こんばんは、のいです♪

 

 

 

前回の続きです。

前回まで、ウイスキーのニューポットに見立てたウオッカにいろいろな樹種の木片を浸けていましたが、

その中から比較的良い香りや味を持ったものを、ブレンデッドウイスキーとブレンドし、

味の違いを確かめてみることにしました。

 

木片とブレンドするウイスキーとして選んだのは、「デュワーズ ホワイトラベル」です。

最近、「ハイボールの起源」としてテレビCMでも見かけますが、癖もそれほど強くなく、穏やかな味わいで、

木片ウイスキーの​​​​​​個性を残すには良いだろう、ということで選びました。

 

このデュワーズを30mlと、木片ウイスキーを20mlの割合で混ぜ、馴染ませるためにしばらく置いて、試飲しました。

 

ブレンド用に選んだのは、「楢」「楓」「栃」「桑」「桜」「タモ」の6種類。

いずれも、ブレンド前の段階で、比較的ポジティブな要素が多かったものです。

 

以下、試飲した味のメモです。

 

楢:香りにバーボン様とかすかに正露丸、チョコレート、オレンジ
楓:メープルシロップ、ミント、ハーブ、ビターチョコ
栃:皮ごと食べたグレープフルーツ、段ボール
桑:レモングラス、マーブルチョコ、よく熟した巨峰、余韻が長い
桜:酸味のあるさくらんぼ、あんこ、余韻が長い
タモ:オレンジ、ビターチョコ、やや苦味が強い

 

もちろん、それぞれデュワーズの味も木片ウイスキーの味もあったんですが、

全く違うニュアンスを感じたりもしました。

ブレンドって難しいし、ブレンダーの技術って凄いと思います。

個々の味に関しては、苦味を感じるものが多く(おそらく焦がしたことが原因)、

そこを差し引いて考えたら、結構個性のある味になるんじゃないかと感じました。

特に桜は、味のまとまりがあって、今回の実験で一番美味しく感じました。

 

 

 

と、言うところで、この一連の実験は、一旦終了ということにしようと思います。

元々の発想が「桜樽で熟成させたウイスキー」というものを見掛けて、

「じゃあ、オーク以外の木で熟成させたらどんな味になるんだろう」

「オーク以外の木で熟成させたウイスキーを作ってほしい」

という考えを持ったからで、

前者は、今回の実験である程度「いい味を出せる樹種」がわかったし、

後者は、既に桜樽を使っている蒸留所があること、

さらに、栗や杉といった樽を、国内最大手の有明産業さんが作り始めたこと、

その「オークではない樽」を使ったウイスキー作りを始める、と宣言した蒸留所があること、

要するに「素人が思い付くことは、大体既にプロがやっている」ってことですね。

 

ちなみに。

僕が把握している範囲では、前回の記事で取り上げた松井酒造さんが既に桜樽熟成のウイスキーを発売されている他、

額田蒸留所さん(木内酒造、茨城)が桜樽を使った熟成を開始、嘉之助蒸留所さん(鹿児島)が、桜や栗、ヒノキの樽で熟成するという話があります。

あと、この実験を始めてから知った話ですが、

ウイスキーのブームが来る前に、樽の一部に桜材を使ったものや、杉樽で熟成させたウイスキーを、

サントリーさんが既に作っていたそうです。

その商品が今残ってない、ということで、色々察することができそうですね。

※松井酒造さんは、前回かなり批判的な内容で書きましたが、

ブームを敏感に感じ取り、素早く酒作りに取り掛かる行動力は、凄いと思います。

また、前回の記事を書いた後、実際にシングルモルト松井を飲んだ方から、

「若さは強く感じるけど、可能性は感じる味」というコメントも頂きました。

現状では、まだ批判的な意見も多く、僕自身もあまり肯定的に見ていませんが、

もしかすると、数年後には「美味しい」と多くの人から評価されるようになるかもしれません。

その可能性は、否定できないと思います。

 

 

 

こういう「樽」に個性を持ったウイスキーが、これからの「ジャパニーズウイスキー」のひとつの特徴になるかもしれませんねヽ(´ー`)ノ

個人的なアイデアとしては、今回の実験でやってみた「ブレンデッドウイスキー」や、

樽を作れるほど大径にならない木の木片を樽の内部に入れて熟成する方法、

(例えば、ブドウや桃のような果樹の伐採木など)

いろいろと考えることができます。

度肝を抜くようなウイスキーが出てくる事を期待しようと思いますヽ(´ー`)ノ

 

話は変わりますが、ジャパニーズウイスキーっぽさという点では、

「米」を使ったウイスキーという話もチラチラと聞くようになりました。

この話は、また別で書こうと思います。