就任から1年を迎えた日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が14日、東京都内で会見。自国開催の東京五輪が新型コロナウイルス感染拡大で延期されるなど、前例のない事態に対処してきた1年を振り返り、「開催国の会長が1年前に替わるのはあっちゃいけない」と思わず本音を漏らした。

 山下会長は、五輪招致を巡る買収疑惑が浮上した竹田恒和前会長(72)の退任にともない、昨年6月に就任した。「1年前に中のことはほとんど知らないのに、ぽっとなった。未知の経験。戸惑い。それが大変多かった」とこぼす。想定外のコロナ禍にも直面。東奔西走する日々は今も続く。

 来夏に延期された東京五輪は「簡素化」が命題となっている。山下会長は「ポストコロナの五輪は、国の威信をかけた華美な五輪から変わっていくべきだと思う。第一優先は安全安心だ」と強調。金メダル30個の目標については、「変えるつもりはないし、再調査する余裕もない」と語った。五輪までには、さらなる紆余(うよ)曲折も予想される。「何も知らなかった1年前と今は違う。重いものを背負って役割を果たしていく」。緊急登板から1年。今はかじ取り役の大任を全うする覚悟だ。

中日スポーツから(引用)
2020/7/14