『複雑性PTSD 生き残ることから生き抜くことへ』、
院内や学内の勉強会で輪読します、
とのうれしい声をいただいています。
心理職ではない方からも、
「これはすべての人に読んでもらいたい」
「そういえば、子どものころ親との関係がつらかったことを思い出した」
などの感想が届きました。
ありがとうございます^^。
私自身も訳しながら、
子どもの頃のあの体験があったから
今でもこういう場面で不安な気持ちがやってくるのか、など、
いくつも思い当たることがありました。
著者のピート・ウォーカー氏は、
幼少期に親からひどく批判されてきたことで、
大人になってからも、周囲の人が自分をばかにしているという思いにとらわれ、
対人関係にたいへんな困難を抱えてきました。
本の中では、そうしたご自身の体験談も含め、たくさんの事例が紹介されています。
私が個人的に気にっている箇所は、
ピートさんの幼い息子が癇癪を起したときのエピソード。
「パパ大嫌い。もうパパとは遊ばない」と泣き叫んでいた息子さんが、
自分の気持ちをしっかり感じて表現したことで、
すぐにけろりとほがらかに
「あ、パパ、ピカチュウだ。後で一緒にポケモンしようね」
へ変わる様子が描かれています。
同じように、ピートさんのクライアントさんたちも、
つらかった気持ちを認識して感じることで、
今の生活にある楽しいことや良いことに目が向くようになっていくと言います。
大人になってからも突然おそってくる感情のフラッシュバックのメカニズムが
ていねいに解明されているだけでなく、
そこからどう抜け出していったらいいのかが、具体的に示されています。
ぜひお手に取ってみてください。