「…あのね、帰り道ね、いつもと違う道だったの」
「うん」
「…そしたらね、急にね、5人ぐらいの男の人たちに襲われて…」
「――――」
思考が止まった。
気付いたら、僕の視界が涙でくすんでいた。
まさかと思いながら、なんとなくそうかもと思いながら、
でも、そんなことはないと思っていたこと。
そんなことが本当にこの世の中でありえるのか…!!?
なぜ彼女なんだ?なぜ由里が?
茫然とする僕に、由里は嗚咽を漏らしながら続けた。
「…怖かったよおお!!!!」
そう言って、由里は号泣した。
「はじめてなんだよ!!なのに、なのに…!!!」
怒りとも悲しみともとれる彼女の号泣は、痛いほど僕に刺さった。
なんて声をかけたらいいのか、分からなかった。
ただ、今由里に何もできない自分が本当に悔しかった。
人生で初めて、こんなにも無力な自分を責めた。
傍で聞いてあげることもできない。
なぜ涙がこんなにも出るのか、
悔しいのか、
怒っているのか、
悲しいのか、
僕は分からなかった。
「つらかったよな、怖かったよな…」
そうちゃんと言えたのかどうかもわからない。
「怖かったよお…」
「もう大丈夫、大丈夫やから。な?」
泣き続ける由里に、大丈夫だよ、と声をかけることしかできなかった。
どう見たって、何がどう大丈夫なのか分からないが、僕にできることはたったそれだけだった。
ようやく、由里の泣きが少し収まってきたころに、聞いてみた。
「でも、なんでいつもと違う道で帰ったんや?」
危ない道草でもしたんだと思って聞いたことだった。
「翔にね、少しでも早く帰って電話しようと思ってね、近道したの…」
僕のせいだ。
僕がいなかったら、彼女は、由里は…!
こんなことにならなかったのに!!!
「ねえ、翔…助けて…」
「…」
僕は、無力だった。
この日から、僕たちの悪夢のような毎日が始まった。
「うん」
「…そしたらね、急にね、5人ぐらいの男の人たちに襲われて…」
「――――」
思考が止まった。
気付いたら、僕の視界が涙でくすんでいた。
まさかと思いながら、なんとなくそうかもと思いながら、
でも、そんなことはないと思っていたこと。
そんなことが本当にこの世の中でありえるのか…!!?
なぜ彼女なんだ?なぜ由里が?
茫然とする僕に、由里は嗚咽を漏らしながら続けた。
「…怖かったよおお!!!!」
そう言って、由里は号泣した。
「はじめてなんだよ!!なのに、なのに…!!!」
怒りとも悲しみともとれる彼女の号泣は、痛いほど僕に刺さった。
なんて声をかけたらいいのか、分からなかった。
ただ、今由里に何もできない自分が本当に悔しかった。
人生で初めて、こんなにも無力な自分を責めた。
傍で聞いてあげることもできない。
なぜ涙がこんなにも出るのか、
悔しいのか、
怒っているのか、
悲しいのか、
僕は分からなかった。
「つらかったよな、怖かったよな…」
そうちゃんと言えたのかどうかもわからない。
「怖かったよお…」
「もう大丈夫、大丈夫やから。な?」
泣き続ける由里に、大丈夫だよ、と声をかけることしかできなかった。
どう見たって、何がどう大丈夫なのか分からないが、僕にできることはたったそれだけだった。
ようやく、由里の泣きが少し収まってきたころに、聞いてみた。
「でも、なんでいつもと違う道で帰ったんや?」
危ない道草でもしたんだと思って聞いたことだった。
「翔にね、少しでも早く帰って電話しようと思ってね、近道したの…」
僕のせいだ。
僕がいなかったら、彼女は、由里は…!
こんなことにならなかったのに!!!
「ねえ、翔…助けて…」
「…」
僕は、無力だった。
この日から、僕たちの悪夢のような毎日が始まった。