こんにちは、池上校講師の木村美那子です。
あっという間に5月も終わりをむかえ、みなとシティバレエ団附属のバレエスクール各校では発表会の準備が少しずつ進行しています。
生徒の皆さんの立ち位置を決めたり、お衣裳を決めたり、当日のスケジュールを調整したり…発表会はたった1日のことですが、そのたった1日のために先生たちだけでなく、多くのスタッフさんたちが数ヶ月前から準備を重ねて、ようやく本番をむかえることが出来ます。
生徒の皆さんもレッスンの中で少しずつ課題となる振り付けを習っていると思いますが、特に池上校では初めての発表会参加ということもあり、生徒の皆さんも、保護者の皆さまもたくさんのどきどきを感じていることでしょう。
発表会についてはこちらのブログでもはやい時期にいくつかの記事を投稿していますが(ぜひアーカイブをご覧ください!)、今回は振り付けについて少しお話いたします。
みなとシティバレエ団附属バレエスクールの発表会は、各クラスのレッスンの様子をご覧いただくための「おさらい会」としての要素を多く含んでおりますので、振り付けだけをするのではなく、レッスンではレッスンのワークをきちんと行うことが大切になっています。
では、なぜレッスンの内容をそのままお見せするのではなく「作品」や「役」の振り付けをに取り組むのでしょうか?
いちばんシンプルな答え方をするならば「バレエは表現の芸術であるから」です。
年齢やプロ・アマに関わらず、バレエではストーリーを表現し、ストーリーの無い作品であれば音楽を表現することが大きな目的・目標であり、そこに向かうまでの訓練や鍛練の中で、自己実現や課題達成の自己肯定を得ていきます。
ですから作品に関わる際には「何を表現するのか」をひとりひとりがよく考える必要がありますし、振り付けを渡す側はその部分が明確になるような振り付けの仕方が必要となってきます。
今回、木村は振り付けに関わってはいませんが、ぜひ「何を表現するのか」という点に注目して、振り付けを練習したり、本番をご覧になっていただければと思います。
楽しい役なのに悲しい表情になっていないか、てきぱきした音楽なのにだらだらと動いていないか、そして(これは振り付け者の問題ですが)音楽の強弱と振り付けの強弱とがミスマッチになっていないか…このちぐはぐさの無いこと、整合性のあることは「音楽と共に在る」バレエ、「表現の芸術で在る」バレエにあっては、技術の上手い下手以上に大切なポイントです。
特に情操教育として、教養としてもバレエのレッスンが重要であることを考えれば、その部分は重要なチェックポイントとなりますし、それがお教室選びや先生選びのヒントともなることでしょう。
今回振り付けをしていない木村も、振り付けの先生方がどのような想いを込めて各クラスの皆さんへ振り付けをプレゼントしてくださったのか、とても楽しみにしていますし、また生徒の皆さんがどのように自分たちのクラスの振り付けを受け取り、感じ、取り組み、本番の舞台で表現するのか…とても楽しみにしています。(木村)