会場には、日本のアレルギー治療を牽引されている先生方も多くご参加されていました。
そのなかで、講演後、名古屋市立大学大学院 特任教授の大矢幸弘先生からいただいたお言葉がとても心に残りました。
私が長年お伝えしてきた「触れ合いのケア」に、またひとつ大きな光を当てていただいたように感じ、皆さまにもご報告したいと思います。
アレルギーのあるお子さんにとって、毎日、治療薬を皮膚に塗り続けることはとても大切です。
けれど、塗られることを嫌がるお子さんも少なくありません。
忙しい毎日のなかで、お母さんやご家族にとっても「薬を塗らなければ」という行為が、いつしか義務やストレスになってしまうことがあります。
その結果、必要なケアを十分に続けられず、症状の改善につながりにくいケースもあるそうです。
そんななか、大矢先生が注目してくださったのが、私がお話しした、
「心地よく触れ合うことが、子どもの心の安定や成長にもつながる」
という研究のお話でした。
「薬を塗る」という行為を、単なる治療の義務としてではなく、
親子が心地よく触れ合う、大切なコミュニケーションの時間として捉え直すことができるのではないか。
そして、触れ合いがお子さんの成長にも良い影響をもたらすというエビデンスを伝えることで、ご家族の「塗らなければ」という義務感やストレスを、少し前向きな気持ちに変えていけるのではないか。
そんなお話をしてくださいました。
つまり、
「薬を塗ることは、症状を改善するためだけの時間ではない。
親子が触れ合う大切な時間であり、子どもの心や成長を育む時間にもなり得る」
そんな新しい伝え方ができるのではないか、と。
さらに先生がおっしゃった、
「アレルギーだったからこそ、毎日子どもに優しく触れる時間が生まれる。
そう考えれば、つらい病気の経験にも、新しい意味を見いだせるかもしれませんね」
という言葉が、とても心に残りました。
「触れること」が、治療を支える。
「触れること」が、親子の心を育てる時間にもなる。
「病気だから、かわいそう」だけではなく、
「病気があったからこそ生まれた、親子にとってかけがえのない時間がある」
そんな視点を持つこともできるのかもしれません。
これまでハンドケアを通して「触れることの力」をお伝えしてきましたが、医療の現場においても、その可能性をあらためて感じる、大変ありがたい機会となりました。
池田模範堂さま、日本ラテックスアレルギー研究会の皆さま、そして貴重なお言葉をくださった大矢幸弘先生に、心より感謝申し上げます。





















