10/29(土)のこと。

お昼で仕事を終え、15時半からの東京宝塚劇場を目指す。


先週、神保町で見つけた、ヌーヴォーロマンの研究書は、その後インターネットで探してみるも、やはり神保町で買うのが一番良さそうなので、宝塚の前にちょっと寄ることにしたため、時間が随分押している。

何だか、自ら忙しぶりっ子になっている気もするが…。


神保町で降り立って驚いた。

ものすごい人の群れに、露店で売られる本の山。

すっかり忘れていたが、「神保町ブックフェスティバル」なのであった。


ikekatのブログ-神保町ブックフェスティバル1

人の海をかき分けかき分け、目指す店へ。


「まさか、あんなマイナーな、おまけに函入りのお固そうな本を買う酔狂はそうはいないだろうけど、どうか売れていませんように。」


この人出に不安を感じつつも、漸く店に辿り着く。

幸い目当ての本はあった。


『ヌーヴォー・ロマン周遊―小説神話の崩壊』 

鈴木重生著(1989年 中央大学出版部)
ikekatのブログ-ヌーヴォー・ロマン周遊
(続編と共に)


宝塚が後に控えていなければ、すっと露店の本屋を漁っていたいところだが、そういうわけにもいかず、目的は達したので、早々に退散したいが、『ブンケンロックサイド』の、TVシナリオ売り場だけはのぞいておく。


この店で、昔、『土曜ワイド劇場』の、『湖水の死美人』(1981.8.8放映)という、とても怖いドラマのシナリオを発見したのだが、その時は買わずに帰り、後日やはり欲しくなって再訪したが、既に後の祭り。


以来、毎回のぞいてみるが、昔の『土曜ワイド劇場』の脚本など、そうそう見つかるわけもなく、空振りが続く。

同じ年に放映された、『映画スター殺人事件・花嫁のさけび』(~島田陽子さん主演なのです~)でも見つかれば、大枚はたいてでも買うのだが…。


…と、ここまで書いて、インターネットで念の為調べてみたら、何と、吉祥寺の古本屋で『湖水の死美人』のシナリオが売られているのを発見。今度こそ逃すまじ、と即注文した。


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神保町だったら、安くて美味しい食事処の宝庫と、お昼も摂らずに来たのが完全に裏目に出るが、この人混みの中で、何とか早く、食事のできるところを見つけなければならない。


『岩波ホール』の脇を抜け、『ササキレコード』前に出ると、中華料理屋が露店で、焼きそばなどを売っているが、道路で立ち食いは嫌なので、『小諸そば』を目指すことにする。


折角、神保町まで来て、チェーンの蕎麦屋というのも色気がないが、この際仕方がない。


ikekatのブログ-神保町ブックフェスティバル2

猫舌なので「もりそば」、それと「ミニカレー丼」のセットにするが、14:30過ぎなのに意外と店は混んでいる。

出来上がり待ちが3人もいて、開演に間に合うか、気が気ではない。


リミットは15時。

何だか、17日の大劇場みたいになってきたな…と思い始めるが、またタクシーは嫌なので、何とかギリギリで滑り込みたいと思う。


結局、出てくるのに5分。食べるのに5分。


早々と食器を下げるが、私の前に待っていたお客はみんなまだ食べている。3人ごぼう抜きとなった。


何とかこの人混みを逃れるべく、裏にも出口が通じているコンビニを通り抜け、裏通りへ。表通りとは打って変わり、人は少ない。


神保町から三田線で日比谷へ。


今回も、何とか余裕をもって、開演に間に合うことができた。


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ikekatのブログ-10/29宝塚演目

第1幕は、『仮面の男』。


鉄仮面伝説を元にしたお話。

ルイ13世に双子の王子が産まれ、しきたりに従い、弟を王位継承者として育て、ルイ14世となる。

一方、兄王子は、王そっくりの容貌が忌み嫌われ、世話係の女性に託される。

すっかり暴君と化したルイ14世は、美貌の娘・ルイーズ(演:舞羽美海)に目をつけ、自分のものにすべく、娘の婚約者を罠にかけ、投獄してしまう。

もう一度調べ直してほしいと王に訴えるルイーズに、その条件として侍女として仕えるよういい、彼女は恋人を救いたい一心で引き受ける。

その恋人・ラウルは、バスティーユ牢獄から脱獄を図るさ中、鉄仮面を被され、幽閉されている男と出会う。その男こそ、ルイ14世の兄王子・フィリップなのであった。

王と2人きりになった時、ルイーズは復讐を遂げようとする。が、実はその王は、三銃士たちの働きで、王と入れ替わった兄王子・フィリップであった。

フィリップの優しさに触れたルイーズは、影絵の場面などを経て、やがて互いに魅かれあう。

暴君・ルイ14世を弾劾し、フィリップを王に据えるべく、ダルタニアンと三銃士たちの活躍が始まった…。


トップ男役・音月桂さんが一人二役に挑んだ本作。どうやって入れ替わるのかと注目しつつ観ていたが、実に忙しい。

冒頭から、モリエール一座が、時代背景を解説するのに、水戸黄門は出てくるは、ジャンヌ・ダルクにマリー・アントワネットは出てくるは、で、一体本編はいつ始まるのだろう?と思っていたが、『三銃士』方面について予備知識が殆どない私には、あまりわかり易い話とは思えなかった。


