昨年韓国を離れて海外に移住した国民の数が、世界金融危機以降の11年間で最多を記録した。

 外交部によると、1590人が昨年、政府に「海外移住申告書」を提出したとのことだ。2008年に2293人を記録して以降で最も多い数字だ。2015年は273人、2016年は455人だったが、2017年に1294人と跳ね上がり、2018年は1498人だった。これは、現地滞在中に長期滞在に切り替えたケースを除いた数字だ。

 1日昼、ソウル市江南区の移民コンサルティング会社で会った資産家Aさん(48)=女性=は米ニューヨークのアパートを購入して移民する準備をしていた。永住権取得のために50万ドル(約5300万円)、不動産取得のために180万ドル(約1億9000万円)ほど支出する予定だ。総資産が約50億ウォン(約4億5000万円)というAさんは「政府がソウル・江南のマンション優良物件を所有する人を狙って、3年間で20回以上も政策を変更するのを見て、移民の決心を固めた。今、念頭に置いているマンハッタンのアパートの場合、購入すれば20年間、ニューヨーク市で年間1万2000ドル(約127万円)以上の固定資産税軽減というメリットを与えてくれるそうなので、気持ちが傾いた」と語った。

 中産層の人々も移民を考えている。ソウル市中区に住む主婦Bさん(44)は最近、ポルトガル第2の都市ポルトへの移民を調べている。中産層の平凡な市民であるBさんは「数年前まで移民なんて夢にも思っていなかった」と話す。だが、最近のソウルのマンション価格高騰がBさんにチャンスをくれた。Bさんは「これといった財産といえば、ソウル市内のマンション1物件だけだったが、それが突然、十数億ウォン(数億円)に跳ね上がった。マンションを売ったお金の半分でヨーロッパに家を買い、残りの半分を生活費として使うつもりだ」と語った。コンサルティング業界関係者は「最近は資産家だけでなく、平凡なソウルの中産層の人々も10億-20億ウォン(約9000万-1億8000万円)台のマンション1物件を元手に移民を目指すケースが増えた」と話している。

◆世界で最も住みやすい国1位はノルウェー、韓国23位、日本は?

朝鮮日報日本語版から
2020/8/12