大阪府の吉村洋文知事は31日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、大阪市の繁華街・ミナミで8月5日から20日までの間、接待や酒の提供を伴う飲食店を対象に休業や営業時間の短縮を要請する考えを明らかにした。31日夕に開く対策本部会議で、専門家の意見を聞いた上で最終決定する。

 吉村氏は、感染者が出ている府内の繁華街について「ミナミが突出している」として、「感染が広がっているエリアを絞り込み、対策を打つことが必須だ。できるだけの補償をする」と述べた。府庁で記者団に答えた。

 対象エリアは、東西が御堂筋と堺筋、南北が長堀通(どおり)と千日前通に囲まれた範囲を想定。感染症対策を取っていない店に休業を要請し、対策を取っている店には時短営業を求める考えだ。時短営業に協力した店には、大阪府・市が1日1万円ずつの計2万円を支援することを検討している。

 府は7月28日の対策本部会議で、病床使用率が重症用で35%程度になるか、軽症・中等症用で50%程度に達した場合、警戒レベルを引き上げる方針を決定。過去にクラスター(感染者集団)が発生した業種で、対策を取っていない店に休業を要請するとしていた。

 30日の病床使用率は重症用が9・6%、軽症・中等症用が22・9%で、いずれも基準には達していない。吉村氏は31日、方針転換の理由を「感染者は220人、陽性率も10%を超える数字になっている。(感染が広がっている)現地の大阪市を管轄する松井一郎市長の意見も大事だ」と説明した。

 吉村氏は記者団の取材に先立ち、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会にテレビ会議で参加。全国的に夜の繁華街を中心に感染が広がっている状況を踏まえ、一斉に大都市で業態や範囲を絞った休業要請をすべきだと主張した。

産経新聞から(引用)
2020/7/31