「早く見たい!」
「早く聴きたい!」
「早く知りたい!」
こんな具合に現代に生きる私たちは、いつの間にやら何事においても、「早く結果が欲しい」と考えるようになりました。特に急いでもいないのに。
そしてこれは音楽についても同じことで、「常に刺激的な音を聴いていたい」と欲する人々が、音楽リスナーの多くを占めているようです。この現象は「音の情報の密度が薄くなる瞬間」、つまり音と音との「間」に耐えられない人が多数存在する、という証左ではないでしょうか。インスタントな刺激ばかりを求める、いわゆるドーパミン依存の若者を揶揄する「ドパガキ」なる言葉まで登場するほどです。
こんな状況に私は、ちょっと待ってくれ!と言いたくなる時があります。この圧倒的な時代の渦に飲まれっぱなしで本当に良いのか?急ぎに急いで、強い刺激を求め続けた果てには、悲惨な結果が待っているんじゃないか?と直感しています。
そんなわけで、この現代社会に一石を投ずるべく、本日から定期的に、私が日ごろから愛聴している「余白のある音楽」をご紹介したいと思います!(なるべくギターが入っているものを選曲するつもりです)
Ending / Bruce Langhorne
記念すべき第1回目は「The Hired Hand」という映画のサントラをピックアップしました!ボブ・ディランの作品制作に数多く関わってきた、セッションミュージシャンのブルース・ラングホーンの作品です。このサントラは、いわゆるハリウッド映画のド派手な音楽とは真逆の、音数が少なく、極めて静かでドライな、アコースティック・インストゥルメンタルです。
情報過多な音楽に慣れきった耳で聴くと、最初は「物足りない」と感じるかもしれません。しかし!試しにスマホの画面を裏返し、目を閉じて音楽に身を委ねてみてください。
Arch Leaves / Bruce Langhorne
どうです?次第に頭の中のノイズが消え、じんわりとした心地よさを感じ始めてきたのではないでしょうか?
毎日、猛スピードで急かされるような世界に生きているからこそ、私たちは「何もしないことを意識的に行う」ことで、自分自身を労り、メンテナンスする時間を確保する必要があるはずです。そして「余白のある音楽」は、必ずその手助けをしてくれることでしょう。
それでは第2回をお楽しみに!
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