2021年も新型コロナウイルスに翻弄されるなか、「患者が不安を感じるのは孤立を感じているから」という信念のもと、患者に寄り添う一人の町医者が大阪にいる。そんな彼に密着した『ytv ドキュメント 365日診察中 ~新型コロナと型破りな町医者~』(読売テレビ)が、12月30日に放送される。
大阪府河内長野市でクリニックを営む水野宅郎医師。「地域医療で100の奇跡を起こす」という志を持つ彼は、余命幾ばくもない患者に向き合う際、治療だけではなく、患者が人生の最後にやりたいことは何か、その願いに耳を澄まし、寄り添うという。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、休み返上で、発熱外来・ワクチン接種・コロナ往診を続けている。

熱血漢の水野医師だが、唯一の泣き所は収入面。新型コロナ治療に対応した設備への投資や検査料などのため、この2年間で、5千万円以上の身銭を切った。一方、去年の年収はわずか22万円。補助金が下りず、銀行や福祉協会への金策を繰り返しながらの、まさに自転車操業だ。

医学の道を志したのは18歳の頃、少年院に収監されていたときで、当時は人生の目標もなく、高校を中退、大麻や自販機荒らしなど荒んだ生活を送っていた。しかし、少年院の教官との出会いや学んだことが、人生を変え、心のなかに抱いていた「医師になる」という夢に向かうことになったそう。

自分のことを「ヤブにもならない竹の子医者」だと謙遜する水野医師。新型コロナとの闘いを余儀なくされる患者の姿は、かつて孤独だった自分と重なるそうで、「誰にも相手にされず、どうしようもない人間だった自分が、今必要としてもらえることが、ただただうれしい」と話す。地域に強く根を張る姿を通して、地域医療の在り方を見つめる。この模様は、12月30日・朝10時半から放送される(関西ローカル)。

デイリースポーツから(引用)
2021/12/20