色々調べてみると、大劇場公演の時は、もっと「?」な内容だったようで、東京公演ではまだ改善されたそうだ。


こういう物語をみると、アレクサンドル・デュマの『ダルタニアン物語』を、一度きちんと読まねば…と思うが、何せ分厚い文庫本が11冊もあり、10年以上も積ん読状態が続いている。


ikekatのブログ-ダルタニャン物語

今となってはレアな講談社文庫版。

読むのは楽ではないだろうが、冒険活劇なので、案外すんなり読めるのかもしれない。

今回の舞台に関係ありそうなのは、この中の「第10巻・鉄仮面」というところか。


昔、NHKでアニメ化されたDVDが、海外盤なら安く手に入る。

見るには少々工夫がいるが、一度アニメ版からでも見てみようか。


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ikekatのブログ-ロイヤルストレートフラッシュ開演前

第二幕は・ドリームステージ『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』

いきなりロケットから始まり、白地に赤と黒の、トランプをイメージした衣装が華やかなオープニング。

『不思議の国のアリス』へと続き、TV制作場面、海賊の場面、米軍兵士~ベトナム戦争、インディアンの群舞~デュエットダンスと続き、フィナーレへ。


今回のショーは、主題歌がわかり辛く、ファイナーレの唄ではやけに「タカラヅカ、タカラヅカ~」と連呼するのがわざとらしく、あまり好感が持てない。(~昔の月組の『TAKARAZUKAオーレ』を思い出してしまいました。)

TV制作場面の詰めのシーンで歌われるのは「HERO」。しかも、MIEが歌った日本語歌詞バージョンで、完全に『スクール・ウォーズ』の世界に翔んでしまった感じがする。

海賊の場面でも、ベンチャーズが使われたり、何だか懐メロ大会みたいな気が…。

後半の戦争場面では、編笠姿の兵士が現れ、「ああ、ベトナムね」とわかる。髑髏の幕が不気味だが、恋人を喪った若い娘が切々と歌い上げる場面が、最も印象的に思えた。


確かに最初から大いに盛り上がり、ゴージャス感は感じるものの、ゴージャス感覚が延々と続く感じがして、振り返ればあまり印象に残る場面はない。


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観劇後、いつもロビーでにこやかに観客の帰りを見送る、黒い衣裳に身を包んだショートカットに眼鏡の女性こそ、この劇場の支配人にして元・男役トップスター、甲にしきさんである。


劇場を出ようとするとき、何か見覚えのある顔の男性が。

法政大学教授・稲増龍夫先生であった。

10年ほど前、よく朝のTVにご出演されていたのをよく覚えている。そういえば、昔からヅカファンと仰っていましたっけ…。少しお年を召したようだが、宮崎駿監督と少し似たお姿は相変わらずなのであった。


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観劇後のゴージャス感の余韻に浸りつつ、久しぶりに御徒町へ。


御徒町といえば、『多慶屋』である。


つい色々な菓子類をしこたま買い込んでしまった。


その中で、お気に入りは『ブランデーどら焼』、略して『ブラどら』。広島・三次の渡辺精進堂というお店のもので、今回が初めて。

何だか、『うなぎパイV.S.O.P.』みたいだな…と思うが、家で食べてみると、しっとりとしてとても美味しい。

けれど、あまりブランデーの味はしない。


ikekatのブログ-ブラどら

洋食屋・『キッチン・台栄』で、ハンバーグとかにクリームコロッケの盛り合わせを食べる。

何だか、前よりも随分ちんまりしてしまったような…。

固めに揚がったかにクリームコロッケは、油断してかじると、飛び上がるほど熱く、口の中を大火傷し、これを書いている今も上あごが腫れて痛い。


ikekatのブログ-台栄料理


続いて『純喫茶・丘』へ。
少々くたびれかけているが、レトロでゴージャスな雰囲気の店である。


ikekatのブログ-純喫茶丘入口


ikekatのブログ-純喫茶丘ステンドグラス


ikekatのブログ-純喫茶丘店内


3月に幾度か来て以来だが、客は私一人しかいない。


『プリン・ア・ラ・モード』を注文してみるが、プリンを作っていないとのこと。

震災後、一度もありつけていない。


代わりに「チョコレート・サンデー」、それと「ミルクセーキ」を頼むことにする。


ikekatのブログ-純喫茶丘チョコレートサンデー

ロシアの宮殿みたいな、生クリーム絞りの群が、ゴージャス感を増す。

体にはものすごく悪そうだが、生クリームをがっつり味わいたい向きにはこれ以上のものはない。


それに、「チョコレート・パフェ」も、底をコーンフレークで誤魔化すなどというケチな真似をしないところが良い。しっかりチョコレート・ソースで詰まっているのを、往生際悪く、最後の一滴まで細長いスプーンで掻き出すのが、チョコレート・パフェの醍醐味なのだから。


ikekatのブログ-純喫茶丘チョコレートパフェ

(前に頼んだ「チョコレートパフェ」)

甘い「ミルクセーキ」に、更にガムシロップを付けてくれるが、流石にこれはやめておいた。


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上野広小路から地下へ降り、大江戸線で帰路につく。


車内でなめてみた「完熟とまとキャンディ」がやけに美味しい。

『多慶屋』で買った、この日一番の収穫である。

ikekatのブログ-完熟とまとキャンディ