こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

この写真は一体何でしょう?



これは木村が子どもの頃に「当たり前」とされていたストレッチのひとつです。
左右に置かれた椅子の上に足先を乗せて開脚し、上半身を出来るだけ前屈するというもので、その目的は内ももを伸ばすことで、脚を高くあげる時に役に立つとされていました。
そしてお教室によっては、さらに先生が上から体重をかけて押す…ということもあったようです。

このある意味では「懐かしい」とも言えるストレッチですが、SNSでの発信が盛んに行われるようになったことで、再び頻繁にこのストレッチを目にするようになりました。
またこのストレッチ以外にも、一見「すごい!」と目を見張るような写真や動画も多く投稿されていますが、それらは一体何のために撮影されたものなのでしょうか?

そもそもストレッチは何のために行われるのでしょうか?
ジュニア世代に向けて行われるストレッチの目的としては、骨の成長に筋肉の長さが見合っていないと痛みが出やすくなってしまうので、それを防ぐためにストレッチをしています。
またストレッチ直後は血流が増えるので、ポジティブなリラックス効果をもたらして身体の調子を整えてくれます。
そしてバレエについて言えば、日常生活でよく使う「上下前後左右」の他にも斜め方向への動きや、放物線、円形など、より複合的な動きをしますから、よりその動きがスムーズに行うことの出来るように、身体の様々な場所を動かしていきます。

ですが、それらの目的に代表されるようなストレッチに「世界びっくり人間コンテスト」のような「軟体」は求められていないことは分かりますね。
写真にあるような、耳より後ろに脚をあげるポーズはバレエにはほとんどありません。(バトマン・タンデュを習った人は、横のタンデュを耳より後ろに出しなさい、とは教わりませんね。)大きく脚を振り上げる場合も放物線上に動かすので、柔軟性以上に運動性や操作性が必要かと思います。

数年前までは「何はさておきストレッチ!」と、ひたすらストレッチを強硬していましたが、近年では「レッスン前のストレッチは禁止すべき!」と言われ、また最近ではそれもその信憑性が揺らぎを見せています。
「昔からの習慣だから」と何も考えずにいるのではなく、目新しい意見に飛び付くのでもなく、講師は常に学び、検討し、また目の前の生徒さんにとって何がベストなのかを選択する必要があると考えています。(木村)

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