昔、生命保険会社の地方支店で、営業部署から何か面白い話をしてくださいという依頼を受けたことがあります。

 あれこれと悩んだ挙句に、保険セールスで使えるだろう考え方をお話しすることにしました。内容としては概ね以下の通りです。

 

 お客様が購買をしない、保険会社で言えば保険契約を拒まれる場合などによくある4つの壁についての話です。

 

  上の図が「買わない4つの壁」です。これは、お客様がこの4つの要素のうち1つでもお持ちになっていると、まず販売には繋がりません。

 一つずつ簡単に見て行きましょう。
 

1.       不信
「怪しい?」という気持ちです。この壁は4つの内で一番高い壁です。どれだけ良い商品やサービスでも、まず信用されなければ誰も買ってはくれません。

2.       不要
お客様に信頼されても、お客様がその商品やサービスを必要としていなければ、これもまた販売へは繋がりません。お客様も気づいていない使い方や便益を教えてあげることも必要となります。

3.       不適
商品やサービスの必要性が理解できたとしても、「自分には使いこなせない」とか「自分にはそぐわない」「予算と合わない」

4.       不急
最後に立ちはだかるのは、「それって今じゃなくてもいいでしょう」の壁です。良いもの、便利なものだとわかってもらっても最後に「今は必要ない」と思われたら、これも販売には繋がりません。“今だけ!”キャンペーンなんかで、この壁の高さを低くすることも戦略としてあると思います。

 

 お客様が買い渋る場合、この4つの壁のどれかが影響しています。どんな壁がお客様の購買行動の妨げとなっているのかを詳しく分析して、どのようにしてその壁を取り除くかを考えて見る必要があります。

 

 次に、お客様に“与えるべき”3つの要素です。これは、全ての要素をお客様が持っていなければ、お客様はお買い物はできないというものです。

 

 昼時となりお腹が減って来た。ポケットを探ると500円玉があった。さて、コンビニは何処だ?

 私たちが買い物をする場合、何々が欲しいという欲求(腹が減って何か食べたい)と、資金(500円)、さらに情報(コンビニの位置)が揃って行動に移すことができるのです。

 

 このように、お客様に商品やサービスを提供する場合には、欲しいと思ってもらい、リーズナブルな価格提案や適切な支払い手段や資金準備の提案、そして正しい情報を提供する。この3点をセットする形でお客様に与えなければなりません。

 

 お客様が買う3つの要素を与えること、お客様が買わない4つの壁を取り除くこと、ビジネスの基本となります。