ブックパークの飾り棚、読んだ小説、うまいもの市 | ike-masa-55のブログ

ike-masa-55のブログ

北の地で、民族舞踊(コロナで停滞)と、読書に親しんでいます。

5月になって

ブックパークの飾り棚が

更新されました。

「ずかん」

 

 

 

最近読んだのは、男性作家の小説3冊。

 

 

東野圭吾 「魔女と過ごした七日間」



ラプラスの魔女シリーズ最新作。

AIによる監視システムが強化された日本。
指名手配犯さがしのスペシャリストだった
元刑事が殺された。

不思議な女性・円華に導かれ
父を亡くした少年・陸真の冒険が始まる。


<心に残った> 陸真が円華のおかげで気づいたこと

国家が作るのは国民をコントロールするのに
都合のいい法律だけだ。

DNAもIDナンバーも、国民を管理するツールにすぎない。
だからこそ大事なのは、
そんなものに振り回されたりせず
困難にぶち当たった時には
自分で考え
道を切り拓かねばならないということだ。

頼るのはAIなんかじゃない。
自分の頭だ。


この物語も、いつか広瀬すずの主演で
映画がされるといいなあ。




夏川草介 「スピノザの診療室」



「神様のカルテ」シリーズの著作で
現役の医師である著者の新刊。

主人公・雄町哲郎は、京都の町中の
地域病院で働く内科医。
内視鏡治療のエキスパートであった哲郎は
あることから大学の医局を去る。
人の幸せの在り方に迫る物語。


<哲郎が研修医・南に言ったこと>
「たとえ病が治らなくても、
 仮に残された時間が短くても、
 人は幸せに過ごすことができる。
 できるはずだ、
 というのが私なりの哲学でね。
 そのために自分ができることは何かと
 私はずっと考え続けているんだ」


京都の季節ごとの情景がよく描かれています。
哲郎の半端ない甘いもの好き、面白い!
世の中にぜひ味わうべき三つの食べ物
(哲郎いわく)
「矢来餅と阿闍梨餅と長五郎餅」




朝井リョウ 「スター」



以前に読んだ「正欲」と対をなす
作家生活10周年記念作品。



新人の登竜門となる映画祭で
グランプリを受賞した立原尚吾と大土井紘
ふたりは大学卒業後、名監督への弟子入りと
You Tube での発信という
真逆の道を選ぶ。

「スター」も言葉に込められたメッセージが深い。
誰もが発信者となれる世界で
どう表現者としてあるべきか?
名監督を目指す若者の、苦悩と気づきがいい。




<一流と思って他を批判すること>

色んな欲求ごとに一つ一つが対応する
小さな空間が横並びで生まれて
それがおしくらまんじゅうみないに集まって
まるでひとつの世界みたいな顔をする
   ↓
自分がいない空間に対して
「それは違う」「それはおかしい」って
指摘する資格は誰にもない
  (中略)
たとえば自分はそのジャンルの頂点を
知ってる人だからって思っても
それが本当に頂点だとしても
頂点の場所にある一つの点だけを
知ってるにすぎない


<尚吾と、一流シェフを目指す千紗>
   千紗が、悩む尚吾に語る言葉

・私と尚吾は、昔からある星形を
 きれいに描くことを頑張ってたんだ

・でももう、自分が見えた星の形を描いて
 これが星ですって言っていく時代になった

・星はそんな形じゃないって
 批判されまくったとしても
 私の見えている星も
 それですっていう人と出会えば
 そこが小さな空間になる
 世界がまた一つ小分けされる


今、誰もが発信者になれる世界で
どう表現者としてあるべきか
深く考えさせられる内容でした。

 

 

 

今日の午後、きらんの帰りに

全国うまいもの市のブースを巡ってきました。

 

 

今日が初日で、18日まで開催されています。

 

 

<追記>新聞記事