前回の続き。
「豚女将」こと「ふくのしま豚の醍醐味」(郡山駅)の予想外の美味とボリュームに感銘を受け、再び売場に戻ってきた。
同じ日に同じ弁当をもう1回買うのは初めてのことである。女将さんに扮した和服姿の売り子さんに、「先ほど食べてみたら、とても美味しかったので、お土産用にもう一度頂きに来ました。」と言うと、大層喜んでくれた。残念ながら「秘伝豚肉の女将漬瓣當」は肉を漬ける女将さんがいなくなってしまい、販売を中止してしまったとのことであった。
続いて「八幡平 サーモンづくし」(味処 赤松どおり)の売場へ。
売り子さんは前回の男性ではなく、見覚えのあるお姉さんであった。
「いつも有難うございます。気に入って頂いて。」
ここでも顔を覚えられている。
再び一番奥へ行き、「氏家かきめし」(厚岸駅)を見に行った。
「2ちゃんねる」で話題になっていた「牡蠣増量」が気になったのである。空いている時だけ頼めば作ってくれるということだったが、沢山置いてあったので、思わず衝動買いをする。
「D-1」という「峠の釜めし」(横川駅)等が売られる場所に、「復刻掛け紙特集」という特設コーナーがあり、何故か豊橋駅の「復刻版稲荷寿し」が逸早く売り切れることが多かった。この日2個だけ残っていたので、試しに買ってみることにした。
その足で、これも前から気になっていた「大人のオムライス」(あわら湯のまち駅)を買い、最後はやはり菅原ぶどう園。この店こそ毎年欠かさず訪れているので、おじさんにもおばさんにも顔を覚えられ、今回も随分色々試飲させて頂いた。
やはり行きつくところは「ぶどうミックス」である。締め括りに1本買って帰ることにした。あちこちで買った弁当が入ったレジ袋を沢山提げていたが、総合案内の店員さんに頼んで紙袋にまとめてもらった。瓶1本位ならどうにか持って帰れそうだ。
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・「氏家かきめし 牡蠣増量」(厚岸駅)(1,300円)
随分久しぶりに食べた。牡蠣ご飯弁当である。通常版では中央に煮込んだ牡蠣が3個並び、椎茸、蕗、アサリ、つぶ貝が脇を固めるが、肝心の牡蠣がたった3個で980円というのは、幾ら美味とはいえ高い。正直なところそんな感覚を抱いていた。
この増量版は、牡蠣が10個と大幅に増え、その不満を一掃してくれる。これまでこの増量バージョンのことを知らなかったので、今年初めてのものなのかと店のお兄さんに尋ねてみたら、北海道物産展ではよく出しているということであった。
牡蠣の煮汁が滲み込んだひじきご飯が牡蠣と絶妙な調和を保ち、この弁当にしかない旨みがある。
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・「大人のオムライス」(えちぜん鉄道・あわら湯のまち駅)(1,100円)
珍しい洋食弁当である。
メインは約2/3を占めるオムライス。ケチャップ味が嬉しいチキンライスの上にスクランブルエッグが乗り、デミグラスソースがかかった本格派で、レンジで温める時は、この部分のトレイだけを外せと書いてある。流石にチキンライスをすっぽりくるむタイプのものではなかったが、玉子が半熟なので美味い。
付け合せでスティックが刺さっているのはサトイモ。何故サトイモ?人参かフライドポテトあたりが常道だろうに、不思議である。煮込んだリンゴが美味い。
箸ではなくスプーンが付いているので、漬物や菜っ葉も掬って食べるわけだが、恐ろしく食べにくいのが欠点だといえる。それともスティックで突き刺して食べよということなのだろうか。
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・「復刻版稲荷寿し」(豊橋駅)(700円)
具材の入っていない酢飯を甘辛く味付けされた油揚げで覆ったシンプルな稲荷寿司が7個。
元々稲荷寿司という食べ物は、子供の頃、好きではなかった。菓子ではない惣菜で、特に和風の甘い食べ物が苦手だったのだと思う。
嘗て六本木に「錦」という立ち食い蕎麦屋のような店があった。何故かこの店はいなり寿司が名物で、この店が、自ら望んで稲荷寿司を選んで食べた最初である。
その味を思い出させる濃いめの味付けが今となっては美味に思える。意外と腹持ちが良い。
