こんにちは、池上校講師の木村美那子です。
年齢別に細かいクラス分けがされている、みなとシティバレエ団附属バレエスクールですが、学校や幼稚園、保育園が違っても、同世代の子どもたちでお友だちになっているようです。
子どもたちの世界は、大人に比べて狭いですし、どれだけ世界は広いと教わっても、現実世界での経験値が少ない子どもたちの(現実世界をイメージするための)想像力には限界があります(空想したり、夢想する力は大人よりも優れていますが)。
ですから、万が一子どもたちがその生活している世界で生きづらいと感じてしまった時には、その世界の狭さは子どもたちにとって息苦しいものともなりかねません。
大人は「その向こう側」にある(ある意味では大人が失ってしまった)「可能性」に目を向けたり、時間的に遠くまでを見渡すことも出来ますし、時間を経た先の成果や効果を期待することも出来ます。
ですが「いま、ここ」を生きる子どもたちにとっては、そのような状態にある時に、大人目線の成果を期待したり、そのために「今」と折り合いをつけることは自然なことではないのではないでしょうか?
そのような時に、日常から少しだけ足を伸ばした「バレエのお稽古場」や、そこで一緒にレッスンをする「バレエのお友だち」が(言葉は良くないかもしれませんが)抜け穴になるかもしれません。
そしてそこで出会うお友だちは、単なるお友だちではなく、先生の下でレッスンに一緒に取り組む「仲間」でもあります。
小さいうちはまだまだ分からないかもしれませんが、レッスンでたくさんの課題に取り組んだり、発表会に参加したりするうちに、支え合ったり、助け合ったり、認め合ったり出来る「仲間」となり、お友だちとは少し違った繋がりや絆を得ることが出来ます。
ボタンひとつで答えが簡単に出せる時代、自分の意見ですらコンピュータソフトが勝手に文章にまとめてしまう時代ですが、やはり頭を働かせ、身体を動かし、心で感じ、人と人とが温度感をもって関わり合う体験を積み重ねて得たものにはしっかりした手触りと重さがあります。
バレエスクールでは習い事として教養を得たり、大きくなってからは技術を習得することが大きな目的ではありますが、それだけではない、子どもたちの心身の成長にとって大切なものも手渡していければと考えております。(木村)