松戸市の野馬除土手と鎌ヶ谷の市の捕込 | いかりぶ ぶらぶら

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下総発。
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散策日 令和5年6月1日

 

前回八街の野馬土手と捕込 (とっこめ) 跡を見に行った。

ブログを書くための確認をしていたら、鎌ヶ谷市にある捕込跡が国指定史跡になっていることにに気が付いた。

その存在は以前から知っていたが、きちんと見たことが無かったので行ってみることにした。

 

 

捕込の前にまずは松戸市にある”野馬除土手”を見に行く。

 

信号待ちの運転席からパチリ。

千葉県道281号松戸鎌ヶ谷線、東武鉄道野田線 (アーバンパークライン) の六実 (むつみ) 駅付近の踏切から松戸方向へ約1キロ付近。

右側は松戸市六実、左側は六高台。

この信号のある交差点を過ぎたら右折する。

 

 

前の写真の交差点から約50メートル。

左側に多目的広場を中央分離帯の様に挟んだ一方通行の道に右折する。

写真で赤いスクーターが入って行こうとしている道だ。

 

 

前の写真の交差点から一方通行の道に入って約550メートル。

中央分離帯の様な場所はスポーツ広場として相変わらず続いていて、この先もまだ続く。

この、現在スポーツ広場になっている部分は元は何かの予定地だったはずだが‥ 何の予定地だったのかは忘れてしまった。

目的の”野馬除土手”は写真奥の、道路左側の木が生えている場所だ。

 

 

ショッピングセンターの駐車場出入口の壁の裏から現れる土手が野馬除土手であり、松戸市教育委員会が建てた標柱がある。

前回行ったのは七つの牧で構成された”佐倉牧”であったが、こちらは五つの牧の構成の”小金牧”。

その小金牧の内の一つ、”中野牧”の野馬除土手である。

八街の土手は”除”の字が抜けて、”野馬土手”であったが、土手の目的や造りに違いは無いようである。

呼び方もどちらでもよいようなのだが、管理者と同じ呼び方で紹介する。

 

 

すぐ傍に解説版もあったが、高い位置にあるので読みにくい‥ カメラを持って思いっきり万歳してもまだ正面にはならない。

おや? 小金牧は6牧とな?

 

調べてみたら、説明板の最初に書かれている”庄内牧”が早くに廃止になり、そののち庄内牧があった場所に”上野牧”と”下野牧”が出来たようだ。

 

 

約60メートル先に野馬除土手を横断する道がある。

この先道路の位置が低くなり、野馬除土手が見えなくなるので、反対側に回ってみよう。

 

 

ここでは、木は切らずに保存する方針のようだ。

この道は当時からあったようで、馬が逃げ出さないように木戸が設けられていたとのこと。

 

 

少し先で振り返る。

白い標柱に”野馬除土手の木戸遺構”とある。

 

 

木戸口から約80メートル先でまた振り返る。

野馬除土手の高さが少しずつ低くなってきた、と云うより地面の方が高くなってきている。

この先、土手は住宅の裏になってしまうので、ここの見学はここまでにする。

 

因みに野馬除土手見学者のための駐車場はありません。

 

次は国指定史跡の捕込を見に行く。

 

 

 

先ほどの野馬除土手から南に約2.5キロ。

鎌ヶ谷市の新京成電鉄北初富駅前、千葉県道57号千葉鎌ヶ谷松戸線国道464号線、初富交差点にやって来た。 (県道57号・国道464号線重複区間です。)

写真の奥に見える大きな建物が北初富駅で、目の前を横切っている道が千葉県道57号線。

県道を写真右奥、千葉方面へ行く。

 

 

初富交差点から約150メートル。

右側の空き地の奥に捕込の土手が見えるが、ここからは入れないので先へ進む。

この捕込は先ほど見てきた野馬除土手と同じ中野牧である。

中野牧すごく広い!

 

 

初富交差点から約220メートル。

福祉施設の駐車場の奥に捕込見学の入口がある。

駐車場を横断しないと入れないのだが、”見学上の注意”と書かれた看板が見えるので通らせてもらう。

 

 

入口の石碑には”千葉県指定史跡小金中野牧の込跡”とある。

捕込の”捕”の字が無くて、ただの”込”になっている。

同じ施設なのに管理者によって呼び方がバラバラだね。

県のホームページによると県指定史跡になったのは昭和42年で、個人の所有となっている。

 

 

石碑の隣の説明板では平成19年に”国指定史跡”に指定されたとなっている。

個人の所有地ではあるが、説明板の下に”【見学上の注意】史跡保護のため、土手にはのぼらないで下さい。タバコはご遠慮下さい。”とあるので、遠慮なく中に入らせてもらう。

更に、”見学の際は、公共交通機関をご利用下さい。専用駐車場はありません。貝柄山公園の駐車場をご利用ください。”との張り紙がある。

私も貝柄山公園に車を止めてきたので、次回は貝柄山公園をレポートしようかと思う。

 

 

中に入ると、ロープを張って造られた見学通路の横に、伐採した木が積まれていた。

超広角のレンズで撮った写真では解り難いが、今まで見てきた土手の中でダントツに高く囲まれ感がとても強い。

このスペースは、追い込んで捕らえた馬のうち牧に戻す馬を誘導するスペースで、”払込”という。

 

 

もう少し奥でパチリ。

やはり写真では囲まれ感がうまく出ない。

右側の土手が特に高くなっているが、その向こう側が江戸に送ったり農耕馬として利用する馬を留めておく”留込”というスペース。

 

 

入口から約40メートルで、見学通路は終わり。

土手に登る階段があるが、地元の人が抜け道として使っていた名残だろうか。

 

 

一番奥で振り返る。

左側、写真で黒い影になっている部分の土手が低くなっている。

その向こうが野馬を追い込んでくる”捕込”であり、牧に戻す馬をあそこからこちらに誘導してくる口である。

 

 

今回見学できたのはこれだけだが、年に数回行われているイベントではガイド付で全体を周るようである。

参加してみたいものである。

 

 

また、この捕込と一緒に国指定史跡に登録された野馬土手があるのだが、住宅街の中にある小学校の敷地内なので今回は遠慮した。

 

 

 

追記

今回訪れた捕込の、見学通路入口の反対側を見る事が出来ることに気づき、後日再訪した。

 

写真の右奥、土手の向こう側が見学した”払込”。

左側のコの字型が”留込”であるが、こちら側の土手が半分無くなっている。