こちらの記事の続きです。
あれ以来、ホームセンターや材木店などを回り、実験に使う木材をいろいろと入手しました。
まず、楢(ナラ)。
ミズナラの入手を目論んでいましたが、適当なミズナラ材が見つからず、
自宅にあった、おそらく中国産かロシア産のナラフローリング(無塗装品)のサンプルで。
一応「オーク材」ということで、これを味や香りの基準にしようと思います。
ちなみに、ノコギリで切っていた時に、バーボンを飲んだときのような香りを感じました。
この香りがそのまま味に出るとしたら、ある程度、他の木の仕上がりも想像できる気がします。
・ブナ
英語では「ビーチ」と言われるように、オークとは別物ですが、
オークもブナ科なので、遠い親戚のような関係の木です。
・くるみ
ホームセンターで購入したものですが、材の色から、
ブラックウォルナットではなく、オニグルミではないかと思います。
・栃
当初、全く予定がなかった木ですが、材木店で見かけたので、買いました。
山陰では、栃餅という、栃の実が入ったお菓子があり、
くるみに似た食感で、香ばしい味わいなので、もしかすると、その辺りのニュアンスがあるかもと思い、選んでみました。
・桜
かなり赤みが強いので、ソメイヨシノではなく、ヤマザクラではないかと思います。
燻製でもかなり癖の強い香りがつくのと、
既に桜の樽で熟成しているウイスキーがある(フランス産のウイスキー)ので、
おそらく、何かしら好ましいニュアンスは得られるのではないかと期待しています。
・楓
イタヤカエデという、フローリングや家具などに使われる楓だと思います。
使用されたのはイタヤカエデではなくシュガーメイプルですが、
桜同様にウイスキー熟成に使用された実績があるので、期待しています。
・栗
こちらも、ブナ科に属する木です。
実のイメージで行くと、オーク(ドングリ)よりも渋味が少なく、甘さを感じるニュアンスが得られるのではないかと期待していますが、どうでしょうか。
・たも
あまり一般的に知られていない木ですが、野球のバットに使われる「アオダモ」という木の仲間です。
モクセイ科で、オリーブ等とは遠い親戚みたいなものですが、さてどうでしょう。
・桑
果樹という分類で、実を食べたことはないんですが、
甘さや酸味が出てくるのか、興味があるところです。
切ったときには、そこまで強い香りは感じませんでした。
・けやき
当初、予定がなかった木ですが、かなり大径になる木で、木目も真っ直ぐで加工がしやすく、
もし、何か好ましいニュアンスが得られたときには、
樽を作るというところまで発展しやすいかな、と思い買ってみました。
・朴(ほお)
市販の化粧品などに配合される「ホホバオイル」は、この朴の葉から抽出される成分です。
その辺りの知識があったので、こちらも当初予定していませんでしたが、買ってみました。
・ブビンガ
ワインの貯蔵に、アカシアの木で作られた樽が使用される事もあるそうで(ほとんどはオークですが)、
その影響だと思いますが、フランスのウイスキーに、アカシア樽熟成のものがあるそうです。
アカシアはマメ科の木なんですが、同じマメ科で、アフリカ産の木のブビンガを見かけたので、買いました。
マメ科はかなり幅が広く、アカシアとブビンガでは全く別物だと思いますが、
独特の香りがあるので、個性のあるニュアンスが得られるのではないかと思います。
・安政柑(柑橘類)
文旦という柑橘類の果物の、自然交配種とされているようです。
見た目は、グレープフルーツをふたまわりくらい大きくした感じ。
グレープフルーツ自体が、文旦とオレンジを掛け合わせた物なので、
グレープフルーツから見たら「叔父さん」みたいな存在です。
知り合いから、この果樹の伐採した枝をもらうことができました。
こうやって見ると、結構集めましたね(笑)
現状では、この中から半分程度を選んで、浸けてみる予定にしています。
できれば全種類やってみたいんですが、いろいろな兼ね合いもあり、少し難しいかな、と思います。
その辺りの話は、後日書こうと思います。
あと、写真でわかるように、浸ける際には、棒状にします。
できるだけ「樽熟成の環境に近づける」ことを考えると、
これくらいの大きさが妥当なのではないかという勘です。
断面の形がいびつなのは、普段あんまりノコギリを使わない僕が切ったからで、そこはご愛嬌ですが、
大体1~1.5cm角で、長さが10cmくらいになっています。
これを数本入れようと思っています。
これで、木材の方は大体決まりました。
あとは、どのウイスキーに浸けるか、というところですが、
実は、ウイスキーではないものに浸けるかもしれない、という検討もしていて、
全種類つけないかもしれない、というところにも関わってきます。
その辺りの話は、次回です。