それは、まさに妖術のようだった。
私の記憶に、そっと大切な何かを残すように、その声音は、心に鎖を巻き付けていった。
元々、エキドナはどこか儚さを纏ったような人で、でも強くて、私はそんな彼女が放つ空気がどこか居心地が良かった。
きっと、ママはエキドナを私のお守りにと決めた時、そんな私の心を見抜いていたんじゃないかと思う。
「私、もう長くない。昔から病を持ってて」
「何を……」
「でも、私は最後までママの手駒。だけど、私は最後に貴女に言葉を贈る。それが、ママのためだと信じて」
この世界で別れなんて当たり前だけど、エキドナとの別れは……寂しいと思った。
ママは私にとって恩人であって憧れではあるけれど、同時にどこか違う世界の人のような気がしていたから、そういった意味でエキドナは蝶の中で私が信頼し、身近に感じていた唯一の人だったのかも知れない。
「ママは、とある人物を探してる」
「とある……人物?」
「ん……私の仕事は、その人物の情報を得る事と、確保する事。そして……ママの弟の生死を確認すること」
「弟……?」
「ママの、最期の人の部分」
「……」
「ママには手に入れたいものがある。どうしても欲しい事実がある。それがあったらから、辛うじて人でいる」
「私は……風前の灯の渇いた蛇。魔女を見守る事、もう敵わない。だから、貴女に託す」
私は言葉を紡げないでいた。
彼女の瞳に私の顔が見える。その私は少し泣きそうな顔をしていた。
エキドナは普段と変わらず、その物憂げな瞳で、それでも表情は少し悲しそうで……。
「ママを、見ていてあげて。彼女の道は誰にも外させる事が出来ない。だから、見ているだけでいい。そしていつか、私に教えて」
「……エキドナ」
「お願い」
エキドナの最後の姿は、最初で最後の優しく、綺麗な笑顔だった。
私はその笑顔を忘れない。この赤いチョーカーがエキドナの形見だとするならば、私はこれをつけて、この蝶で行動していこう。
そうする事でずっと、私を通してエキドナが見ていてくれるような……そんな気がするから。
私の記憶に、そっと大切な何かを残すように、その声音は、心に鎖を巻き付けていった。
元々、エキドナはどこか儚さを纏ったような人で、でも強くて、私はそんな彼女が放つ空気がどこか居心地が良かった。
きっと、ママはエキドナを私のお守りにと決めた時、そんな私の心を見抜いていたんじゃないかと思う。
「私、もう長くない。昔から病を持ってて」
「何を……」
「でも、私は最後までママの手駒。だけど、私は最後に貴女に言葉を贈る。それが、ママのためだと信じて」
この世界で別れなんて当たり前だけど、エキドナとの別れは……寂しいと思った。
ママは私にとって恩人であって憧れではあるけれど、同時にどこか違う世界の人のような気がしていたから、そういった意味でエキドナは蝶の中で私が信頼し、身近に感じていた唯一の人だったのかも知れない。
「ママは、とある人物を探してる」
「とある……人物?」
「ん……私の仕事は、その人物の情報を得る事と、確保する事。そして……ママの弟の生死を確認すること」
「弟……?」
「ママの、最期の人の部分」
「……」
「ママには手に入れたいものがある。どうしても欲しい事実がある。それがあったらから、辛うじて人でいる」
「私は……風前の灯の渇いた蛇。魔女を見守る事、もう敵わない。だから、貴女に託す」
私は言葉を紡げないでいた。
彼女の瞳に私の顔が見える。その私は少し泣きそうな顔をしていた。
エキドナは普段と変わらず、その物憂げな瞳で、それでも表情は少し悲しそうで……。
「ママを、見ていてあげて。彼女の道は誰にも外させる事が出来ない。だから、見ているだけでいい。そしていつか、私に教えて」
「……エキドナ」
「お願い」
エキドナの最後の姿は、最初で最後の優しく、綺麗な笑顔だった。
私はその笑顔を忘れない。この赤いチョーカーがエキドナの形見だとするならば、私はこれをつけて、この蝶で行動していこう。
そうする事でずっと、私を通してエキドナが見ていてくれるような……そんな気がするから。
