井上理津子『夢の猫本屋ができるまで』 | 茶々吉24時 ー着物と歌劇とわんにゃんとー

私がパーソナリティを担当している

大阪府箕面市のコミュニティFM みのおエフエムの「デイライトタッキー」。

その中の”図書館だより”は箕面市立図書館の司書さんが選んだ本をご紹介するコーナー。

私は司書さんのコメントの代読をし、そのあと自分の感想も付け加えます。

今日ご紹介したのは井上理津子さんの『夢の猫本屋ができるまで』です。

 

 

猫専門の書店を作った安村正也さんに取材をし、

井上理津子さんが執筆した本です。

 

 

東京三軒茶屋にあるキャッツミャウブックスは、

「猫本」専門書店。

2017年8月8日、世界ネコの日にオープンしました。

どんな本が猫本かというと、猫の専門書や猫の写真集はもちろん、

猫が登場する小説なども含みます。

有名どころでは夏目漱石の『吾輩は猫である』が良い例でしょう。

 

猫本専門書であると同時に、

この本屋さんには5匹もの猫が暮らしています。

(2018年7月現在)

この子達は全員保護猫。

とはいえ、猫カフェではないのです。

猫はこの本屋さんで、接客をしたり店番をしたり、

働いているのです。

 

キジトラの三郎 16歳男子が店長。

あとは キジシロのチョボ六、3歳、

黒猫 さつき 3歳、キジトラ 読太と鈴 2歳、

店長以外は全員女子です。

 

本当はもう1匹、ハチワレのDr.ごましお という子がいたそうです。

この子は難病のため、2歳で亡くなったのだとか。

病気がわかった時点ではまだお店は完成していませんでした。

店主の安村正也さんは、猫の言葉を理解できるという人に、

Dr.ごましおの心を聞いてもらったところ、

Dr.ごましおは「そのお店に出たい。番頭になりたい」と語ったのだとか。

普通、その病気にかかった子はすぐに亡くなるのに、

店に出たいという気持ちが支えになったのか、

Dr.ごましおは ずいぶん頑張ったんですって。

でも残念ながら開店には間に合わず天に召されました。

今、お店の中にはDr.ごましおの写真が飾られているそうです。

その写真には「初代番頭」という説明が添えられているんですって。

ううう、泣ける。

 

店主の安村さんは、この書店の収益の一部を

猫保護団体に寄付すると決めています。

ビジネスで儲けたお金で猫を助けたいのだとか。

そして助けた保護猫には店を手伝ってもらう。

お互いに助け合う、温かい連鎖です。

 

ところで私は東京の土地勘がありません。

三軒茶屋がどんなところなのかよくわかりません。

でも表紙から数枚の写真を見ていると、

チンチン電車(路面電車?)が走る住宅街なのですね。

大阪だと阪堺電気が走っている

阿倍野や堺みたいなところかなと想像します。

キャッツミャウブックスは住居兼用の店舗なんですって。

だから普通の住宅街に存在するんですね。

 

最後に。

開店にはお金がかかります。

資金の一部はクラウドファンディングで集めたのだそうです。

クラウドファンディングは、インターネットで自分の夢をプレゼンテーションし、

それに賛同してくれる人からお金を集めるシステム。

よく知らない相手を信用し、その夢の達成を願う人がいてこそ成り立ちます。

「いいにゃんこ」の語呂合わせで決めた目標額112万5千円が集まったのは

猫本屋ができることを願った人が大勢いらっしゃったということ。

私はそこに感動しました。

機会があればぜひ、行ってみたいです。

 

 

ところで、意外と多い「猫本」の中から

私がお勧めしたいのは、次の3つ。

 

 

佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。

夫がプレゼントしてくれて読みました。

泣けましたわ。

 

 

箕面市在住の藤野恵美さんの『世界で一番のねこ』。

自分の夢を叶えるためには、居心地のいい場所から

飛び出さないといけないこともある、というお話。

童話なのに毅然とした内容なのが良かったです。

 

 

乃南アサさんの『二十四時間』。

実家に置いてきた老犬「くま」が亡くなった後、

出会った子猫が日に日に「くま」に似てきて、

これは生まれ代わりでは?というお話です。

 

三つとも大好きで順位はつけられません。

ご興味がおありでしたら、ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

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