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さて今回のブログですがどうしても透明で作ってみたいルアーがあったので、個人でゼロからの射出成型にチャレンジしてみたのでその経緯と結果をブログにします。

 

金型制作

 

まずは金型を切削する必要がありますのでそこから始めました。

Fusion360にてCADデータを作成し、CAMデータ(G‐code)を生成します。

この辺りも中々難易度が高くエンドミルの登録や切削速度の登録等、専門的な知識が必要となります。

失敗しまくりながらもなんとか1号金型が完成。

 

金属を削ってる様子

RD-30(CNC)

 

INARI(卓上型射出成型機)

 

 

 

1号金型

とりあえず失敗する事を前提で射出成型する為に無理やり作成。

失敗する予定だったもののズレながらもなんとかルアーっぽいものが完成しました。

 

2号金型

 1号金型が持つ所が無く開かなくて困ったので5mmのマージンを持たせ開きやすくしました。

 

 

ヒケという現象が出たものの量産化に成功!

 

早速釣れました。

 

3号金型

ヒケが発生した為、全体的にルアー自体のCADを変更。

2個どりにも挑戦。

CAD変更に伴いCAMデータ変更。

Fusion360の優れてるところだそうでCADを修正したものがそのままCAMデータ生成に移行できます。

通常はCADソフトとCAMソフトは連携出来ないそうです。

なので金型製作でのデザイン変更は嫌がられるというか追加料金となるのだと思います。

この150万レベルのソフトが無料で使える事が、世界中で個人が出来る範囲を大きく変えた要因の一つだと思います。

 

切削時にX軸がそもそもズレてる事が発覚したのですが、4時間が経過していたのでそのまま作成。

0.5㎜くらいずれてます。

圧力が掛かる部分にボルトが無い等の完全な設計ミス。

2号の射出が上手くいった事で驕りました。

 

後に穴を開けなおした3号金型改となります。

 

4号金型

下部の金型が抜けにくい問題をCADデータにて修正

金型自体にタップでネジ山を切って効率化。

左が4号右が3号改(4号には無駄なナットがありません)

一応設計通りのものが量産出来ました。

 

結論

データ上はイメージ通りに作成する事は出来る様になりました。

課題としてCNCはRD-300だと金属切削の時間がかかりすぎてしまいます。

射出成型を本気でビジネスにするとしたらこの辺りのCNCを導入したいところです。

 

射出成型機もINARIで1時間に何個とれるか3号金型改と4号金型で回してみたものの、完成品としては設計どおりのものが出来ましたが現時点ではどんなに改善しても手間や歩留まりや仕上がりを考えると実際の製造には投入できないと判断しました。

 

 

上記の様な電動の卓上型射出成型機がもう少し安価になった時点かもしくは安い電動卓上型射出成型機が発売されましたらまた射出成型チャレンジを再開したいと思います。

射出成型をした事によって3Dプリンターのルアー制作における優位性、射出成型は向かない形状でも3Dプリンターでは製造可能な事等が改めて見えましたので自身の成長にはなったと思います。

 

射出成型での金属切削の経験がスプーンのプチ量産用の曲げ型にほぼ技術転用出来そうなので、今後はそちらをチャレンジする予定です。

 

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