5月の日曜日の午後、普段ならにぎやかな関西国際空港第1ターミナルの到着ロビーは閑散としていた。国際線の発着案内には「欠航」の文字がずらり。唯一運航されていたアムステルダム発のKLMオランダ航空機が到着すると、入国手続きを終えた20人ほどの乗客が現れた。

 新型コロナウイルスの影響で世界の航空会社は大幅な減便を続けている。関西エアポートが発表した4月の国際線旅客数は前年同月比99・7%減の6689人。外国人は3月が9万3380人だったが、4月は4140人に激減した。

 フランスに一時帰国していたという女性が荷物をカートに乗せて姿を見せ、出迎えの夫や子どもたちと笑顔で抱き合った。人けのないロビーの一角が、家族の無事と再会を喜びあうほっとした空気に包まれた。【小出洋平】

毎日新聞から(引用)
2020年5月31日