こんにちは、池上校講師の木村美那子です。
あっという間に秋が深まり、上着がないと寒いくらいの日も増えてきましたね。寒暖差アレルギーという言葉もあるくらい、気温の変化は私たちの身体に大きな影響を与えますから、お洋服などで上手に調整をしていきましょう。

またレッスン時にレオタードの上から何かを着る場合には、手先が隠れないもの、裾がひらひらしていないもの、身体にフィットしたものを選ぶようにしてください。そしてあたたかくなってきたら、汗が冷えるといけないので、すぐに脱ぐようにしましょう。

さて、この写真は何をしているところでしょうか?



講師はヘアバンドを、生徒の2人はウエストベルトを縦に引っ張っていますね。
これは身体を引き伸ばして立つイメージと、姿勢保持の関係について説明をしているところです。
私たちバレエに関わる者にとっては良い姿勢で正しく立つということは、単なるポーズではなく、筋肉を使い続け「立つ」という「動き」を「し続けている」という進行形のムーヴメントとなります。

たとえば「し続けている」ことについてのヒントとしては、手のひらを立てて、そこにティッシュペーパーをあてて考えてみます。
そのままではひらりと手のひらから落ちてしまうティッシュペーパーですが、手のひらを前に押すように歩いてみると、空気の抵抗を受けて手のひらにくっつき続けますね。
そして立ち止まるとティッシュペーパーは手のひらから落ちてしまうことを考えると「保持する」ということは「し続ける」ということであり、それは一見ポーズのように止まって見える「姿勢」であっても同じことなのです。

バレエに長年取り組み続けている私たち講師からすれば「当たり前」と思えることも、バレエを習う子どもたちにとってははじめての経験かもしれません。
当たり前だから、とその表面的な形や見た目を押し付けるのではなく、子どもたちの経験として、また実感として、バレエ的な価値観や、身体操作を身につけていくことが出来れば、スクールの大きな目標である「バレエで立つ」(=バレエを通して自立する人になる)の土台となるのではないでしょうか?

そのためにも私たち講師は、ただ単に決められたレッスンのワークを生徒の皆さんに「させる」のではなく、「共に体験する」ための知識や知恵、そして方法をどれだけ有しているか、使いこなせるか、ということが大切になりますし、そのための勉強は何年指導をしていても終わることはないと考えています。

スクール選びでは、その点もひとつのヒントになりますので、ぜひ確認してみてくださいね。(木村)