統一運動常設協議体「民族和解協力汎国民協議会(民和協)」が昨年、社会福祉共同募金会から対北朝鮮支援のため10億ウォン(約9000万円)を受け取ったが、該当事業は無期限の保留中であることが分かった。民和協は「新型コロナウイルス問題で北朝鮮側との協議が難しい」という理由を挙げているが、この間にコメ保管料と人件費だけで約5000万ウォン(約450万円)を支出していたことが確認された。

 先月30日、野党・国民の力の白宗憲(ペク・ジョンホン)議員室によると、民和協は昨年9月に社会福祉共同募金会が主管する「北朝鮮乳幼児栄養支援事業」の実行機関に選定された。政府MMA米(輸入自由化前に義務的に最小限の量で輸入したコメ)を加工した米粉1500トンを北朝鮮平安南道南浦などの乳幼児1万270人に支援する事業で、韓国・木浦新港から出発して中国・大連港を経由する物流・輸送計画も立てた。

 ところが、今年初めに新型コロナウイルスが全世界に広がり、事業は事実上、無期延期された。北朝鮮は外部支援を一切拒否して「ロック・モード」に入り、事業進行のための最小限の連絡や接触すら困難になったからだ。このため、民和協は事業期間を今年末まで延長し、この期間の職員人件費(510万ウォン=約50万円)と保管料(4045万ウォン=約370万円)の名目で約5000万ウォンを支出したことが分かった。

 白宗憲議員は「北朝鮮は水害・台風・制裁という三重苦の中でも外部からの支援を一切拒絶している状況なのに、無理に対北朝鮮支援を推進して、我々の金ばかり食いつぶしている」と指摘した。

 事業推進時に会長を務めていた金弘傑(キム・ホンゴル)氏(現・国会議員、無所属)=金大中(キム・デジュン)元大統領の三男=は今年4月、総選挙出馬のため辞任した。民和協は社会福祉共同募金会側に「対北朝鮮支援の性質上、多くの政治的変数が作用する。予算執行ではなく、結果を得るための実行機関の自律性・柔軟性を認めてほしい」と明らかにしたとのことだ。

朝鮮日報日本語版から(引用)
2020/10/1