。
「私なんか、今日、同じクラスの子から、いきなり署名簿をつきつけられたわ。その子、こう言ったわ。ねえ、署名なさいよ。そうすればこれまでのことは水に流してあげるって…。
まるで私がソロリティーにいることだけで、罪を犯しているとでもいうように…」
両手で抱えたソーダ水のグラスがプルプルと震えている。
(仮称)赤毛スカーフの君が思い詰めたように、
「いっそ…いつまでもソロリティーにいて廃止になった後で嫌な思いをする位ならいっそ…」
メ「だめ…だめよ。そんな弱気出しちゃ。わかってるでしょ。宮さまを中心に今こそソロリティーの結束を固めなきゃならない時なのよ」
上記のセリフが、全編中で(仮称)緑ジャンパースカートの君が発した唯一の言葉である。
どうも彼女の容姿と声の雰囲気が今一つ合っていない。
もっと鈴を転がしたような綺麗な声なら(失礼!)、まごう方なき玲瓏たる和風美人として存在感を増し得たことだろうに。やはりそこが傍系サブキャラの悲しいところである。
***
閑話休題。サービスショット。
(#03・ソロリティー選考会にて)
(#15・クルーザーを降りた後のパーティーにて。左手前が(仮称)緑ジャンパースカートの君。ここでは珍しくトレードマークの緑ジャンパースカートをお召しになっていない。暑かったのだろうか…。)
こうして見ると、お澄ましした顔のほうが、かわいい。
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私は長らく、この(仮称)緑ジャンパースカートの君、(仮称)赤毛スカーフの君は、2年生の有力幹部なのだと思っていた。「○○の君」という愛称が公式に与えられていないし、モナリザ、ボルジア、メズーサ、バンパネラ、カトレアの各君に比べると、ソロリティーにおける存在感も薄く、出番も少ないからだ。
だが、上記の喫茶店の場面によって、彼女らもまた3年生であることが確信できる。何故なら、
(仮称)緑ジャンパースカートの君、(仮称)赤毛スカーフの君はメズーサの君と対等な口をきいている(いわゆるタメ口というやつ)
→メズーサの君はこの直後、ボルジア&モナリザ両君とタメ口をきいている
→ボルジア&モナリザ両君はいわば宮さまを両脇から支える、助さん格さん級の最重要幹部。
→そんな2人が宮さまの下級生のわけがない
→宮さまは3年生
ゆえに、(仮称)緑ジャンパースカートの君も、(仮称)赤毛スカーフの君も、3年生と結論付けられると思うのだ。
それによく見返してみると、#03のソロリティー選考会の場面で、(仮称)緑ジャンパースカートの君も、(仮称)赤毛スカーフの君も、選考委員に選ばれている。
そのことも彼女たちが最上級生であることを裏付ける根拠の一つであろう。
とうとう宮さま以外、上級生メンバーは桂木さんことメズーサの君1人だけになってしまった。
そんな中、宮さまは“メンバー全員参加”のお茶会開催を命じる。
準備のための人選、参加への呼びかけ、全てがメズーサの君の双肩にかかることになった。
ここから暫く前の記事からのコピペ。
宮さま「そう…お茶とお花はあなた一人で用意して下さったのね」
メズーサの君「はい…誰も手伝ってくれなくて…」 (メズーサの君、涙が溢れ出る)
宮「すみませんが皆さまに、もう一度声を掛けてきて下さい。わたくし待っていますから。」
メ「はっ、はい。すぐに…」
宮さまも宮さまだ。人に任せきりで悠然と座ってないで、一緒に呼び込みに外へ出ればいいのに。
ソロリティー会長というのはそんなに偉いものなのか? 同級の友達同士じゃないのだろうか。そこまで厳然とした身分差があるとは思えない。
可哀相なメズーサさんは、泣きながら外へ走り出て、まだ残っているメンバーたちにお茶会への参加を呼び掛ける。
メ「来て、ねえお願い…宮さまがお待ちになっているの。1人で、たった1人で、ソロリティーハウスで。」
ソロリティーメンバー「いやっ。どうせつぶれるソロリティーですもの。もうこれ以上クラスの人に白い目で見られたくないの。」 (一度見限った相手に対する女子の態度はすげない)
メ「だって宮さまが…」
ここでメズーサの君が涙ながらにお茶会への参加を呼び掛ける相手が、(仮称)赤毛スカーフの君、(仮称)緑ジャンパースカートの君、(仮称)黄土色ショートボブの君の3人であった。
一体この3人の関係性はどのようなものなのだろうか?
みんな女子だから、こう言うのも変な話だが、ナイト役のボーイッシュ女子2人に守られるように静々と歩む長い黒髪のお姫様キャラ1名。さながらドリカム状態。
中でも、(仮称)赤毛スカーフの君と(仮称)緑ジャンパースカートの君の2人は親友のようで、いつも行動を共にしている。
さながらか弱き姫を守る王子様の如く、(仮称)赤毛スカーフの君が主に発言し、(仮称)緑ジャンパースカートの君は3歩下がって、言葉少なく控えている。
飄然とした印象を受ける(仮称)黄土色ショートボブの君の役どころはどのようなものなのであろうか?
既に親密さの度合い高き王子と姫に対し、姫への叶わぬ恋心を内に秘めつつ、ただ貴女のお傍でお仕えします的な、無償の愛に清々しき喜びを感じる従者、否、騎士の役回りなのであろうか。
こうして考えを進めた時、ふと思い出すのは、原作本に出てきた1コマだけご登場の宝塚コンビ・鳳乱さま&大原まるみさまの姿である。
(仮称)赤毛スカーフの君、(仮称)緑ジャンパースカートの君の2人こそが、アニメ版における、鳳乱さま&大原まるみさまの転身なされたお姿なのではありますまいか。
近年では宝塚のトップ男役&娘役コンビの性格付けも大分自由に変わってきた感があるが、往年のイメージでは、男役は舞台以外の場でも、常に凛々しくサッパリと気風よく、そして“お嫁さん”たる相手の娘役をリードし、支え、守る役割を、特に求められてきたように思える。
共に女性だからこそ、各々の演ずべきジェンダーを、現実世界以上により強く意識し、それが強制ではなく寧ろ心地好きある種のロールプレイングだったのではないかと想像する。
常に1歩前へ出て発言し、相手をリードする(仮称)赤毛スカーフの君。
3歩下がって、言葉少なく控えている(仮称)緑ジャンパースカートの君。
両者の関係性は、まさしく往年の宝塚コンビそのものという印象すら受けるのである。
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きれいなおねいさん(あえてしんちゃん風)のお話は、幾ら書いても飽きることがない。
大胆仮説を些か強引に推論したところで今回はお終い。
当初の構想の5倍くらいのボリュームに既に膨れ上がってしまった“『おにいさまへ…』美女選手権”。さてお次はどんな綺麗なおねいさんが現れますことやら。
以上、一部敬称略。















