カムイ伝
「もし,みなさんが人間としての正当な要求を無視され,おしつぶされてしまったとしたら,どのように憤慨し,かつ悲しむことになるだろう!!今日,人間社会は高度に発展し,いよいよ,人々にとって生活は喜びとならなけらばならないはずであるのに,事実は逆である。
この物語も,寛永の末から寛文年間に至る30年間の歴史の中から,喜びの生活を求めて,そこから少しでも前へ進もうとした人々の生活をうきぼりにしてみた。 」
(カムイ伝 第一巻より)
- 白土 三平
- カムイ伝 (1)
「詳説 日本史B」では、「かわた(長吏)・非人は、百姓と同じように村をつくり、農業を行い、皮革の製造やわら細工などの手工業に従事したが、死牛馬の処理や行刑役などを強いられ、江戸幕府の身分支配のもとで「えた」という蔑称でよばれた。」と記載されています。
カムイ伝では、その「死牛馬の処理」のシーンや「行刑」のシーンが克明に描かれています。
目を背けたくなる。でも、現実なのです。
逆境の中でも、「俺は強くなるんだ」と前へ進もうとするカムイ。
勇気をくれます。