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・「鮭ルイベ漬」(佐藤水産)(220g/1,050円)
以前から何度となく前を通り、その存在を知ってはいたが、今回初めて試食させてもらった。売り子のおばちゃんは、「お酒にも合いますよ」と言っていたが、酒のつまみよりはご飯に乗せて食べたい味だ。
ルイベとは冷凍した鮭の刺身のことで、アイヌ語が語源らしい。凍らせることで寄生虫問題から解放されるということである。
一口大に切り分けられた鮭の刺身とイクラを醤油ダレに漬け込んだもの。温かいご飯にたっぷりと乗せて味わうと、それはそれは至高の美味なのであった。
「八幡平 サーモンづくし」といい、このルイベ漬といい、今回も鮭は大当たりであった。
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ところで駅弁大会が終わった後、引き続き京王百貨店新宿店では1/23~28まで「福井県の物産と観光展」という催しが開かれた。水羊羹が食べたくなり、土曜の夜7時半過ぎに訪ねてみた。
駅弁大会に比べると随分と空いており、催事場の手前は服の処分市である。
会場内には狭いながらもイートインスペースがあったので、丁度夕食時ということもあり、序に食事を摂ろうと思ったが、「越前おろしそば」や「ボルガライス」を出す店は既に閉まっており、実演販売の弁当が選択肢となる。
どれも結構いい値段で、衝動買いするにはちょっと躊躇したくなった。結局、焼き鯖寿司を選ぶことにした。
・「浜焼さば寿司」(いけす割烹 雅)(1,050円)
生姜がたっぷりと入っているのがポイントである。香ばしい焼き鯖、ギュッと押し固められた酢飯。ともすれば単調になりがちなバッテラ味に、絶妙なアクセントとしても、又、生臭さを取り除く役割としても、良い働きをしている。
ご飯がぎっしりなので見た目に反して相当腹持ちが良く、飲み物なしに食べ切るのはかなりしんどい。
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続いて水羊羹。あまりに定番の「えがわ」は駅弁大会で既に2度食べているから、今回はこれだけ外し、それ以外の店の品を全て買ってみた。
福井の水羊羹は冬だけの食べ物である。冬季は井戸水の雑菌が減り、水が綺麗になって口当たりが良く、寒い冬だと日持ちがするからといわれている。(防腐剤は入っていない。)
・「水ようかん」 (錦梅堂)(650円)
あっさりしている。黒糖が入っていない。紙箱に直接流し込んで固められている。蓋は防水仕様ではないため、水平にして持ち運びしないと、蓋が湿る。
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・「越前丁稚ようかん」 (笹谷菓舗)(170g/380円)
甘さはやや強め。こしあんは小豆の他に金時豆も使われている。黒砂糖も入っていて、コクがある。
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・「水ようかん」 (栄太楼)(220g/420円)
黒糖の他に白双糖、麦芽糖も入り、まろやかな甘さ。3つの中では「えがわ」に最も近い味に思われた。
福井の水羊羹は、駅弁大会で「えがわ」のものに出会ったのが最初であった。中にはAmazonで買える店もあるようだ。プラスティック・トレイに入っているものばかりではないので、手がべとべとになることもあるが、水羊羹好きには堪らぬ品々なのである。各店で微妙に味が違うのも楽しい。
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これで今年の駅弁大会も無事終了した。
当初はやる気のないまま出向いたものだったが、馴染みの店、慣れた味が随分あることに改めて気づかされた中、新たな発見もあった。まだまだこの食の祭典は楽しむ余地がありそうである。
来年は節目の50回目。駅弁の魅力は、旅情と共にご当地グルメを手頃な価格で味わえることにあるのだと思っている。庶民感覚とはかけ離れた過度な高級路線に走ることなく、安くて美味い食べ物を提供してくれる企画を是非期待したい。











