売上は増えるに越したことはありませんが、時には減少する場合だってあります。
売上高減少の原因は大きく分けて2種類ありまして、一つは販売数量の減少です。そしてもう一つは販売価格の減少です。値引きなども販売価格の減少になるのですが、この値引きという行為が会計に及ぼす怖い影響について詳しく知ってないと大変な結果になってしまうことをご存知でしょうか。
では、簡単なシミュレーションを以下で行ってみましょう。
ここに1本の仕入単価が60円で、販売価格が1本100円のミネラルウォーターがあるとします。
このミネラルウォーターを販売するためにかかる固定費は300円だとした場合、2種類の売上減少の原因別の利益金額の違いを見てみることにしましょう。
◎通常のケース
ミネラルウォーター10本を正価で販売したケース
☞1000円(売上高)-600円(仕入高)-300円(固定費)=100円(利益)
では、シミュレーション開始です。
【ケース①:10%の販売数量の減少の場合】
販売数量が10本から9本になったとしましょう。この場合の利益額を計算すると以下のようになります。
☞900円(売上高)-540円(仕入高)-300円(固定費)=60円(利益)
【ケース②:10%分値引き販売した場合】
今度は、同じく10%の売上高の減少のケースですが、販売時点で10%の値引きをした場合です。バーゲンセールなどがこれに当たります。この場合の利益額を計算してみると以下のようになってしまいます。
☞900円(売上高)-600円(仕入高)-300円(固定費)=0円(利益)
いかがですか。同じ売上の減少なのですが、結果の利益金額が大きく違います。
冷静になって考えて見れば、誰だってこの違いはわかりますよね。でも、実際に経営の現場に立つとこの2種類の違いがわからなくなるみたいなのです。
知っていただきたいのは、値引き販売の怖さです。
巷ではそろそろ年末商戦が始まろうとするころあいでしょうか。年末バーゲンセールもよ~く考えて行って下さい。下手をすると赤字転落になってしまうかもしれませんよ。