先週の木曜晩のこと。使っているパソコンが突然壊れてしまった。

使っているのは大手国内メーカーのデスクトップである。


最近はシャットダウンが面倒で、モニターのスイッチだけを消し、放っておくと、勝手にスリープ状態になる。

たまにはシャットダウンするか。

そう思い、出かける前に操作をし、そのまま放って家を出た。

帰ってきて、いつもの習慣で、PCの電源を入れる。

すると、実は外出前のシャットダウンが完了していなかったらしく、結果的に強制終了したのと同じことになってしまった。


再び電源を入れると、Windowsがそのまま立ち上がらなくなってしまった。

そういえば、「何とかのメモリーを参照しようとしたが、うまくいかなかった」云々とメッセージが出ていたような。

だが、大抵の場合、コンピューターが復旧してくれる。そうタカをくくっていたら、「SAFEモード」すらうまく立ち上がらない。

仕方なく、電源ボタンを長押しし、強制終了をかける。


幾度か、起動してはうまくいかず、強制終了しては、再び電源投入。

そんなことを繰り返す内、見慣れぬ青い画面が出て、英文メッセージが出ている。



ikekatのブログ-20120220001
拙い英語力で何となく解読してみると、


「インストールしたプログラムの不具合が原因である。変更をやめて元の状態に戻し、製造元に照会せよ」


どうやらそんなことらしい。


だが、何の新しいプログラムも入れていない。

Windowsの自動更新と、ウィルス対策ソフトのウィルス定義ファイル更新位なものだ。


結局、埒が明かぬまま夜中の1時を迎え、まんじりともせぬまま床に就いた。


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翌日は休みを取って、映画の梯子に向かうことになっていた。

もしかして、時間が経てば復旧してくれるのではないか?


全く根拠のない、当てにならぬ期待は見事に裏切られ、全く状況は好転しない。


説明書に書いてある、放電や、周辺機器の接続を全て外す、メーカーロゴ表示時に「F○○」キーを連打など色々試したが、徒労に終わった。


こうなれば最後の手段。メーカー・サポートに電話する。


11時から、吉祥寺のバウスシアターで、園子温監督の『ヒミズ』を観、京橋の国立近代美術館フィルムセンターに移って、15時と19時の「フランス映画祭」特集上映(正確には「現代フランス映画の肖像2」)と、3本梯子の積りだったが、この日の『ヒミズ』は諦めた。


大体、動いて当然だと思っている機械が突然意のままにならなくなり、前夜から振り回されているという被害妄想が拡大する中、はやる気持ちを抑えて冷静に相手に状況を伝えるべく、心を落ち着かせる。


サポートのお姉さんに状況を伝える。

務めて明るく丁寧に感じの良い応対をしようと、懸命に慣れぬ敬語を使おうとしているお姉さんを、少々気の毒に思いつつも、健気で可愛らしいと思えてくる。

こちらは何とか復旧できないかと真剣に、かつ冷静に状況を伝えようとする。幸いそれが通じたのか、お姉さんも真剣に対応策を調べてくれる。


が、結局ハードディスク交換しかないという結論に到る。


画像データなどは全て外付けHDDに保管しているから、本体のダメージの影響は全くない。あるとすれば、インストールした若干のプログラムと、「You Tube」からダウンロードした動画である。


今の機種に換えた時、確かデータ移行にUSBメモリーを使った筈だ、と思い出す。

ならば、そのメモリーを挿せば、案外簡単に少なくとも買い替え時点には戻せるのではないか。そう楽観し、電話する前からHDD初期化もやむなし。そんな気分になっていたから、別段慌てることもない。


宅配業者に引き取りに来てもらう日程調整が終わると、あとは任せるだけである。

メーカーから直接買ったカスタマイズモデルだが、3年保証をつけておいて本当に助かったと思う。


買い替えた時、前の機械がグラフィック・ドライバーの不具合がどうのこうの…とエラーメッセージが出て、急に落ちてしまうトラブルに見舞われ、インターネットが全くできないのは困るので、近場の専門店で、持ち帰りできるノートパソコンを、という条件で、適当な機種を予備機として買ってあった。


