アテルイという生き方
700年代後半。朝廷軍は、東北を征服しようと大軍を送る。
これに対し、東北に住む蝦夷(えみし)は、アテルイを中心として応戦する。
朝廷軍は、蝦夷を「人」として扱わない。
だから、アテルイは、蝦夷が「人」として、そして「蝦夷」として生きてゆくことが出来る世を目指し何十年も戦い続けた。
人としての尊厳を傷つけられた場合の選択肢は、「我慢する」「逃げる」又は「戦う」。
蝦夷はアテルイという優秀なリーダーを得た。だから、「戦う」ことを選択した。
カムイ伝 のカムイやエルネスト・チェ・ゲバラ も「戦う」ことを選択した。
現代でも、人としての尊厳を傷つけられることはある。
そのときには、「戦う」ことを選択する場合もある。
ただ、銃や刀を手にするという選択肢はない。
アテルイもゲバラも、人々が殺し合う世の中を一刻も早く終わらせたくて戦ったのだから。
憲法や法律、そして言論を武器に戦うのが現代のルールなのだから。
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結構長い本ですが、最後の方は終わらない欲しくなります。
下巻のクライマックスでは、声をあげて泣いてしまった(T_T)
アテルイと蝦夷の参謀モレとの友情、そして、アテルイとその敵である朝廷軍の坂上田村麻呂との友情が見所。
すごい武将は、敵のことを決してバカにせず、敵を尊重して正々堂々と戦うのです。