リーマン恐慌/岩崎 日出俊
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元リーマンブラザース幹部の岩崎氏が今回のリーマンブラザーズの崩壊後の世界の展望について述べたもの。
 
この本を読んだ感想としては、非常にがっかりしたということだ。
 
がっかりした理由としては2点ある。それは、①著者の視点というのがよく分からなかったこと。②リーマンブラザーズの内情について、あまり触れられていないこと。
 
まず、①著者の視点がよくわからなかったという点について述べたいと思う。この本の内容をそれぞれ簡単にまとめると、

第一章 リーマンの歴史やその破綻について
第二章 投資銀行ビジネスの歴史とその崩壊について
第三章 過去の覇権国家の崩壊と現状のアメリカの比較
第四章 資源が世界に与える影響について
第五章 サブプライムについて
第六章 サブプライム崩壊後の現状認識とその後について

こうした構成になっているのだが、各章の構成がどのようにつながっているのかがよくわからない。

第一章と第二章がつながるのは分かるが、第二章と第四章のつながりがいまいち…。仮に第二章と第四章のつながりを求めるとすれば、リーマン崩壊による影響ということだろうか。本書がリーマン崩壊後の世界に与えた影響をテーマにしていることから、こうしたつながりも分からなくはないが、いくらなんでも関係が希薄なのではと思ってしまう。

こうした各章に共通する考えが本書にはあるのかもしれないが、自分には読み取ることができなった(自分の読む力が弱いだけかもしれないが)。

また、第四章、第五章に関しては簡単にまとめただけという感じを受けた。

こうした感想を持ったのは、本書が多くのことを入れすぎたからなのではないかと思う。


また、②について個人的には守秘義務等の関係や暴露することによる人間関係に与える影響を考えると、そんなに内情について明かすことはないのではないかと思っていたが、正にそのとおりであった。ここは良い意味で期待を裏切ってもらいたかったのだが、そうはならなかったようだ。


本書は多くのことを書こうとして、何を伝えたかったのか良く分からない部分があったが、本書を書かれた岩崎氏は素晴らしい経歴の持ち主である(こうした著者に対して、一大学生である自分が批判するのはどうかと思うという声も聞こえてきそうだが…)。

本書は執筆期間が短いということもあったのだろう(9月の15日ごろから書き始めたことがブログに書かれている)。個人的には、物足りない感じであった本書だが、著者の新作には期待したい。