<戸田ボート>◇最終日◇11日

やっとたどり着いた。佐々木康幸(50=静岡)が、インから速攻を決めて待望の全国24場制覇を達成。97年11月デビューから26年4カ月、史上35人目の偉業を成し遂げた。前節の三国に次ぐ連続優勝、通算78度目の優勝にもなった。差した若林将が2着、中野次郎が3着に入った。

努めて冷静に、思惑通りのレースができた。部品交換を視野に入れるほど、平凡な手応えだったが、整備は断念。強烈パワーのライバル勢がいるのは承知の上で、スタートの質に重きを置いた。「全速で行ければそこまで伸びられないと思った。そこは全速で行けました」。コンマ09のトップスタートから中野のツケマイ、若林の差しも封じた。「ここのインは絶対じゃない。なるようにしかならないから意外と落ち着いていた」。腹をくくり、レースの集中力を高めたことも勝因だった。

ウイニングランを終え、ピットに戻ると「(達成が)遅いっていうの」と乗り突っ込み。「時間がかかったけど、素直にうれしい。もう十何回も優勝戦に乗ってたよね?」と続けた。戸田優出は18度目。18年7月に23場目の若松Vを決めて以降、実に14節目の戸田挑戦で格別な勝利を味わった。

水面への思いもあらためて打ち明けた。「嫌いじゃないんですよ。優勝(戦)に乗ることも多かったし。スタートを行くからレーススタイルにも合っている」。1度と言わずに2度、3度。戸田巧者への第1歩を踏み出した。

日刊スポーツから(引用)
2024/3/11