【ソウル=桜井紀雄】韓国で梅雨前線の影響による大雨が全国的に続き、河川の氾濫や土砂崩れが多発している。韓国政府によると、今月1日から10日朝までに豪雨による死者は31人、行方不明者は11人に上った。被災者は約7千人に及ぶ。10日には台風5号が韓国南部に上陸し、さらなる被害の拡大が懸念されている。

 首都圏を含む中部地方では6月24日から梅雨が続き、今月10日で48日が過ぎた。1987年の8月10日がこれまでで最も遅い梅雨明けだったが、これを更新することになった。

 豪雨で蟾津江(ソムジンガン)や洛東江(ナクトンガン)といった南部の大型河川の堤防が決壊。ソウルでも通行止めが相次ぎ、交通に影響している。中部が梅雨入りした6月24日以降の死者・行方不明者は50人に達し、豪雨や台風で78人が犠牲となった2011年以来の被害となっている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日の大統領府の会議で、さらなる被害の防止に万全を期すよう強調し、被災地の復旧に軍を含む可能な人員や装備を総動員するよう指示した。文氏は、豪雨を受けて先週に予定していた夏季休暇を切り上げ、政務に当たっている。

産経新聞から(引用)
2020/8/11