こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

週末のレッスンは幼稚園や小学校の運動会などで、いつもと少しちがうメンバーでの実施が続いています。
だからこそ、かもしれませんが、生徒のみなさんの様子も「いつもと少しちがう」こともあり、その伸び代や可能性を見ることが出来、みなさんの成長がますます楽しみになってきました。

お預かりしているひとりひとりが、ひとりひとりとして大切な存在であることに違いはありませんが、レッスンのワークだけでなく、他の生徒さんや、保護者の方々とのふれあいを通して、新たな魅力や可能性を発見できたり、成長のスイッチがオンになったりすることもありますから、「うちの子、大丈夫かな…?」と思われているお家もぜひ池上校のレッスンにご参加いただければと思います。

私たち講師はバレエの専門家として、生徒のみなさんにバレエのレッスンを手渡していますが、実際はそれだけではなく教育者のひとりとしてとして、微力ながら子どもたちの健全な心身の成長のために何が出来るか?を常に考え、レッスンを通してその取り組みを続けております。

子どもたちにとって新しい環境に身を置いたり、新しいワークに取り組むことは、わくわくすることでもあり、その一方でどきどきしたり、引け腰になってしまうことでもあります。
様々な経験をしている大人ですら、全く初めての事柄にチャレンジする時には緊張するものですし、今までに経験してきた事柄に紐付けて考えることで、自分を安定させている時も多いのではないでしょうか?
大人ですらそうなのですから、紐付けることの出来る過去の経験が少ない子どもたちが、何かに引け腰になることや、弱気になることは当たり前のことなのかもしれません。

子どもたちへの声がけの例としては「出来る出来ないは別として」などの取り組みを促すものが推奨される場合が多いかと思いますが、子どもたちにすれば未知の「何か」に触れることへの不安に加えて、「出来る」「出来ない」の出来栄えや評価への予感が加えられると、ともすれば「出来ない」という言葉に引っ張られてしまうこともあります。

そのような時は、子どもたちの知っていることや、経験したことのあるものなどではずみをつけて、本題にチャレンジすることがあります。
先日、ある生徒さんは小さいながら、お家でほうきやぞうきんを使ってのお掃除のお手伝いをしたことがあるとのこと、一人で新しいワークに取り組む前に、講師と一緒にお教室の床をきれいにしました。



小さなことかもしれませんが、「自分はこれが出来た!」という自信や達成感ではずみをつけることが出来たのか、そのあとのワークも丁寧に頑張ることが出来、その内側からのエネルギーと取り組みを目の当たりにした講師である自分はとても嬉しく思いましたし、改めて子どもたちの可能性は、大人が形成するものではなく、子どもたちの中にすでに存在しており、大人はその発露の一部分を手渡すだけなのだと再確認しました。

バレエのワークについては先達として、最低限の知識と経験があれば指導することが出来るかもしれませんが、子どもたちの学びの姿勢や取り組み方を育てたり、導くことはハウツー本やインターネット、講師の個人的な体験だけではカバーすることは難しいのではないでしょうか。

みなとシティバレエ団附属バレエスクールの大きな目標である「バレエで立つ」を、生徒のみなさんが叶えられるように、これからもより良いレッスンを手渡していければ…と思います。(木村)