要約

第一章

サブプライム問題と1930年代の世界大恐慌と1980年代の不動産バブルとの比較。


第二章

サブプライム問題により欧米は低金利を維持しなければならず、これまで世界経済の脇役に過ぎなかった新興工業国や資源国に資金が流れる。ドルキャリーが活発に行われるようになる。


第三章

アメリカの対中貿易は貿易赤字だが、その貿易赤字の多くはアメリカを本社に置く企業が中国に工場を置き、その製品をアメリカに輸出している。そのため急激な元の切り上げは、そのアメリカ企業の利益を損ない、結局アメリカ政府は税収が減ることになるから、中国にたいして急激な元の切り上げを望まない。これがアメリカが日本に対しては急激な円の切り上げを求めた時と大きな違いである。


第四章

BRICs、ベトナムや中東諸国のこれからの成長性について述べる。この中で、中国型と資源国型による成長の仕方がある。


第五章

バブルは低金利による借金というレバレッジに始まり、高金利によって終結する。バブルは金利によって左右される。もっとも金利が低くても信用創造がなされなければ意味がない。また不動産は担保価値のみならず、信用創造としての価値もある。

グローバルバブル終了後はブロック経済が復活するおそれ。


第六章

日本はリスクをとってもっとそのポテンシャルを生かすように努力を重ねるべき


本書は2008年6月に書かれたものである。これを題名だけ見ると、著者の言っている通りにはなっていないと思うかもしれない。確かに現在の金融恐慌の状態を見れば、その通りである。しかし、著者は本文中の中でサブプライム問題がアメリカ当局により公的資金の注入が行われなかった場合には長引くと論じており、公的資金の注入が行われない理由として選挙による有権者の動向が気にかかるという点を挙げている。そのように考えると著者の予想通りになっているといえるだろう。