今こそ予備機の出番である。


この時ほど、予備機の存在を有難いと思ったことはなかった。



前夜から、普段は動いて当然の機械のトラブルに振り回され続けている。

こういうトラブルの解消自体を「楽しみ」と思えぬ限り、真の意味で、パソコンを趣味とは思えないだろう。


(PCに向かって)「お前は所詮道具なのだ。俺の趣味には成り得ないのだ。」


恨み言がそれまで幾度も心に浮かび、すっかり気分的に参ってしまった。


だが、これですっきりした。というよりも、これ以上は自力ではどうしようもない、という諦念といったほうが近い。

手詰まりになってしまうと、寧ろ解放感を覚える。


この日は快晴。

折角休みを取ったのだ。

11時の『ヒミズ』は断念したが、フランス映画には気を取り直して出向くことにする。


PCの修復はできなかったが、映画の梯子の予定の修復は何とかできた。


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翌日も京橋へフランス映画だったので、翌々日、PC引き取りを依頼しておいた。午前中と頼んだが、これが12時間際になっても来やしない。


一体どうなっているのだ?


メーカーに電話しようと思いかけたら、12時きっかりに取りに来た。

まぁギリギリではあるが、それにしても9時から待っていて、ひどいのではないか?そう思ったが、一応範囲内なので文句は言えない。


エアー・バッグみたいな、モコモコとした専用キャリングケースに慣れた手つきで収納し、持って行った。


*****


5~7日かかると言われていたが、修理から戻ってきたのは意外に早く、3日後であった。


修理伝票を見ると、指摘箇所以外にメモリーの不具合を発見し、交換云々と書いてある。


最初に強制終了してしまった時のメッセージから推測するに、直接の原因はこれだったのではないか?と勘繰るが、既にHDDは交換され、出荷状態に戻っている。


夜の9時頃から、「さあ、復旧作業だ。」そう思い、USBメモリーを挿すと、どうやらこれだけで「You Tube」のダウンロード動画の復旧など、到底できないことがわかってきた。


USBに入っていたのは、「Windows転送ツール」だけだったのである。


前のPCが「Windows XP」だったので、「Windows転送ツール」が入っておらず、USBメモリーを介して前のPCでこれが使えるようにしたにすぎなかったのであった。


結局、物ぐさゆえに前のPCを未だ処分せず、別室で埃をかぶったまま置いておいたのを、1年少しぶりに起動して、LANケーブルでつなぎ、データ移行を図ったのであった。


よくもまあ、前のPCが残っていたことよ。それによくぞ初期化せぬまま放っておいたことよ。


この時ばかりは自分のズボラさ加減に感謝である。


ところが、この転送が随分時間がかかるのであった。

夜の9時から復旧作業を始めて、転送が終わったのが夜中の1時半。

転送中は、いずれのPCも操作するな、と表示されるので、何もすることがなく、さりとて寝るわけにもいかず、テレビを見て待つことにする。

丁度、この日は水曜深夜。

『孤独のグルメ』の吉祥寺の回をリアルタイムで視聴する。

ナポリタンにハンバーグ。

また深夜に随分腹が減るメニューを取り上げやがって…。無性に空腹を覚えるが、水を飲んで我慢する。


漸くデータ移行が終わり、何とか1年少し前の状態には戻すことができた。


それにしても、「You Tube」の動画がネックである。

真剣にメディアに落とすことを考えねば。


大体故障前の状態に現在は戻っている。

この記事も、前の記事も、復旧したデスクトップPCから作っている。


それにしてもバックアップの大切さを思い知らされた経験であった。


と言っている矢先から、前回の記事を作っている最中に、pdfファイルを参照しようと別Windowを開いたところ、そいつが応答なしで、結局作りかけの記事が全部消し飛んでしまった。


「Ameba」では、こまめに「下書き」を押さねばならないなぁ…と反省した。

お蔭で、今夜は、未だ『笑点』『平清盛』『運命の人』も観ることができずにいる。