『ほんとうの眼鏡づくり(ブログ)』の中で、眼の役割として「視覚で判断する」ということを書いた。過去の記憶や経験など、判断する力を使ってものを見ている。そして「視覚と手などの運動のズレ」を整える役割が眼鏡にはある。


大リーグマーリンズのイチローが歴代最多安打記録4257本(日米通算)の安打を放ち、対戦相手からも祝福されている。その賛辞の中に「Hand-eye-cordination(ハンド・アイ・コーディネーション)」という言葉を見つけた。これは「目でイメージするところへ、正確にバットが出る」というイチローの野球センスを言い表している。


Hand-eye-cordination


直訳すれば「目と手の協調」。これは脳に損傷を受けた後に治療をする、リハビリテーションの現場でよく聞いた言葉。Hand-eye-cordinationは、欧米では野球などのスポーツに限らず、医療、音楽、コンピューターなどの分野でよく使われているらしい。イチローの野球センスや神の手と呼ばれるような医療者や早弾きギタリスト。ボールやバット、ピアノやギター、外科手術用ロボットアームなど、人間の目と手が道具を使う際に調整する能力。


Hand-eye-cordinationは、脳神経とのつながりが深いと言える。

人間の脳は記憶や創造力を司り、進化や行動を促している。


「見る」というニューロン(神経細胞)の信号は、後頭葉にある視覚野を経由していくつものシナプス(神経細胞をつなげる継ぎ目)を通って視神経に集められる。そして「見る」という信号は角膜を突き抜けて、バットの先にあるボールや、ロボットアームの先にある体内の病変を捉える。



眼からビームが出るイメージ。



旅をしていた頃のことを思い出した。

当時のぼくは、新しい土地で目にするものすべてに興味を持ち、誰かれかまわずいろんなことを尋ね歩いていた。知ることの喜びを口にして、なんでもやってみようと積極的に行動していた。目に入るものを確かめるために、手や足やビームを使って知識や技術、情報をかき集めていた。



(知らない土地で)
生きるために頼まれたことは断らない。



おかげで様々な場所で働き、素敵な人たちに出会えた。
神出鬼没、瞬発力がいい、フットワークが軽い。そんな形容詞を付けてもらった。
(ついでに言うと、失敗をして追い出されたりもした)


これをHand-eye-cordinationの話に絡めるのは無理があるかもしれないが、楽しそう!面白そう!と「瞬間的に判断して動いていた」という意味では間違ってはいないはず。


これからも視覚と運動(生き方)のズレを、ビームを出しながら軽やかに調整していきたい思う。

最後に……イチロー選手、これからもいろんなビームを出してください!

「あなたにとって生きててよかったと思える時は?」というような質問だったかな。
その答えがこれ。2011年7月撮影。